TASTING CUBE

Wine by your side…我が家は毎晩がワインサロン。最近のマイブームはBOX WINEです。

ハモン・イベリコ

2006-10-02 22:05:54 | ワインの脇役
知人がハモンイベリコのインポーターをしている。
14年間スペインに住む彼女がイチオシの商品を見せてもらった。


スペインの生ハムといえばこの2つが代表。
ハモンセラーノとハモンイベリコ。
これは、原材料である豚の種類の違いで、スペインの原産種であるイベリコ種を使ったハモン(ハム)のことをハモン・イベリコと呼ぶ。


生産量のも多いJamon Serrano(ハモンセラーノ)は、文字通りSierra(シエラ)つまり山脈で作られているハムを意味する。

造り方は簡単にいうと、こんな感じ。
①塩漬け乾燥して(肉の保存には不可欠)、
②熟成、寝かせる。
完成品は、微妙な風味と香りを持った生ハムとなる。

むかしは山岳地帯で作られていた。地中海性気候の湿気の多い寒い冬と乾燥した夏、そして山の気候の変化が塩漬けされた肉の旨みを凝縮させ、しっかりとした歯ごたえとまろやかで程よい塩味を生み出した。現在では、高度な技術を使い、温度、湿度などを管理させた施設で作られている。



一方、ハモン・イベリコ(Jamon Iberico)のほうは、生産量も少なく値も張る。
そもそもこのイベリコ豚に特徴があるから。

なんと言ってもドングリが飼料ということと、放牧飼育。
スペインのイベリア半島沿いのコルク樫の原生林に放され、1頭のイベリコ豚には1トン以上のドングリと、2~3ヘクタールのコルク樫の森が必要とのこと。
自然の中を自由に動き回りオレイン酸を豊富に含むドングリや草や草の根を食べることで10月から3月にかけての半年間で体重を90キロも増やすんだって、スゴイ。

こうやって育まれたイベリコ豚には他の豚にない様々な成分を含むようになる。
オレイン酸はもとより、ビタミンB群、ビタミンE、抗酸化物質が豊富。
イベリコ豚にはLDLーコレステロール(悪玉)や中性脂肪を減少させ、HDLーコレステロール(善玉)を増やす作用があり、血栓や動脈硬化を防ぐ効果があると発表されているそう。


説明が長くなりました。
調べれば調べるほど、奥が深いんだもの、特にイベリコ豚は・・・。
豚のグレードなどについては、また次の機会に。


で、知人に「食べてみる?」といわれ、その場でカットしてもらった。
「じゃあ、脚の内側と外側を分けてカットするね」。
生ハムホルダーにガッチリ固定された巨大な生ハムを刃の細くて長い包丁でスライスし、そのまま手渡す。


赤黒い筋感を感じる内側は、まさにエレガントなビーフジャーキーのよう。
美味しい。コレが豚?という感じ。
脂部の白が美しい外側は、しなやかな肉部とうまく絡み合い、とろける、とろける。
塩味もバランスがよい。
美味しゅうございます。

「ウチの生ハムが一番美味しいと思う」と言う彼女。
思わず頷いてしまう。

「ハモンイベリコ」は熟練された職人で無ければ管理が出来ない、というけれど、加えてとてつもない工程を経た作品がこの手のひらに載ってるって実感した。

あまり得意じゃないシェリーも、このハモンイベリコとならグイグイ行けるかも?


最新の画像もっと見る