上高地ビジターセンターだより

上高地ビジターセンターから季節・自然の情報をお届けします

気の早いナナカマド

2006-07-30 12:00:01 | 植物(上高地ニュース)
夏はこれからなのに、既に見事に紅葉しているナナカマドをみつけました。なかなか梅雨が明けずしびれを切らして顔を赤くしているのか、それとも恥ずかしがりやさんなのか・・・などと詩人きどりで眺めたりして。しかし本当のところは、虫や強風などによって木が傷つけられたことにより、葉が老化するために起こる現象です。今は人目を引いている彼らも、もう少しすれば他の葉より一足先に散ってゆかなければならない、ちょっぴり寂しい運命なのです。

名前はコケでも

2006-07-30 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
モウセンゴケ。実はコケではないんです。食虫植物。この字の通り、虫を食べます!?食虫植物が生育している場所は、痩せている土地や酸性が強い(植物は酸性土壌が苦手なものが多い)湿地帯のような所です。こんな植物が育たない過酷な環境で生き延びようと必死に進化をとげ、その結果、虫を食べて栄養を補給する能力を身につけたのです。モウセンゴケは葉に長い腺毛が生え、その先から粘液を出して昆虫を捕らえ、消化酵素を分泌し、自力で昆虫を消化吸収します。

お化粧しています!

2006-07-23 12:00:03 | 植物(上高地ニュース)
梓川のほとりに生育するケショウヤナギの若木をよく見ると、細い幹や枝が白っぽくなっていることが分かります。こすると落ちてしまうこの物質によって、「白くお化粧をしたよう」に見えることから、ケショウヤナギの名前が付いたそうです。国内では、北海道の一部と、上高地周辺の梓川流域にだけ見られるヤナギで、上高地を代表する樹木でもあるケショウヤナギに会いにきてください!

蝶たちも超大喜び

2006-07-23 12:00:02 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)
長い雨がようやくやみ、久しぶりに気持ちの良い青空が広がった日、明神橋の周りでは数え切れないほどのコムラサキがうれしそうに舞っていました。ふと足元を見ると、何頭もの蝶たちが身を寄せ合って必死に吸水しています。まぶしいほど鮮やかな紫の光を放つコムラサキに混ざり、ヤマキマダラヒカゲやセセリチョウの姿があります。身の危険を感じるほどの大雨の中で、彼女たちも私達と同様にずっとこの日を待ちわびていたのでしょう。

エサに夢中!?

2006-07-23 12:00:01 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)
大正池に向かうコースを歩いていると、とても小さい生き物がチョロチョロ動いていました。なにかと思って近づいて見るとネズミでした!!このネズミはヒメネズミといい、日本の山林に生息する代表的なネズミです。主に種子や昆虫を食べて生活しています。この時も地面に顔を付けて、食べ物を探しているようでした。食べては歩き、また探すを繰り返し、人がいることは全く気にしていないようでした。とてもかわいくてついつい何枚も写真を撮ってしまいました。

大雨がもたらしたもの

2006-07-23 12:00:00 | 自然・景観・気象(上高地ニュース)
写真は7月19日にバスターミナル付近の遊歩道上から撮影したものです。青空の下、穂高の峰々がそびえ立つ景色とはほど遠い、厚い雨雲が不気味に広がった光景です。504㎜という総雨量は、梓川の水位を上げ、いたるところに傷跡を残しました。国道・県道・遊歩道と通行止めの嵐。一時はどうなることかと思いましたが、今現在多くの人為や自然の排水力のおかげでだいぶ通行しやすくなっています。遊歩道を散策すれば、まだ水の力を実感できる箇所が多々あります。ともすれば自然は驚異の対象にもなる、物言わぬ彼らからのメッセージのようでなりません。

流行ってます

2006-07-16 12:00:03 | 自然・景観・気象(上高地ニュース)
おや?倒木の上に小さなお地蔵様が・・・と思ったら、小石で積まれたケルンでした。もともとは登山者によって山頂や登山道沿いに作られるものですが、最近はこのように上高地の遊歩道沿いでも見られるようになりました。散策中の人々が少しずつ積んでゆくので、毎日形が違ってくるのです。絶妙なバランスで積まれたオブジェ。足を止めてちょっと眺めてゆきませんか?

衣替えしています!

2006-07-16 12:00:02 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)
水辺の人気者のマガモとオシドリの雄たちが衣替えをしています。春まで着飾っていた繁殖羽と呼ばれる美しい羽毛が抜けて、雌の地味な羽毛によく似た非繁殖羽に変わってきたのです。図鑑などで美しい色彩と紹介される雄の姿はもうありません。夏の上高地を訪れた方から、「カモの雄はいないの?」とよく質問されるのもこの為で、「雌と思っていたものが実は雄だった!」なんてこともよくあります。10月頃から、また美しい羽に生え替わってゆきます。

ニョロニョロニョロ・・・

2006-07-16 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
この黒いニョロニョロ何だと思います?答えは、ヤチトリカブトの雄しべ。「トリカブト」という名は誰しも聞き覚えがあるはず。有毒植物・過去の物騒な事件…、一般的にあまり良いイメージはないけれど、花の作りは結構面白いんです。夏の頃につける紫色の花は、実は5枚のガク片が集まったもの。本当の花びらはというと、中を覗くと分かります。先端が紫色に染まった三角形の裂片2枚がそれで、この奥で蜜を分泌します。雅な紫と甘い匂いに誘われたハナバチは、花の奥に入り込む際にこのニョロニョロがお腹に触れて、花粉の授受が成立しているのです。

釣舟

2006-07-15 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
最初に見たときは、花だけ浮いているのかと思い驚きました。この花は、黄色の花を付けているので「キツリフネ」といいます。漢字の通り、花の形とつき方が帆掛け舟を吊り下げたように見えることに由来していると言われています。山地の渓流沿いや湿った林内に生育する植物です。上高地の散策路を歩いていると道沿いに見ることが出来ます。ちょうど今時期、初夏~初秋にかけて咲く花です。