上高地ビジターセンターだより

上高地ビジターセンターから季節・自然の情報をお届けします

オオイチモンジ 観察日記!

2014-07-14 15:34:13 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)
先日、見守り続けてきた 〝オオイチモンジ〟が、めでたく羽化しました!!

7月中旬から下旬にかけて、オオイチモンジは羽化し、梓川沿いをダイナミックに飛翔する大型のタテハチョウ科の蝶です。
コヒオドシ、クモマツマキチョウなどと並ぶ、上高地を代表する「高山蝶」の一種です。

偶然に見つけた幼虫に、〝イチ太郎〟と名付けて見守ってきましたが、羽化してみるとメスだったのです。
名を改め、〝イチ子〟の観察日記をご覧ください。




台風8号が、長野県から遠ざかった7月11日、いよいよ羽化の始まりです!



晴天に恵まれた羽化の翌日、3時間ほど翅を乾かし、大空へと飛び立ちました!





ビジターセンターでは、上高地で見られるチョウ 約60種類を1枚のシートに印刷した、「上高地の蝶」を販売しています。
A4(両面印刷):200円

眺めているだけでも綺麗ですが、シートを片手に野外で蝶々ウォッチングを楽しんでみてはいかがですか。

9月19日、白樺峠にタカの渡りを見に行ってきました!

2013-09-20 14:59:32 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

皆さんは猛禽類の「タカ」が群れて渡るのをご存じですか?

「タカ」というと孤高なイメージがありますが、秋の渡りの時期は数多くのタカが群れて飛ぶ時期なのです。

幸運にも、上高地からそれほど遠くない白樺峠(松本市奈川)は、シーズン中に1万羽を超えるタカが渡ることで知られる日本有数のタカの渡りの名所。17日から晴天続きで19日も予報は晴れ、タカ見日和ということで白樺峠に行ってきました。

白樺峠は標高約1,600m。上高地の南15kmほど、乗鞍岳の東側に位置し、乗鞍上高地スーパー林道(乗鞍高原━奈川)の中間あたりです。峠の見晴の良い場所に作られた、通称「たか見の広場」から梓川渓谷の先に松本平が見渡せます。そのルートを多くのタカが峠の方へと向かって飛んできます。白樺峠での「タカ見」の特徴は何と言っても、タカを同じ目線で見られ、見下ろすこともあります。広場上空の至近距離を通過してゆくタカも多く、近年バードウォッチャーに人気のタカの渡りスポットです。

今の時期はサシバとハチクマというタカの渡りが最盛期です。10月に入るとノスリとツミが多くなり、11月上旬頃まで、渡りは続きます。

さて、今回の様子を写真でご紹介します!

 

「たか見の広場」からの眺望。正面が松本平。昼頃で100名ほどの人が集結。すべての人がタカを待ち望み、同じ想いで集まっています!

「サシバ」 カラスくらいの大きさで、白樺峠を通過するタカの7割近くはこのタカ。

「サシバ」 

「ハチクマ」 蜂が主食のため、〝ハチを食べるクマタカに似たタカ〟 トビくらいの大きさ。

「ハリオアマツバメ」 高速で飛行します。白樺峠ではタカ以外の鳥もよく飛んでいます。

「鷹柱」 上昇気流にのって、複数のサシバが旋回を繰り返し、高く高く舞い上がります。今日は10~15羽の鷹柱が何度も見られました(感動!)

「サシバ」 上昇気流にのって舞い上がると、時々羽ばたく程度でスーイと一気に谷を通過してゆきます(超節約飛行術!)

 

タカの渡りは一見の価値あり、というか、人生観さえもかえてしまうほどの魅力に満ちています。

「タカの渡り、いつ見る?」 

  「今でしょ!」 

 

 

 


ヒメネズミの子供たち

2013-08-10 12:06:46 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

昨日のことですが。

通用口にヒメネズミの子供たちがウロウロしていました。

親離れしたばかりの兄弟4匹、それぞれ外の様子を探っています。

「ヒト」を見たことはないのでしょうねぇ。

だから近づいてもなんの反応も無し。むしろヒトの足に寄ってきます。

で、写真撮りまくりです。

さすが、木登りが得意な種と言われるだけあって、

とにかく石の壁やらシャッターの隙間やらを登りたがります。

なにもそこを登らなくても・・・

そしてポトリと落下。

・・・の繰り返し。

そのうち疲れたとみえて、コクリコクリと居眠り。

上高地にはのん気な生き物が多いのですが、

この子たちも相当なのん気ものです。

これでは簡単にカラスや蛇に狙われてしまいますよね。

 

この子たち、この後どうなったかといいますと、

てんでんばらばらに草むらへと消えてゆきました。

 

 


森の宝石

2013-07-20 00:53:38 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

上高地の夏!チョウたちの夏!!

夏の花が続々と開花し、花に集まる蝶たちも増えてきました。

今日は美しい翅をもつ、エゾミドリシジミと思われるゼフィルスに出会いました。

ゼフィルス=「西風の精」というラテン語から名付けられたミドリシジミ族の蝶たちへの愛称です。

雄の翅は、エメラルドグリーンに輝き、朝日や夕日を浴びて輝く姿は、まさに「森の宝石」です。

 


迷いウミネコ、登場!

2013-07-14 15:31:26 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

昨日、海の日を含む三連休の初日。

「大正池にウミネコ、飛来!」の一報を受けて、向かった大正池に浮かんでいたのは、まぎれもなく「ウミネコ」でした。

ちょうど、太平洋上を西に進んだ台風7号の影響で内陸まで流されて、上高地まで迷い込んで来てしまったのでしょう。

明日、15日は〝海の日〟。海つながりのサプライズ・ゲストの登場でした。

まるで、漁港の波間を漂うウミネコですが、大正池を泳いでいたウミネコです!

オシドリと何気なくツーショット! 違和感たっぷりです‥‥  ウミネコよ、無事に海にお戻り!!


マルハナバチに夢中。

2013-06-12 09:32:42 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

ビジターセンター前の小梨にマルハナバチが来ていました。

ホームページのニュースにも載せたのですが、画像が小さかったのでこちらでもマルハナバチをアピールします!

北方で進化したといわれる彼らは全身毛むくじゃら。暖かそうですね~。羽の付け根辺りの毛は特にフサフサしていて貸してください!と言いたくなります。

花の蜜と花粉を主な食糧にしていて、集めた蜜と花粉を足の部分に上手に集めて花粉団子を作り、巣に持ち帰ります。

画像の黒丸で囲ってある部分が花粉団子です。蜜だから、やっぱり甘くておいしいのでしょうか・・・↓

今年は小梨の花付きが良かったので、マルハナバチも沢山の花を前にあっちへこっちへ忙しそうに飛び回っていました。体も花粉だらけ。彼らの受粉活動のおかげで秋には沢山の小梨の実がなるかもしれません。お猿さんや鳥たちは大喜びですね。

因みに上高地では6種のマルハナバチが確認されていますが、マルハナビギナーの私には、まだ何マルハナバチなのか特定できず・・・。図鑑を買ってしまう日も近そうです。

小梨の花の方はさっさと散ってしまったのですが、木によってはまだ見られるものも少々ありますよ。


マイペースな鳥たち

2013-05-01 13:54:21 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

大正池まで散策していると、アオジに出会いました。

人が近くにいようとお構いなしに遊歩道上の枝でさえずるアオジ。

人が近くにいようとお構いなしにゴハンをついばむアオジ。

そのマイペースっぷりにはいつも癒されています。

続いてカラの群れに遭遇。

コガラとヒガラがお食事中。

と思ったら、一緒にあさっての方を見ている・・・。

いつも勝手に癒されてます。ありがとう。

※大正池~河童橋の遊歩道は田代湿原の前後に雪の上を歩く箇所がございます。滑りやすいので散策の際はお気を付け下さい。


せっせと巣作り

2013-04-29 12:47:19 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

今日の気温を測ろうとビジター裏の百葉箱へ行くと、なにやら2羽のキセキレイがうろうろしていました。

 

おっ、と思い観察しているとビジターセンターの裏にある小さな小屋の軒下を出たり入ったりしています。

去年は同じくビジター裏の軒下に巣を作っていたキセキレイがいましたが、建物の2階の高~~い所だったのであまり観察できず。

今年は低い場所だから観察できるかも!とキセキレイがお留守の間に近づいてみました。

これから巣になっていきそうな気配が。

巣作りに励むキセキレイ。

こんな場所でカラスやヘビに襲われたりしないのだろうか・・・

インターネットで調べてみると軒先に立てかけていた竹ぼうきの中(!)だとか、玄関先のプランターの中だとかに巣を作った例もありました。

彼らにとっては人間の近くで子育てした方が外敵に狙われにくいという狙いもあるようです。

無事にヒナが育つまで、こっそり見守る楽しみができました。

 


大正池と野鳥

2013-04-24 15:31:41 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

大正池から望む穂高連峰(4月22日)

 

上高地では、約140種類の野鳥が観察されています。

大正池は、独特の風景を創り上げたビューポイントとして人気がありますが、見られる野鳥の数もすごいんです。まだ夏鳥の勢ぞろいではありませんが、少しずつ上高地に野鳥たちが戻り子育てに忙しくなります。

4月22日に一時間ほど、大正池周辺で野鳥を観察してみました。

見られた鳥は↓

オシドリ・マガモ・コガモ・キンクロハジロ(カモ科)、キジバト(ハト科)、アオサギ(サギ科)、オオバン(クイナ科)、アマツバメ(アマツバメ科)、イカルチドリ(チドリ科)、クマタカ(タカ科)、モズ(モズ科)、ホシガラス・ハシブトガラス(カラス科)、キクイタダキ(キクイタダキ科)、コガラ・ヒガラ・シジュウカラ(シジュウカラ科) 、イワツバメ(ツバメ科)、エナガ(エナガ科)、メジロ(メジロ科)、ゴジュウカラ(ゴジュウカラ科)、キバシリ(キバシリ科)、ミソサザイ(ミソサザイ科)、カワガラス(カワガラス科)、ルリビタキ(ヒタキ科)、キセキレイ・セグロセキレイ(セキレイ科)、ホオジロ・アオジ(ホオジロ科)    29種類

コガモ(♂8羽、♀5羽)は冬の間、上高地で越冬していた冬鳥です。これから北方の繁殖地を目指して渡ってゆきます。(2004年には上高地でコガモの繁殖が観察されたこともあります。繁殖地と似た気候の上高地に留まって、子育てをするかもしれません‥‥というか、子育てしてください!)。キンクロハジロ(♂1羽)とオオバン(1羽)は、渡りの途中に立ち寄った通過鳥です。平地ではごく普通の鳥として扱われますが、上高地では「珍鳥」と言ってもよいくらい滅多に見られません。体を休めたのち、旅立つでしょう。そして、今日一番の出会いはクマタカ(1羽)です!!!!!大正池のほとりで空を見上げていると、大きなクマタカが悠悠と通過してゆきました。圧倒的な存在感に、開いた口がふさがりません。絶滅危惧種に指定されていて、個体数が極めて少ない大型鳥類ですが、上高地と周辺を取り囲む北アルプス一帯は、彼らを育むことができるほど、豊かな森があることの証なのだと、改めて感じました。

夏鳥の勢ぞろいする、5月下旬から6月にかけてのバードウォッチング最盛期には、一日で40種類以上の野鳥と出会える上高地。これからの野鳥との出会いが待ち遠しいですね!!

小さな小さなキクイタダキ(キクイタダキ科) 日本で最も小さな鳥!

 

コガモ(カモ科) 黄色いお尻が特徴の♂

 

キンクロハジロ(カモ科)♂ この画像は望遠鏡にデジカメを近付けて撮影したものです。鳥との距離は40mくらいあり、こんな方法でも記録として残せます

 

池畔には成虫越冬した蝶、コヒオドシ(タテハチョウ科)も見られました

 

 

 

 

 


生態系の頂点!、現る!!

2012-09-25 19:14:00 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)
9月24日、霞沢岳を眺めていると、大型猛禽類のクマタカとイヌワシが現れました!
1日で2種類を見るのは初めてです。
霞沢岳の斜面を飛ぶクマタカ!クマタカの前方を飛ぶのはおそらくカケス。クマタカの出現に必死で逃げているみたいです。でもクマタカは襲う素振りなし。クマタカは、短めで幅の広い翼が特徴です。


クマタカの出現から約4時間後、同じ辺りを飛ぶイヌワシの成鳥。しばらくして上高地の谷を通過し、飛騨方面へと消えてゆきました。