上高地ビジターセンターだより

上高地ビジターセンターから季節・自然の情報をお届けします

せっせと巣作り

2013-04-29 12:47:19 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

今日の気温を測ろうとビジター裏の百葉箱へ行くと、なにやら2羽のキセキレイがうろうろしていました。

 

おっ、と思い観察しているとビジターセンターの裏にある小さな小屋の軒下を出たり入ったりしています。

去年は同じくビジター裏の軒下に巣を作っていたキセキレイがいましたが、建物の2階の高~~い所だったのであまり観察できず。

今年は低い場所だから観察できるかも!とキセキレイがお留守の間に近づいてみました。

これから巣になっていきそうな気配が。

巣作りに励むキセキレイ。

こんな場所でカラスやヘビに襲われたりしないのだろうか・・・

インターネットで調べてみると軒先に立てかけていた竹ぼうきの中(!)だとか、玄関先のプランターの中だとかに巣を作った例もありました。

彼らにとっては人間の近くで子育てした方が外敵に狙われにくいという狙いもあるようです。

無事にヒナが育つまで、こっそり見守る楽しみができました。

 


環境省アクティブ・レンジャー国立公園写真展2013開催中(インフォメーションセンターにて)

2013-04-28 17:55:46 | イベント(上高地ニュース)

いつも何かとお世話になっているアクティブレンジャー(AR)さんたちの、とっておきの写真を、インフォメーションセンター2階でただ今公開中です。

アクティブレンジャーさんとは、自然保護官(レンジャー)の補佐役として、国立公園に配属されている環境省職員です。

日頃から上高地のために奔走してくださっている、頼もしい存在なのです。

そして、フィールドで出会った自然の様々な表情や活動の様子を、毎年こうして披露してくれるのです。

配置を考えながら展示作業中のAR松尾さん。

すてきな青空の写真や、山の風景もありますね。

きれいに並べられました。

開催期間は4月28日から5月26日まで。(8:00~16:00)

入場無料です。

みなさま是非ご覧ください。

 

 

 


吹雪の開山祭

2013-04-27 13:55:22 | イベント(上高地ニュース)

今日は上高地開山祭、ゴールデンウィーク初日でもあり、いよいよ観光シーズンの始まり!

なのですが・・・上高地はこんな天気です。

松本はいい天気だそうですが上高地からはとても信じられません!

この時期まだまだ雪が降ることはあれどここまで積もることは本当に珍しいです。

例年多少の雪でも河童橋のたもとで行われていた開山祭ですが、吹雪のような悪天候で急きょバスターミナルの軒下に開催場所が変更。

開山祭開始以来初めての出来事では???

ときおり強い風が吹き付け、屋根の雪が舞い上がるとお客さんから歓声(?)が上がります。

そんな中今年の上高地のシーズンが平穏に過ぎるよう、粛々と神事が執り行われました。

この悪天候なだけに切実なお祈りです・・・。

地元稲核の方々による獅子舞の奉納が終わり、なんとか無事に開山祭を終えることが出来ました。

さむいさむいと帰る途中、清水川でルリビタキを発見。

・・・寒そうです。

予報では明日は晴れ、眩しい穂高が待ち遠しいです。

今シーズンも無事に過ごせますように。


大正池と野鳥

2013-04-24 15:31:41 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)

大正池から望む穂高連峰(4月22日)

 

上高地では、約140種類の野鳥が観察されています。

大正池は、独特の風景を創り上げたビューポイントとして人気がありますが、見られる野鳥の数もすごいんです。まだ夏鳥の勢ぞろいではありませんが、少しずつ上高地に野鳥たちが戻り子育てに忙しくなります。

4月22日に一時間ほど、大正池周辺で野鳥を観察してみました。

見られた鳥は↓

オシドリ・マガモ・コガモ・キンクロハジロ(カモ科)、キジバト(ハト科)、アオサギ(サギ科)、オオバン(クイナ科)、アマツバメ(アマツバメ科)、イカルチドリ(チドリ科)、クマタカ(タカ科)、モズ(モズ科)、ホシガラス・ハシブトガラス(カラス科)、キクイタダキ(キクイタダキ科)、コガラ・ヒガラ・シジュウカラ(シジュウカラ科) 、イワツバメ(ツバメ科)、エナガ(エナガ科)、メジロ(メジロ科)、ゴジュウカラ(ゴジュウカラ科)、キバシリ(キバシリ科)、ミソサザイ(ミソサザイ科)、カワガラス(カワガラス科)、ルリビタキ(ヒタキ科)、キセキレイ・セグロセキレイ(セキレイ科)、ホオジロ・アオジ(ホオジロ科)    29種類

コガモ(♂8羽、♀5羽)は冬の間、上高地で越冬していた冬鳥です。これから北方の繁殖地を目指して渡ってゆきます。(2004年には上高地でコガモの繁殖が観察されたこともあります。繁殖地と似た気候の上高地に留まって、子育てをするかもしれません‥‥というか、子育てしてください!)。キンクロハジロ(♂1羽)とオオバン(1羽)は、渡りの途中に立ち寄った通過鳥です。平地ではごく普通の鳥として扱われますが、上高地では「珍鳥」と言ってもよいくらい滅多に見られません。体を休めたのち、旅立つでしょう。そして、今日一番の出会いはクマタカ(1羽)です!!!!!大正池のほとりで空を見上げていると、大きなクマタカが悠悠と通過してゆきました。圧倒的な存在感に、開いた口がふさがりません。絶滅危惧種に指定されていて、個体数が極めて少ない大型鳥類ですが、上高地と周辺を取り囲む北アルプス一帯は、彼らを育むことができるほど、豊かな森があることの証なのだと、改めて感じました。

夏鳥の勢ぞろいする、5月下旬から6月にかけてのバードウォッチング最盛期には、一日で40種類以上の野鳥と出会える上高地。これからの野鳥との出会いが待ち遠しいですね!!

小さな小さなキクイタダキ(キクイタダキ科) 日本で最も小さな鳥!

 

コガモ(カモ科) 黄色いお尻が特徴の♂

 

キンクロハジロ(カモ科)♂ この画像は望遠鏡にデジカメを近付けて撮影したものです。鳥との距離は40mくらいあり、こんな方法でも記録として残せます

 

池畔には成虫越冬した蝶、コヒオドシ(タテハチョウ科)も見られました

 

 

 

 

 


ビジターセンター始動です!

2013-04-20 14:37:26 | お知らせ(上高地ニュース)

19日に上高地線が開通し、いよいよ今シーズンが始まりました。
今年の上高地は例年より雪は少ないようですが、遊歩道は明神、大正池ともに樹林帯を中心に雪に覆われている所が多いです。
下の写真は岳沢湿原の木道です。雪が固くなり滑りやすい場所もあるので十分注意しながら歩いて下さい。



さて、本日自然情報収集に出かけてきました。新緑もまだまだ先のこの時期、気になってしまうのはやはり野鳥。
よく見かけるのはカラの仲間たち。
ネクタイ模様と背中の緑が素敵なシジュウカラ。↓


カラにまじって見かけるコゲラ。↓
2羽一緒に行動していたので夫婦でしょうか?


この時期よく見かけるルリビタキ!だいたい2、3羽一緒に見かけます。


今年初アオジ。相変わらず目先が黒くてかわいいですね。


こちらはカヤクグリ。鳥にとっても詳しい大先輩によるとこの時期見かけるのは珍しいとのこと。
冬は関東などの低山で過ごし、夏は高山にやってきます。上高地では11月頃見かけることが多いです。



最後は本日の穂高岳。上高地も雪がちらつき寒い1日でした。


それでは、本年も上高地ビジターセンターとこのブログをどうぞよろしくお願いします!