今日の上高地は、朝から雪が降ったり止んだりの寒い一日でした。そんな中、上高地のシーズンの終わりを告げる行事、閉山祭が行われました。冷たい風が吹く中、多くの人が上高地を訪れてくれました。最後には振る舞い酒も配られ、冷えた体が少し温まったような気がします。
紅葉の終わった森でリスに出会いました。相変わらずの俊敏さのために、ゆっくりと観察させてはくれませんでしたが、嬉しい出会いでした。体色が赤みのある夏毛から、灰色の冬毛に変わってきているようです。サルたちもふかふかの冬毛に変わっていますし、最近目撃されたオコジョも、尾っぽの先端以外が真っ白な冬毛に変わっていたそうです。やがて本格的な冬が来る前に、動物たちは冬支度をきちんと進めています。
シーズン最後の日曜日は吹雪に見舞われました。3000m級の山々のふところに位置する上高地は、とかくお天気の予測がつきにくいところです。松本では晴れているのに山では雪になっているということが度々あります。夏の間は天気予報のお姉さんに頼っていても、この時期になると天気図の気圧配置をよみ取ってある程度自分で降雪の判断をしなければなりません。ともあれ、この雪があがれば穂高は白銀に包まれているはず。山を下ってゆく私達を、きっと最高の表情で見送ってくれることでしょう。
秋が深まってゆきます。上高地のシンボル、ケショウヤナギは毎年あまり紅葉することはありません。そして、他の木々が落葉するのを見届けるようにして、最後に葉を落とします。河原に根付いているケショウヤナギの幼木たちは、最近、枝先を赤く染め始めました。この風景は、春の芽吹きを連想させます。
晩秋を迎えた上高地には、多くの渡り鳥(冬鳥)たちが訪れています。10月中旬頃から訪れているアトリやマヒワたちは、シラカバやケヤマハンノキなどの種子を食べています。最近現れ始めたニューフェイスのミヤマホオジロは地面に落ちた種子を食べ、ベニマシコは野草にとまって種子をついばんでいます。(画像は、ミヤマホオジロの雄です。学名の‘Emberiza elegans’にふさわしいエレガントで優美な姿です。)