上高地ビジターセンターだより

上高地ビジターセンターから季節・自然の情報をお届けします

冬に備えて…

2006-09-12 12:00:00 | 動物・野鳥・昆虫(上高地ニュース)
上高地に一年中いるコガラは、いつ見ても活発に動き回り、見ていて楽しい野鳥です。大きな木の上で餌を探すことが多いのですが、地面の草むらにも入って餌を採ります。今日はタデ科のミゾソバの実を採っていました。しかし、すぐ食べずにケヤマハンノキなどの樹皮にしがみついて、木の幹に生えるコケの間に詰め込んで隠しています。そうです、餌の乏しい冬の非常食として、今のうちに蓄えているのです。厳しい上高地で越冬する鳥ならではの知恵ですね。

ハナイカリ

2006-09-11 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
遊歩道沿いではアザミやサラシナショウマが、人の背丈ほどに伸び、いかにも華やかに秋の到来を告げています。しかし注意深く見ていると、上高地で最後に開花する花々は、意外にも春の花のように、ひっそりとひかえめに咲くものなのだと気付きます。この花もそのひとつ。名前の由来は一目瞭然。四つの角がピンと尖った愛嬌のあるイカリ型。透き通るような黄緑色が美しい、リンドウの仲間です。

天高く猿肥ゆる秋

2006-09-11 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
この先一週間、お天気があまり良くないですね。秋の澄み切った青空はなかなか顔を出してくれないけど、生き物たちは目に見えぬ早さで、しかし確実に成長を続けています。赤く色付きつつあるコナシの実。この木はリンゴの仲間で、小さく茶色に窪んだ部分は雌しべのなごりです。この実が真っ赤に色付く頃、それを待ちわびた猿たちが、こぞってこの実を口にします。終わりなき食事に全てなくなってしまうのではないかと思うほどです。環境が厳しくなる冬に備えて、今のうちに食べられるだけ食べておこうとお腹の中にため込んでいるのでしょうか。

ラッパタケ

2006-09-10 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
中心が凹み、深く柄の根元まで通じていき、ラッパの様な形をしたキノコ。ラッパタケ科ウスタケといいます。ちょうど今の時期、夏から秋にかけてモミ・ツガ・トウヒ林(亜高山帯針葉樹林)に出てくるキノコです。このキノコは毒キノコです。煮こぼせば食べられるらしいのですが、過食すると中毒するので要注意!!

深山苦瓜

2006-09-04 12:00:00 | 植物(上高地ニュース)
ミヤマニガウリといいます。漢字の通り、深山に生えるツル性の植物。遊歩道を歩いていると至る所に見ることができます。ハート形で特徴的なかわいい葉を付けています。葉は大きくて分かりやすいのですが、花が小さくて見逃して歩いている人も多いはず。5㎜程の小さい白い花を付けています。そして今、その下に緑色のこれもまた1㎝程の小さな実を付けているのを見ることができます。散策しながら是非探して見て下さい。