上高地を歩いていると、とても目に付く白い花があります。まるでアジサイのような花!!しかし、この木はアジサイではありません。スイカズラ科のオオカメノキ(ムシカリ)という木です。回りの大きな花は「がく」と呼ばれる部分で真ん中の小さい花が本当の花になります。回りの大きな花は装飾花と言って虫を呼び寄せるための飾りなんです。植物をよく観察してみるそれぞれ色んな工夫をしています。
昨日から降っていた雨。そして雪解け水。梓川が暴れ川に!!川を見ているとたくさんの木が流れていました。結構大きめの木も流れてきていてびっくりです。河童橋より上流の方ではケショウヤナギが根こそぎ流されていました。明神方面に歩いて行ってみたのですが、沢からもたくさんの水が流れていて道は川の中を歩いているみたい。。。。 梅雨の時期には梓川はどうなるのでしょうか。
新緑というにはまだ少し早い上高地ですが、足元にはもう春がやってきています。ビジターセンターの入口付近に、こんなお花が一輪、道ゆく人々を見上げていました。キジムシロ。「キジが座るむしろ」という意味で名付けられたそうです。鮮やかな黄色いお花を見つけてあげてください。
厳しい環境の真冬に、命を落としてしまう動物もいます。このカモシカも息絶えてしまい、他の動物に食べられた後で、一部の骨と毛が残っているだけでした。カモシカの毛も生き物に活用されます。巣作りの真っ最中のヒガラが、巣材にしようと口いっぱいに毛を取っては、何往復もしていました。一週間ほどで、たくさんあったカモシカの毛はほとんどが、ヒガラのベッドに利用されました。
晴天に恵まれた大型連休のひとコマ。行く手を阻む残雪もなんのその。頼もしい登山者たちが涸沢や槍沢へと向かいます。分岐点となる横尾の山荘付近はまだ人の背ほどの雪が。重いザックとスキーをかついで上がった皆さん、きっと思う存分春山を楽しめたことでしょう。
今日から午前中の大正池までのガイドが始まりました!!しかし大正池まで向かう遊歩道はまだ半分以上、雪の上を歩く状態。。。すれ違うのも大変。スニーカーなどで来ているお客さんは雪の上で滑っている人がたくさんいました。大正池まではいつもより少し時間がかかります。ゴールデンウィークということもありたくさんの人が訪れていました。
オオジシギという渡り鳥が上高地を訪れています。早春のこの頃だけ姿を見るので、上高地で繁殖はしていないようです。体の特徴といえば、長いくちばしに全身枯葉模様の地味な色彩です。この色彩が春の水辺では迷彩効果があって、じっとしていると見付けることが困難で、いつも飛び去ってから「いたの?」と、後ろ姿を見送るのです。今日は偶然にも飛び去る前に見付けることが出来ました。私に気付いたオオジシギは身を伏せて、「見付かりませんように!」と、置物のように動きませんでした。
暖かい春の陽気が続いています。ビジターセンターの周りでは蝶々の姿をちらほらと見かけるようになりました。テラスの石段にとまって気持ちよさそうに日向ぼっこをするコヒオドシは、居眠りでもしているのか、近付いても逃げることなく美しい羽を広げていました。