その後に続く【初段】の概念を先に説明する。
初段の必要条件と見なしているのは,以下の三つ。
1. 大人の筋肉の訓練に耐える身体を有している。
2. 重音のスケールを練習する基礎がある。
3. スピッカートができる。
1級は,大まかに言って初段の手前の段階である。ポジションの制約はなくなる。3オクターブの音階と分散和音が弾ける状態。
筆者が考えた他の条件は以下の通り。
・元弓が使える。(弓の重さで弾くことができる。)
・付点が弾ける
代表的なレパートリーは,
・モーツァルト:協奏曲第4番 ニ長調
・モーツァルト:協奏曲第5番 イ長調
・ヴィオッティ:協奏曲第22番 イ短調
・ハイドン:協奏曲 ハ長調
・ベリオ:協奏曲第9番 イ短調
・カバレフスキー:協奏曲 ハ長調
・チャイコフスキー:瞑想曲
・ヴィエニアフスキー:レジャンドLEGENDE(伝説曲)
Jリストには、なぜかバッハの無伴奏曲が載っていない。これら6曲をどこに位置づけるか、かなり迷ったが、以下の曲のみ、ここで取り上げることにした。
・バッハ:無伴奏パルティータ第3番
・バッハ:無伴奏パルティータ第2番(シャコンヌを除く)
また,Sリストでは,このレヴェルに属するものとしてモーツァルトのソナタやバッハの(チェンバロとの)ソナタが挙がっていた。大人が楽しむ分には大いに結構ではないかと思う。
一方,子供が学習用に弾くことをどう考えるか,これは難しい問題である。これも別に考えたい。