井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

一人13役のマルチミュージシャン

2020-06-26 23:50:51 | 音楽
昔から敬愛するチェロの先輩がいて、東京を離れた今でも10年に一回くらい仕事を頼むことがある。

何せユニークな方で、シャンソンの伴奏をする時はチェロとヴァイオリンを持ちかえで弾く、という芸当をやっているらしい。

この度、私が多重録音をした報告をしたついでに「先輩もやってみませんか」と水を向けたら「自分のは価値がないから」とご謙遜。

「自分の元弟子達が配信やっているから、そちらを応援してください」とのこと。
早速見たら、ぶっ飛んだ・・・



西方正輝氏はチェリストである。東京芸術大学の大学院までチェロ専攻で修了したれっきとしたチェリスト。

彼のもう少し若い頃の動画もアップされていて、ハイドンの協奏曲を、かなりアグレッシブだけど正攻法で弾いている姿が確認できる。

しかし、このトランペットは何だ!余技にしては上手すぎる。実際トランペッターとしても活躍しているし、毎日トランペットの練習も欠かさないそうだ。

専門以外にピアノが上手い人は時々いる。それでも大したものなのだが、弦楽器奏者で金管楽器の名手という存在は、音楽史上いたのだろうか。(金克木なんて余計な心配か…)

私も仕事柄、ヴァイオリン以外の楽器を練習してみたりしたのだが、チェロは1週間しか続かなかった。
ホルンにおいては1日で音をあげた。

要はそこまで好きではないということだ。

逆に西方氏は、トランペットも好きなのに違いない。

高嶋ちさ子や葉加瀬太郎のバックもやっているから、見たことがある人は多いのかもしれない。
しかし、こんな多才な人材だとわかっている人はどれだけいるのだろうか。

その昔、澤先生が「今はチェロの学生が凄いんだ」と盛んにおっしゃっていた。それがちっともピンとこなかったけど、そうか彼が凄かった訳ね、と今頃納得した次第である。

見習って、ではチェロの練習でも、と思うが、今は遠隔教育対応で、残念ながらその時間はない。

とりあえずやれることをやっておかねば……。

滋養豊富、風味絶佳 その2

2020-06-19 18:56:14 | グルメ
「滋養」という言葉に滅法弱いことを再発見した。
同じく「絶佳」も惹かれる。

この、滋養豊富、風味絶佳が売り出されて百数十年、ついに姉妹品を限定発売。
「滋養」に惹かれて買ってしまった。



もう1つ、本家のキャラメルと抱き合せ、一緒に買うと割引キャンペーンをやっていて、こちらも買ってしまった。



「魅惑の甘さ」とはよくぞ言った❗️

いやはや、本当にとろける甘さ。



果糖ブドウ糖液糖という、一番安物の甘味料が入っている。

栄養成分表示が曲者だ。こちらには砂糖と書かないのだ。【炭水化物】なのである。
砂糖が25.5グラム。

3グラムのスティックシュガーを8本入れた勘定になる。スプーン一杯の幸せ、と昔言っていたが、スプーン8杯は幸せ過ぎて昇天してしまいそうだ。

この、ひたすらに甘い飲み物を「滋養」の一言で幸せに飲んでしまう私は、頭の感覚が明治時代で止まっているのだろうか……。

アルバム「日本茶・茶・茶」を発表しました

2020-06-14 15:07:23 | 井財野作品
コロナ禍で突然できた時間を利用して、旧作(1999~2002)の弦楽四重奏曲の多重録音というのをやってみたのです。

当時活動していた弦楽四重奏団の演奏会のために書き下ろした作品群ですが、今見返すと、クラシック音楽のスタイルの啓蒙を必死に模索していた30代の自分が見えてきます。

ポピュラー音楽で使われていた「循環コード」をロンド形式に当てはめた《春る・る・る》。
だじゃれの音楽《日本茶・茶・茶》。
弦楽四重奏界のルロイ・アンダーソンを目指した《せみ・くらしっく》。

毎回、何か面白いことをやれば、少しずつでも聴衆が増えてくれるのではないかと、あれやこれや考えた結果の作品群です。

残念ながら弦楽四重奏団はその後解散し、私自身も弦楽四重奏だけがやりたい事でもなかったので、それから再演される事もなく、長い時間が経ちました。

その間、時代は変わり、インターネット上にないものは世の中にないもの、と言われる時代になっています。そうなると、旧作が休眠状態というのは良くない!と思う訳ですね。

それで、チェロだけ頼むと弦楽四重奏ができる!と気づいて、チェロを九州交響楽団の重松さんにお願いしてできたのが、このアルバムです。

ところが、できてみるとヴァイオリンとヴィオラが揃い過ぎていて、「3音出せる弦楽器」とチェロの二重奏みたいな妙な感じも出てきました。(一方で、その3音が全く揃わない箇所もありますが。)

そして、携帯電話で聞いてみると、低音が全くというほど聞こえない、というバランスのマズさも感じます。
チェロの重松さんからは、彼女の視点で音楽的に納得できないから、公表するなら名前を出さないでくれと言われました。(それ以前にチェロがあまり聞こえないことは、大変申し訳なく思っています。)

それでも、なぜ公表するか。

それは、まず先ほど述べた通り、世の中にないものにしたくなかったことがあります。

では完成度の低いものを、なぜ敢えて公表するか。

それは、ここからの出発だと思っているからです。
「スター・ウォーズ」の音楽、1978年に発表された時、当時の高校生でもひどく雑然とした演奏だな、と思ったものです。でも、誰もそれを問題にしませんでした。

とは言うものの、今回の録音、それよりもさらにレベルが下がるところがあるので、それを引合いに出してはいけないかもしれません。

私の場合、完成度を求めていたら、そのうち死んでしまいそうな気がします。
(それでも、録音し直したいところは多々ありましたが、世の中が動きだし、時間の余裕がなくなって時間切れになってしまったのが本当のところです。)

そして、現在新作の準備もしております。

今からの時代、こうして次々と新作を出すことが「私のあり方」かと思い始めました。

今回のアルバムを聴かれて「良いな」と思ってくださった方には、今後を期待して応援していただければと思いますし、「聞けたものではない」と思われた方は、今後を期待していただければと思います。

また、ついでに1曲だけアート作品《レゲンデ》を入れました。黒田寛賢氏との合作で、2019年の新作になります。(バランス的な問題は一番少ないです。)
合わせてお楽しみください。

ここまでの長文を、読んでいただき、ありがとうございました。

今後、時間を見つけて一曲ずつ紹介したいと思います。


ファンタグレープを飲む

2020-06-11 11:59:00 | 日記・エッセイ・コラム
ファンタを飲んだ。


もう何十年も飲んでいなかったが、小学生の頃は、結構飲んでいた。その後と違い、選択肢が少なめな高度経済成長時代だったから。

汽車に乗ると、条件反射的に何か飲みたくなる。しかし、私は今でも炭酸飲料が苦手だ。特にコカ・コーラは舌がチリチリ痛くて、みんながなぜあんなに平気で飲むのか、全く理解できない。

それで選ぶのがファンタグレープ。これも炭酸だから、なぜ?と思われるだろうが、汽車に乗ると炭酸飲料しかなかった時代だった。

いや、正確にはバヤリースとかあったけど、あれはあれで気持ち悪くなる飲み物。乗り物酔いもよくするので、バヤリースなど飲んだ次から吐いてしまうだろう。

なので、仕方なくファンタグレープだ。ファンタオレンジもあったのだが、オレンジジュースはありがたみが少ない。グレープジュースなんて、これでしか飲めなかった。

と言いながら、ファンタグレープはグレープジュースではない。
いや、現在のファンタグレープは果汁1%と書いてあるから、かろうじてジュースかな。
飲んでみると、心なしか果汁を感じる。昔のファンタグレープよりおいしい、ような気がする。

当時のファンタグレープは、堂々の無果汁❗️
それでも、グレープジュースというだけで高級な感じを持ったのである。

書きながら、まるで北朝鮮の子供の話を書いているのでは、と一瞬思った。
しかし、次の瞬間思い出したぞ「みかん水」

中学の国語の教科書に出てくる話だ。

「尋三の春」

妹に飲ませたい一心から、乏しい小遣いでみかん水を買って帰ったら、お父さんに「贅沢だ」とこっぴどく叱られ、でも妹は陰で申し訳なさそうにみかん水を飲む、という話。

非常にわびしい、やるせない物語。全国の中学生がジュースを見て「みかん水」と呟いたはずだ。

そして「今はコーラもファンタもある。ずっと豊かな世の中だ。」と当時の中学生は一斉に思っただろう。

でも本当のところはどうだろうか。
当時、果汁の入ったジュースはあまりなく、ちょっと後にHi-Cというのが出たけど果汁は半分も入っていなかったような記憶がある。

今のように、コンビニに行けば果汁100%がいくらでも買える訳ではなかった。
この5年後に、東京でブドウ100%のジュースを見た時は、それこそ「尋三の春」のように買って帰って、九州の人に飲ませたかった。

いや、私が九州の実態を知らないだけかもしれないと思い、その後すぐ、長崎のスーパーマーケットに入ってリサーチした。

そこに置いてあったのはカゴメのトマトジュースとオレンジジュースのみ。しかも缶入り。
リンゴやブドウの100%ジュースは東京だけのものだった。

状況的には「尋三の春」の相似形で、今から見ると、少しも豊かな感じがしない。
おまけに「ノストラダムスの大予言」や「日本沈没」の洗礼を受けた後で、未来は暗いと、当時の子供は刷り込まれた頃の話だ。

では、今は豊かなのか。

物質面では、とてつもなく豊かになった。
コカ・コーラの自販機なのに、売っているのはコーヒー飲料とお茶が大半。(どちらもこの数年後に発売され始める。)

当時は物質面が豊かになれば幸せを感じた。

今は多分違う。精神面が豊かになること、人々が交流することが幸せに結びつく。

これが制限されている以上、幸せな感覚を持てないのは当然だ。

だから、せめて果汁100%のグレープジュースを飲める喜びを幸せと感じよう。
(いつまで経っても「尋三の春」と大して変わらない日本であった。)




共同通信、フェイクニュース発信

2020-06-07 22:58:30 | 国際・政治
前記事はフェイクだと、数々の国会議員さんが発信したそうだ。

事実は、むしろ歩調を合わせないヨーロッパの国に日本政府がイライラした、それを逆に報じている、という説もあった。

一日中、これが気がかりだった休日。ようやく安心して寝られる。

しかし、共同通信もここまでチャイナ汚染されているとは……。