器楽の演奏者がそれぞれ携帯電話をいじっている。それは、3.11の日、日本では報道されなかったCNNニュースに一般市民が釘付けになっている状況を描いている。
アメリカではジョン・アダムズやスティーブ・ライヒなど、9.11を直視した作品が多く発表されているようだ。
「美しいものを描くだけが芸術artではない」という考え方がある。このオペラもその考え方の延長線上にある作品と言える。
でも所詮は対岸の火事なんだよな、ということを物語っているようで、深く考えると正直やってられない。
私は蝶々夫人でも夕鶴でも、内容をなるべく考えないで演奏する。普通は、内容を把握して演奏するべきなのだが、この手のものはそれをすると演奏不可能になってしまう。
なので、ひたすら冷静に演奏に徹したのだが、目の前の行為に反応しないようにするのは、なかなか大変だった。
まあ「不愉快な感情を引き起こす作品」は、確かに芸術作品の価値はある。少なくとも、つまらない作品はそのうち消えていくが、不愉快な作品は残っていく可能性がある。
しかし、今の日本に必要なのは、日本人が元気になる作品だと思う。ここ何十年も日本を覆う閉塞感を打破するような。
そう考えると、日本国内での再演は難しいのではないだろうかと思う。
が、そこを問題にしなければ、とても興味深い作品だった。
台本の対訳だけではわかりにくいからと、前日になって急遽ナレーションを頼まれた吉岡さん。彼女はこの演奏会で《鶴姫奇譚》という曲を発表するために駆けつけていただけなのだが、その多才ぶりを、ここで発揮してもらった。この場を借りて感謝。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ec/31355dee0b979ad7765b472ccdb9d8fa.jpg)
指揮者も一ヵ所だけ演技がある。千羽鶴がカモメになって飛んでいくのに気づいて「あっ」と驚く様子である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/86/ab083cada5736c1f14ca08766bf755b6.jpg)
写真だけだと面白そうに見えるし、実際面白かったので、気分はとても複雑である。
最後のカーテンコール。
アメリカではジョン・アダムズやスティーブ・ライヒなど、9.11を直視した作品が多く発表されているようだ。
「美しいものを描くだけが芸術artではない」という考え方がある。このオペラもその考え方の延長線上にある作品と言える。
でも所詮は対岸の火事なんだよな、ということを物語っているようで、深く考えると正直やってられない。
私は蝶々夫人でも夕鶴でも、内容をなるべく考えないで演奏する。普通は、内容を把握して演奏するべきなのだが、この手のものはそれをすると演奏不可能になってしまう。
なので、ひたすら冷静に演奏に徹したのだが、目の前の行為に反応しないようにするのは、なかなか大変だった。
まあ「不愉快な感情を引き起こす作品」は、確かに芸術作品の価値はある。少なくとも、つまらない作品はそのうち消えていくが、不愉快な作品は残っていく可能性がある。
しかし、今の日本に必要なのは、日本人が元気になる作品だと思う。ここ何十年も日本を覆う閉塞感を打破するような。
そう考えると、日本国内での再演は難しいのではないだろうかと思う。
が、そこを問題にしなければ、とても興味深い作品だった。
台本の対訳だけではわかりにくいからと、前日になって急遽ナレーションを頼まれた吉岡さん。彼女はこの演奏会で《鶴姫奇譚》という曲を発表するために駆けつけていただけなのだが、その多才ぶりを、ここで発揮してもらった。この場を借りて感謝。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/ec/31355dee0b979ad7765b472ccdb9d8fa.jpg)
指揮者も一ヵ所だけ演技がある。千羽鶴がカモメになって飛んでいくのに気づいて「あっ」と驚く様子である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/86/ab083cada5736c1f14ca08766bf755b6.jpg)
写真だけだと面白そうに見えるし、実際面白かったので、気分はとても複雑である。
最後のカーテンコール。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/89/c1e2e447b28f1886a668f0fecb162f4e.jpg)