吹奏楽コンクールの全国大会で、先週札幌まで行ってきた学生と話した。
「どうだった?」
「寒かったです。」
「ホールのキタラは良いホールと聞いているけれど。」
「日本一です!」
その学生は、国内のホールをせいぜい10くらいしか知らないと思うのだけれど、やはり良いホールのようだ。
先日会ったピアニストも、国内では大阪のシンフォニーホールと並んで最高と評していた。こちらは百以上のホールを知っているから、信憑性がある。
やはり良いホールなのだろう。
ところで、札幌で本番だと移動と滞在の費用、どれだけ安く考えても5~6万円かかる。学生にとってはかなりの出費だ。
その昔、同大学の混声合唱団は沖縄で全国大会があった時は、出場を諦めたことがあった。
そういう発想は持たない吹奏楽部、どうしたのか。
忽然とOB会が立ち上がり、費用の半分以上を負担してくれたのだそうだ。なので、個人負担は2万円ちょっと。
「それでも、個人負担で参加なんて、うちぐらいですよ。私学だったら大抵全額大学が出してくれますから。」
そうでしょうとも。それがいいなら私学に行って下さい。まぁ、国公立ではまずないな。
同じ日、その数時間後、別件での集まりついでに出た話。A高の卒業生が話す。
「もうA高もダメです。校長が代わって音楽に理解がなくて。」
A高は私学で、合唱コンクールの全国大会常連校。
「校長に理解がないのは残念だね。」
「前の校長は、全国大会とか毎回聞きにくるし、理解があったおかげで、いろんなところからお呼びがかかったし。」
「それはよかったね。」
「だから、コンクールの前日や翌日を授業を公欠にしてくれたし、秋なんか毎週のように本番が入って、それも全部公欠にしてくれたし…」
「…」
それはダメかも。授業が成立しない。そうやって勉強しない高校生を輩出する高校は困ったものだ。
新しい校長先生の方がまともかもしれない。
どちらが良いのか、なかなか判断できない問題だし、似たような話は、個人レベルでもある。
例えば、一般的に、私学の音大は成績優秀者をとても優遇して、大学全体が応援してくれる。それが、実力を大いに伸ばしている。
そこで自信も大いにつけて、卒業。社会に出ても、そこで培った実力と自信で大活躍…
した人は、どのくらいいるのだろうか。
私が思いつくのは一人だけである。
ほとんどのケースは、卒業した途端、自分に当たっていたと思っていた脚光がパッと消え、生身の自分に直面すると、何とも冴えない自分しか見えてこず、自信まで失って…、となっている。
そこからはい上がれば本物なのだが、寡聞にしてその例は一つしか知らない。
どちらが良いのか、全くわからない。
どん底に落とされる気分を味わうくらいなら、何もない方が良いような気がする。
一方で、短い学生時代くらい天国気分を味わったが人生楽しいかも、とも思う。どん底が待っていても、はい上がれば良いのだ。天国のイメージがない人には、はい上がるのも難しいから。
「どうだった?」
「寒かったです。」
「ホールのキタラは良いホールと聞いているけれど。」
「日本一です!」
その学生は、国内のホールをせいぜい10くらいしか知らないと思うのだけれど、やはり良いホールのようだ。
先日会ったピアニストも、国内では大阪のシンフォニーホールと並んで最高と評していた。こちらは百以上のホールを知っているから、信憑性がある。
やはり良いホールなのだろう。
ところで、札幌で本番だと移動と滞在の費用、どれだけ安く考えても5~6万円かかる。学生にとってはかなりの出費だ。
その昔、同大学の混声合唱団は沖縄で全国大会があった時は、出場を諦めたことがあった。
そういう発想は持たない吹奏楽部、どうしたのか。
忽然とOB会が立ち上がり、費用の半分以上を負担してくれたのだそうだ。なので、個人負担は2万円ちょっと。
「それでも、個人負担で参加なんて、うちぐらいですよ。私学だったら大抵全額大学が出してくれますから。」
そうでしょうとも。それがいいなら私学に行って下さい。まぁ、国公立ではまずないな。
同じ日、その数時間後、別件での集まりついでに出た話。A高の卒業生が話す。
「もうA高もダメです。校長が代わって音楽に理解がなくて。」
A高は私学で、合唱コンクールの全国大会常連校。
「校長に理解がないのは残念だね。」
「前の校長は、全国大会とか毎回聞きにくるし、理解があったおかげで、いろんなところからお呼びがかかったし。」
「それはよかったね。」
「だから、コンクールの前日や翌日を授業を公欠にしてくれたし、秋なんか毎週のように本番が入って、それも全部公欠にしてくれたし…」
「…」
それはダメかも。授業が成立しない。そうやって勉強しない高校生を輩出する高校は困ったものだ。
新しい校長先生の方がまともかもしれない。
どちらが良いのか、なかなか判断できない問題だし、似たような話は、個人レベルでもある。
例えば、一般的に、私学の音大は成績優秀者をとても優遇して、大学全体が応援してくれる。それが、実力を大いに伸ばしている。
そこで自信も大いにつけて、卒業。社会に出ても、そこで培った実力と自信で大活躍…
した人は、どのくらいいるのだろうか。
私が思いつくのは一人だけである。
ほとんどのケースは、卒業した途端、自分に当たっていたと思っていた脚光がパッと消え、生身の自分に直面すると、何とも冴えない自分しか見えてこず、自信まで失って…、となっている。
そこからはい上がれば本物なのだが、寡聞にしてその例は一つしか知らない。
どちらが良いのか、全くわからない。
どん底に落とされる気分を味わうくらいなら、何もない方が良いような気がする。
一方で、短い学生時代くらい天国気分を味わったが人生楽しいかも、とも思う。どん底が待っていても、はい上がれば良いのだ。天国のイメージがない人には、はい上がるのも難しいから。