井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

音大生の出口戦略③教育活動編(a)演奏するための教育活動

2021-07-07 10:30:28 | 受験・学校
ここで強調するまでもなく、大半の人達が選ぶ道である。

ただ「演奏家にはなれないから」という消極的な理由でこの道を選ぶ人達が、やはりとても多い。

そう考えても仕方ない面はあるのだが、せっかくならば、より積極的に考えてほしいと思う。

a)演奏するための教育活動

こちらも、消極的に考えれば「演奏だけでは生活できないから」という風になってしまう。
それは正しいし、私もそう考えていた。

しかし一方、ミュンヘンに行った時、ウィウコミルスカというポーランドの女流ヴァイオリニストから、次のように言われた。
「教えることはしないのですか。教えることも勉強になりますよ。」

わざわざミュンヘンやポーランドを引合いに出したが、こちらも日本中で、そして音楽に限らず言われ続けていることである。

b)純粋に教育活動

多分、こちらが最重要なのではないかと思うので、日を改めて述べたい。

音大生の出口戦略②その他編

2021-05-30 09:22:38 | 受験・学校
音楽学校とは音楽家になるために必要な訓練をする場所という認識は正しい。
が、だから卒業生は音楽家にならなければならない、という認識は疑問が生じる。

その理由の一つには、全員が音楽家になれる訳はないから、ということは誰しも考えつく。こちらは言わば「消極的」な理由。

ハンガリーには、音楽学校がかなりある。しかし、ハンガリーの人口は1000万人ちょっと。普通に考えたら多すぎる学校の数である。
どうしてこのようにたくさんの音楽学校があるのか。
その理由を昔聞いたことがある。

「私達は良い聴衆を育てるためにやっています。」

日本人なら思うだろう。「聴衆の育成まで考えて音楽をやらねばならないものなのか」

答は「やらねばならないもの」なのである。

そもそもヨーロッパはなぜあれほどまでに文化を大事にするのか。

それは、ヨーロッパが侵略、強奪の繰り返しばかり延々とやってきた国々だから、と言えるだろう。
それぞれが自国を守らねばならない時、もちろん軍事力は必須。
そして、その国民が一致団結するために精神面で必要なのが「文化」であろう。文化は国民の心をつなぐ。そのおかげで精神的に強くなれるのである。
だから文化を守るのも真剣だ。

と、いささか話がずれてしまったので元に戻そう。

良い聴衆になるために音楽学校に行くべし、とは私も思わない。勉強の途上で、その選択肢が出ることには大いに賛成だというに過ぎない。文学部に進んだ者が全て文学者や言語学者になる訳ではないように。

より積極的な「聴衆」として評論家や音楽学者の道もある。こちらは演奏家とほぼ同様の努力がいるので、やはり好きでなければなれないだろう。
逆に好きならこの道もある、ということだ。まあ、こちらは「音楽家」の道なのだが。

もう一つ、積極的な聴衆に近いのが音楽プロデュース業とマネージメント業。こちらは、現在のところ人材不足とみている。
こちらも好きでないとできないが、企画から立ち上げて本番が成功した時は、無上の喜びを感じるはずだ。

この仕事、必ずしも音楽学校出身が必須ではないのだが、私は音楽を学校(教育学部を含め)で勉強した人にやってほしいと思っている。
それは、音楽学校で何を勉強しているかを肌身で知っていないと、ちょっとした演奏家の心の機微がわからないと思うからだ。

あるオーケストラが、リハーサルがうまくいって時間より早めに終わった。早く帰る楽員達を見た外部役員「時間いっぱい働かないとは何事か」と言ったそうな。

これがわからない人には、正直音楽業界には入ってこないでほしい。

音大生の出口戦略①

2021-05-27 18:38:51 | 受験・学校
音大生に出口戦略なんて、ある訳がない。昔からずっと、一握りの人しかプロになれないと言われてきた世界なのだから。

これは正論である。
それでも、なぜかやりたがる人が大勢いたから、出口戦略なぞ考える必要もなく、淘汰されてなんぼの世界だったと思う。

しかし、少子化や不景気やらで、さすがに翳りが見えてきた。
近年では東京芸大附属高校のヴァイオリンが定員割れを起こしたらしい。ヴァイオリン界に身をおく者としては他人事ではない。

今まで永々無窮に築き上げ、世界のトップレベルにある日本のヴァイオリン界だったのだが、何も手を打たないと、それは段々過去の栄光になってしまうだろう。

そのためには「これが出口戦略だ」と考える必要もあるように思えてきた。

なので、改めて考察する。

音大生は、卒業したらどういう進路があるか。

従来から、以下の三つがあると言われている。

①演奏家

②教育家

③その他

誰でもこのくらいは言われなくてもわかる。知りたいのはその先だ……くらいのことは私もわかっているが、まずは分類すべきだろう。

そして②と③の重要性こそ、ポイントだと思う。また、それらの混合型も同じく重要だ。

詳しくは次の記事にするが、②の教育をもっと強化しないといけないように思ったので、これを書いている。

さらに演奏以外の仕事③に分類されるものの重要性も強調したいところだ。

そうしてたどり着く結論は音楽学校有用論でもあるのだが、20世紀では考えられなかったことも含めて考えないと、いずれ無用の長物になってしまう。私としては喫緊の課題と思って、以下考えてみたい。

この際学校は一斉に秋入学にしよう

2020-04-20 19:15:24 | 受験・学校
これは私のアイディアではない。
たまたま佐藤優氏の動画を見たら、このような提案があった。

これは良い、様々な問題が一辺に解決する、あるいは解決に近づく。

4~5カ月あるから、その間にそれこそ特別な予算を組んでもらって、可能な限り遠隔教育ができる準備をすると良い。

諸外国との留学もやり易くなる。

皆さんで声をあげましょう!

学びを止めない未来の教室

2020-03-01 10:42:26 | 受験・学校
小中高校は今月から2週間から1か月、休業に入ったが、そこに素早く対応したのが経済産業省。

以前も話題にしたEdTechである。

早速「学びを止めない未来の教室」
https://www.learning-innovation.go.jp/covid_19/?fbclid=IwAR3FsXLqtJvCmkldMOt0KYflCN42bewTltyuGFkJUZqHztI-MFEQL1Qqu80
というサイトを立ち上げた。

文科省が首相にああだこうだ言っている間に、経済産業省は「それならば」と先の手を打つ。さすがである。

EdTech、相変わらず大学生は知っていて、大学の教授陣はご存知ない。

世の中、さらに混沌としてきた。