ジュリエッタ・シミオナートの思い出

Giulietta Simionato -In Memoriam-
ジュリエッタ・シミオナートが亡くなった・・・ヤフーのイタリア版で見ると、addio a　Ｇiulietta Ｓimionato grande mezzo soprano dell Ｓcala（さようなら、偉大なスカラのメッゾソプラノであるジュリエッタ・シミオナート）と追悼記事が出ていた。

しかし、現在、日経をはじめ、まだ新聞にはでていない、ただひとつスポーツ新聞にあっただけで、ＮＨＫも今のところ報道していない・・・

彼女はいつも冷静で賢く、潔いオペラ歌手だった・・・自然な歌の中でオペラというドラマの中で、底知れぬ強さとしなやかさを自在に歌い、聴衆を魅了、１９６３年のヴェルディ「トロヴァトーレ」でその実演に接した私も、天をも突き抜ける美声に酔ったものだった、そしてブレスの長いこと。最後の高音をおもいっきり伸ばしてゆっくり幕が降りた時、「この声は一生忘れない！」と子供ながら思ったものだった。

オペラの黄金時代の名歌手たち、デル・モナコ、ディ・ステファノ、コレッリ、バスティアニーニ、カップッチッリ、シエピ、ギャウロフ、テバルディ、カラス、・・・みんな亡くなった。かけがえのない歌手ばかりだった。

シミオナート亡き今、健在なのはベルゴンツイ、ステッラ、・・・ぐらい？
スコット、フレーニ、コッソットはまだ７０代、次の世代であった。

もう何も言うまい、ただこの録画を見つけたばかりで、「カヴァレリア・ルスティカーナ」での日本公演（５０代の半ばだった）、引退してからのベルカント指導のフィルム、
・・・言葉がない、最高の名歌手だった。　ご冥福をお祈りします。

２０世紀最大のメッゾ・ソプラノ、ジュリエッタ・シミオナート死去

伊オペラ歌手のＧ・シミオナートさん死去(スポーツニッポン) - goo ニュース
ぐらっぱ亭さまのブログで知りました。５月１０日には１００歳の誕生日だったのに。
来日の時、ぐらっぱ亭さまがイタリア語の通訳をなさり、シミオナートをエスコートなさった、何かの縁でしょうか。
今はただ呆然です。
いつも気品をたたえ、大人の女性の魅力で存在感抜群でした。
波乱の人生でしたが、多くのオペラファンにとって感銘深い名歌手でした。