教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

東京建物インベストプラスってどうよ?

2010-04-25 00:16:49 | 経済/経済/社会
東京建物インベストプラス
http://www.ttfm.co.jp/index.html



東京建物インベストプラスという投資商品がある。
小口の不動産投資商品ということで、どれかってぇとREITに近いものだ。
要約すると、
「30%減までは元本保証」

「予想利回り2.4%」
というのが最大の特徴だ。

わたしはべつに買うつもりは全くない。
とはいえ、ビジネスモデルとしておもしろそうなので資料を取り寄せてみた。
インベストプラス7の資料が手元に届いたのでそれを読み解いてみたい。



まず解ったこと。

東京建物側が30%の劣後出資をしている。
だから30%減までは元本保証のようだ。

しかし劣後出資をしているからこそ、東京建物側には優先出資(お客)側を上回る期待リターンがなければ成り立たない。
幸いにも決算ハイライトみたいなのがあるのでそれを眺めて探ってみる。

そこには利益と優先出資者への分配額がのっている。
それの差が東京建物の取り分だ。
優先出資と劣後出資の比は7:3なので、それで割ってやればリターンの比が出てくる。

そこで出てきた答え。
それは東京建物は約2倍のリターンが得られているということ。

これがボッタクリなのかどうなのかはわたしには分からん。
しかし劣後出資ということを考えれば、そんなとてつもなく変な値ではなかろう。



裸の利回りを見てみる。
賃貸売り上げ1年分を不動産の簿価で割った値だ。

結果は3.7%。
物件は全て平成19年製で新しいが、裸の利回りで3.7%というのはいくらなんでも低すぎる。

REITが買っているレジ物件では、同じ年式でも5%ちょいくらいにはなっている。
ということは30~40%くらい価格のゴマカシがあると疑われてもしかたあるまい。

これって、劣後出資をもう食いつぶしてるんじゃないかい?
まあ、レバレッジかかってないからいいようなものの・・・。



まだ気になることがある。
費用の面で減価償却費が入っていないということだ。

REITの決算書にも減価償却費は必ず入っている。
でもインベストプラスの決算にはそれがない。
ナゾだ・・・

このナゾは物件の評価額の算出式にもかかわりがある。
評価額は賃貸利益のみから計算され、物件の築年数には一切左右されない形になっている。
ようするに、いくら物件がボロくなろうが、評価額はいっこうに変わらないのだ。

評価額をこのように定義してしまうと、決算の中に減価償却費が入っていると計算が合わなくなってくる。
だからこそ減価償却費を計上しないのだろう。

このままいくとどうなるか?

このファンドの運用終了の日が来たら、また次のファンドにそのままバトンタッチするような運用を恐らくするだろう。
ということは、机上の上では評価額などいくらであってもかまいはしない。

しかし。
あるとき、外部に物件を売却してファンドの運用終了とする日が来たとすると、そのときはほぼ確実に元本割れを起こす。
先に述べたように、そもそも30~40%くらい価格のゴマカシが入っているからなおのことそうだ。

自分が預けている間にババを引かないよう天に祈るような金融商品など、それっていったいどうよ?



問題はまだある。

このファンドの組み入れには5件ほどある。
そのうちの2件は反社会勢力とおつきあいがあったという事で倒産させられたスルガコーポレーションが倒産直前に建てたものだ。

さらにいうと、5件中2件は3月竣工だというのも問題だ。
4月からの新生活にそなえて引越し需要が増えるのがこの時期なわけで、運用側は是が比でも3月竣工で間に合わせたい。
だから、リスク回避をしたいなら3月竣工の物件は買うべきではない。
しかしこのファンドはポートフォリオの40%がその3月竣工だという・・・。



まだある。

このファンドの運用期間は2年9ヶ月だ。
ちなみに申し込み手数料は出資額の1.05%とる。

ということは、手堅い商品だという大本営発表の説明にもかかわらず、年換算で0.38%もの申し込み手数料になっているのだ。

これは高い!
(申し込み手数料を含まない)期待リターンが年2.4%なのだから、結果的に2%しか利回りがない。

ちなみにわたしは似たような投資商品として風車ファンドを持っている。
これは運用期間15年で申し込み手数料は出資額の1.05%だった。
年換算でいえば0.07%にしかならない。
それくらいが妥当なところなのでは?



まだある。

監査法人の報告書がついている。
「だから安心ですよ」
という触れ込みだろう。

しかし!

「お金の出入りは正しく行われていますよ」
という事しか書いていない。

そしてよくよく読んでみると
「監査意見は表明しない」
と書いてある。

ようするに、このファンドの会計方法が妥当であると自分の責任のもと公言したくないということだ。

まあ、少なくともREITと同様の会計でやっていれば、どっかしら会計方法が妥当だとハンコ押してくれる監査法人はあるだろう。
しかしそうはなっていないんだよな~。
これってどういう事を意味しているのかな~。



・・・ということで。

東京建物インベストプラスは絶対買うな!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿