教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

悪をやっつける正義という悪

2014-12-29 00:09:40 | 経済/経済/社会
「悪いヤツをやっつけるのは正義か否か?」

これは某氏のところで最近取り上げられたテーマである。

とはいっても、ちょっと考えてみたものの、パッとは答えにくい。
いい機会だから考えてみることにする。



「法の裁きを受けぬ悪党を私的に暴力制裁する者に正義はあるか?」
と、こう問うたらどうだろう。

これはハリウッドでは正義になるような気はする。
たとえばバットマンとかそうだよな。
日本でも戦隊モノのヒーローは必ずこれだ。

だがちょっと待て。
Aさんが悪党で、Bさんがが正義なのは、いったい誰が担保するのかという問題になる。

いちおう自称を除く先進国(注:ここ重要)では、正義は法が担保することになっている。
何が悪で何が正義なのかを一応それなりに分類して制裁方法まで記して運用できるようにしてあるのが法であり、
個人の善悪の判断基準に任せるよりは普遍的な判断ができるはずだということに一応なっている。

だが、これには反論が必ずある。

「悪いことをするヤツが悪党で、良いことをするヤツが正義だから、そこに議論の余地は無いのではないか?」

そう思うヤツはいるかもしれない。
少なくともかつてのわたしは、よほどビミョーな問題でなければそこに議論の余地が介在するとは思っていなかった。
しかしその考えは改めた。

なぜか?

お隣の国をよく観察する者(ようするに韓国ウォッチャー)はこの正義というものがいかにビミョーなものなのかを考えざるを得ない問題に必ずぶち当たる。
それを説明しよう。



「自称」先進国であるお隣のK国では、正義の正当性はいったい誰が担保するのか?

恐ろしいことに、実は法ではない。
そこでは法や憲法よりも上位に位置する概念が運用されており、その上位概念を国民の情緒(ようするに世論)という。
そこでは国民が「あいつは悪党だ!」と言ったら、そいつは裁判で悪党の扱いを受け、裁判所が法を無視して有罪にする。
これで「そんなバカな!?」と言うヤツは韓国に対する観察が足りない。

韓国で正しいのは国民の情緒であり、そしてかの国の国民の情緒は儒教という宗教の影響を悪い意味で非常に強く受けている。
だから「日本は悪い国なんだから日本は悪いのだ」という小学生でも論理の破綻に気付くような狂った道徳観によって正義の正当性が担保される。

韓国人なら
「俺はチョッパリ(日本人を侮蔑した表現)の女をレイプしてやったぜ! 先祖の苦しみを考えれば、俺は当然これくらいは許されるべきであり、いやむしろ俺様は先祖のために正しいことをしたんだ!」
と言うだろう。

この正義に正当性はあるか?

韓国人でなければこれに正義があると思うヤツはおるまい。
正義の正当性が担保されないとは、こういう状況のことを指す。

韓国の儒教観では、正義の正当性は目上の者が担保する。
目上の者は下々の者より学や徳があるからきっと正しいほうへ導いてくれるはずだという建前がそこにある。
これは建前としては美しいが、運用としてはこれほどダメな例は他にはそうないほどダメなものだ。

だからナッツを袋から出してくれなかっただけでマジギレして飛行機を引き返させるような副社長(=会社で2番目に偉い圧倒的な目上の者)が現れる(ナッツリターン事件)。
韓国にとって中国は目上の者であるからジャイアンなことを言われても黙ってしたがわざるを得ないみじめな状況を儒教観でなぐさめあい、
韓国にとって日本は目下の者(韓国人はよく「韓国が兄で日本が弟」と称する)であるから日本に対してナッツリターンほどの横柄な態度を取っても自分たちが目上の偉い存在であるため当然のことだと考え、中国にされた以上にさらに横柄なことを日本にして憂さを晴らす。

わたしがいつも韓国人は道徳観が狂っていると言っているのはこういうことだ。



韓国人の振りかざす正義が何かをつぶさに観察すれば、法の担保しない正義がいかにインチキなもので、人間の個人の正義感などいかに不正確になりやすいのかを改めて思い知らされる。

あなたのふりかざす正義が韓国人ほど狂っていないと誰が担保できるのか?

法を犯してまで悪党に暴力制裁するとは、こういうことなのだ。
(いくらなんでも韓国人ほど狂った正義感の人はめったにいないと思うけどさ)

法は、完全に正しいとはとても言えないが、少なくとも一定水準の正義は担保していると皆が考えており(あくまでも我が国では)、
少なくともほとんどの者がそれなりの尊法精神を有している(繰り返しになるが、あくまでも我が国では)からこそ法は韓国人より正しいのだ。



ただ・・・。
そうではない運用はありうる。

「法の裁きを受けぬ悪党をどうするか?」

冒頭の問題である。

これは、自らがより強大な悪になり、目先にある悪を滅ぼすしかあるまい。

たとえばハリウッドのダークヒーロー。
これみんなそんな論調だ。

ハリウッドのダークヒーローが実際に現れたらどうなるか?

法を犯して悪党を退治したあと、殺人罪で起訴される。

とはいえ、ショッカーや怪人は権利能力を持つ人間ではないため動物愛護法にひっかからない範囲内においてガチ殴りしていいとか、怪人や怪獣の出現は天変地異という解釈にして都市計画法などにあるように災害時の応急措置はどうのという但し書きにより適法になるとか、まあ法技術面でいろいろあるかもしれんけどさ。



自らが悪のそしりを受けてなお目先にある悪を滅ぼすことに価値を見出すなら、まあそれもよかろう。

「Cさんに酷いことをするDさんを、俺が顔の形が変わるほどガチ殴りして黙らせてやる。それで自分が法の裁きを受けたとしても、Cさんを守ってやれればそれでいい」

まあそんな任侠な人生もカッコいいかもしれない。
本来の悪党のDさんも、自分よりさらに強大な悪党によって痛い目に合ってようやく人様に対してふざけた行為をしたことの怖さを理解して帰ってくるかもしれんしな。

ただ、そこで正義と騙るのはどうかな。


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2 コメント

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触法してる時点で悪かも (勇者ひろりん)
2014-12-30 10:14:42
はよん。
仰ること、ごもっともであります。

ホントだよね。
せっかく法律っていうものがあるんだから、
それにそった社会的厳罰っていう戦い方もあると思う。
今までは大量殺人の加害者、障害者虐待の加害者、
子供をレイプする親、そんなヤツが目の前にいたら、殺しても構わないくらいの考えで居ました。正直・・・。
でも、それじゃ、やってること同じ。
正義にはなり得ないし、正義を語れない。
正しいと思ってるのは自分だけ・・・。
きっと大きく間違ってる。それでも許せないことも、なきにしもあらずなんだけど、人の道を外さないように、この生きづらい世の中を楽しく生きていかないといけないのかもね・・・。

PS:日本人を全員悪党呼ばわりされちゃ、たまらんなwww
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日本だけなら (教団「二次元愛」教祖)
2014-12-30 23:54:44
日本だけで考えれば私的制裁はそこまで深刻なことにはならないかもしれないと思ってしまいかねませんが、
そうじゃあない国を見てしまうとちょっとあれですよね。

目上の人の言うことが絶対の国とか、
法が統治しない国とか、
多数意見と異なる見解を持つ人は人格否定される国とか、
あらゆるものを自国起源にしたがる国とか、
そういう狂った道徳の運用形態を見てしまうと、やっぱり法の統治って大事なんだなって思っちゃいますわ。
(おっと、この例はぜんぶ同じ国のことでしたwww)
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