総理府が「こどもの日」にちなんで発表る14歳以下の日本の子供人口が平成最終年(4月1日)推計は1、535万人で、全人口の12.1%に落ち込んだ。これは1980年以来、連続38年の減少、過去最低の記録である。つまり平成の御代は子供が減り続けた時代であった。そのためかどうか、僕の目には「こどもの日」本来の「端午の節句」のお祝い行事が年々、廃ってきたたように見られる。
5月5日はもともと男の子の端午の節句で、僕の子供だった戦前には東京でも鐘馗様や神功皇后などの武者人形を飾り、庭には鯉のぼりを建て空高く泳がせた。唱歌ではないが、子供たちは“ちまき食べ食べ、兄弟同士、柱の傷”でお互いの背くらべして楽しんだものだった。しかし、昨夜NHKラジオの深夜便番組を聞いていたら、今の子供たちの半分以上が「こどもの日」が端午の節句だったことを知らいそうだ。
わが家でも孫たちが皆、成人して、武者人形や鯉のぼりを二階の屋根裏に仕舞い込んだままだ。足腰が弱り、飾りたくともその元気がなくなってきた。しかし、僕の所望で昨日、形だけ柏餅を食べ、菖蒲湯に入りたくて菖蒲を買ってきて貰った(写真)が、老妻の話では売っている店を探すのが難しかったという。
今年は天皇陛下の退位、即位などの皇室の昔ながらの儀式、しきたりに若い世代も関心が集まっているようだ。よい機会である。民間に伝わる昔からの、こうしたお祝い伝統文化にも、もう一度、目を向けるチャンスである。ちなみに、菖蒲は1束180円、柏餅は1個150円だった。