一回投与、3340万円もする白血病新薬「キムリア」が国から公的保険の適用を受けた。昔から”薬九層倍”というが、この値段を聞いて僕はびっくり仰天した。しかし、全国に2万人もいるという対象患者にとっては、公的保険の適用で自己負担(1割から3割)で済むのは朗報だ。
色々資料の提供を受けている友人から、これに関連にしてPresident onlineに掲載されている”製薬会社の不都合な真実 薬価に根拠なし”という記事(谷本哲也氏著)を頂戴した。製薬業界については素人の僕は、この記事で初めて、わが国の薬価は厚労省管轄の「中医協」(中央社会保険協議会)で決定されるの知った。しかし「中医協」では,新薬策定の枠組みは決められるが、個別の新薬策ブラックホールだとのこと。厚労省のHPにも公表されていない。驚いたことには「中医協」委員には製薬会社から多額の報酬も支払われているという。
もう一つの驚きは、あってないように思われる薬価である。4年前、抗がん剤新薬として、3400万円(1年間使用)の価格で登場した「オブジーボ」が75%まで下落しているという。患者にとっても国の医療保険にとっても歓迎だが、あまり他の業界ではありえない。資料を送ってくれた友人は、マスコミが新薬をめぐるこういたニュースをあまり報道しないのは両社間に癒着がるのではかと疑っているが、別のところではないだろうか。