「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本の社会の縮図 ”中高年ニート”の悲劇 川崎登戸殺傷事件

2019-05-30 05:32:38 | 2012・1・1

川崎市登戸のカリタス学園の学童を狙った殺傷事件は痛ましい限りだ。過去には、あまり例のない計画的な事件である。何故こんなkっ凶悪な事件が起きたのか、マスメディアの報道から事件の背景、犯人像を推察すると、現在の日本社会の抱える暗い一面の縮図が浮かんでくるような気がする。

犯人の男は昭和43年(1968年)生まれの51歳だが、日常の生活ぶりは今世紀初めよく言われた”ニート”である。”ニート”とは英国の社会が発生地で”not in education,employment ,training"だが、日本では15歳から34歳までの、家に引きこもりの゛無就業者”と定義されている。男は出生に不幸な面があるが、定職がなく、51歳の働き盛りなのに、高齢な伯父夫婦の家に同居してブラブラしていた。最近、”ニート”の高齢がいわれていたが。まさに”中高年ニート”である。

もう一つの社会の縮図は家族関係の喪失である。伯父の80歳代夫婦は訪問介護が必要のようだが、血縁関係のある男が同居していては認可にならない制度である。最近の日本社会は必要以上に個人情報を重んじるように僕には思われるが、何とか男を説得して伯父夫婦の介護させるなり、できなければ、別居させなかったであろうか。

内閣府の今年3月の調査によると、日本全国で40歳以上64歳までの中高年者の引き篭りが61万5千人もいる。そのうち4分の3が男性だという。これを受けて根本厚労大臣も新しい社会問題だと対策を検討すると発言している。今回の事件はその警鐘である。