「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       残留元日本兵の死と日イ関係

2007-06-13 05:13:40 | Weblog
ジャカルタの邦字紙「じゃかるた新聞」(6月12日)によると、残留元日本兵
の一人、藤山秀雄さん(87)が亡くなった。藤山さんは佐賀県出身の元陸軍
航空隊軍曹で、戦後日本に帰らず、西部ジャワでインドネシア独立戦争に
参加した。独立後はインドネシア国籍を取得、フセンという現地名でジャカル
タで自動車整備工場を経営していた。藤山さんの死で、元残留日本兵の数
は僅か数名となった。

41年前、僕がジャカルタに勤務していた当時、元日本兵は百数十人いた。イ
ンドネシアへの賠償引当の貿易で、彼らは日本の商社に雇用され活躍してい
た。これが象徴するように、日イ関係は以来スハルト(第2代大統領)失脚ごろ
まで貿易通商を中心に黄金時代であった。その背後には彼らの独立戦争時の
活躍、またスハルトをはじめとする軍政時の義勇軍幹部の”謝恩”の気持もあ
ったと思う。

時代は移り、両国共に日本軍政当時を知る世代がいなくなった。日本ではイン
ドネシアに特別な”愛情”を持っていた世代が去り、逆にインドネシアでは戦後
の反日教育の結果、事実に反する反日史を書き出版した大使まで登場した。
日本の善意の援助にケチをつけ、中国に”色目”を使っている副大統領もいる。

今年第一四半期の日本からの投資額は世界で5番目の落ちた。在留邦人の数
も減少している。他国に比べて投資環境が悪く汚職がつきまとう国では、愛情
をもたなくなった今の日本人には魅力のない国である。