「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     「幸せなニュース」

2007-06-25 05:03:33 | Weblog
日本新聞協会が「Happy News 2007」を募集している。読んで幸せな気持ちに
なった新聞記事をコメントして協会に送れば、審査の上で10名に賞金(一等大
賞30万円)をくれる。「Happy News」とはいま一つ意味不明だが、最近はどの
新聞も暗い、殺伐とした記事が多すぎる。協会もそれに気づき、こんな企画を
考えたのであろう。

1950年代、僕は”かけだし記者”で、”サツまわり”をしていた。NHKの人気
ドラマ「事件記者」より前の頃だ。警視庁管内の警察署を四つか五つ担当、事
件カバーしたが、そんなに毎日記事になる事件はない。デスクから”街の美談”
を探せとハッパをかけられるが、これまたそんなに転がっているものではない。

きのう大学時代の友人から夫婦で昼食会に招かれた。彼は同窓でも戦地から
の復員がおそく、僕より一回り上で87歳。が、とても元気で週に1,2回、鎌を
持参で母校へ行き、キャンパスの雑草とりをしている。健康と母校への感謝を
こめての奉仕だ(彼はそれを口にはださなっかたが)なかなか出来ないことで
ある。僕はこの話を聞き“かけだし”の頃なら早速記事にしたのにと思った。

戦争中の”百人斬り”といった作られた”美談”は困るが、時には潤いのある記
事も欲しい。読者は”バラバラ事件”の詳細とか、事故の悲惨な不必要の状況な
ど望んでいない。心温まるニュースがあれば読者の気持ちもなごむ。