たまにクラシックの演奏会に出かけますが、その情報源として、無料の月刊クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」を毎月読んでいます。同誌はインタビューや公演情報、新譜CDの紹介など内容が充実しています。7月号には、指揮者の佐渡裕さんへのインタビューが掲載され、来年5月のベルリン・フィル定期への出演決定のことやオペラ「キャンディード」(バーンスタイン作曲)について語っています。今夜は歌ものを聴きました。
BARBARA LEA (バーバラ・リー)
A WOMAN IN LOVE (Riverside 1955年録音)
バーバラ・リーは、1950年代に3枚のアルバムを作っています。そのうち2枚はタイトルに「Love」が入っており、「ア・ウーマン・イン・ラヴ」(リヴァーサイド)、「リー・イン・ラヴ」(プレスティッジ)と、およそジャズ専門レーベルらしくないタイトルがつけられているのが微笑ましいのですが、内容を表しているのは確かです。
本作は、国内盤としてはこのSSJ盤CDが初出になります。前からこのジャケット(Riversideの表記はありませんが)でほしかったので、発売と同時に購入しました。彼女は、ふくよかな声でリラックスして歌いますが、品の良さと誇張のない歌い方は、聴いていてほっとするものがあるし、ノスタルジックでもあります。
伴奏は、ビリー・テイラー(p)とジョニー・ウィンドハース(tp)を中心としたコンボ。「降っても晴れても」、「アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ」、「ラヴ・イズ・ヒア・トゥー・ステイ」、「シンキング・オブ・ユー」、「アイ・ディドゥント・ノウ・アバウト・ユー」、「ラヴ・ミー」、「ザ・ベスト・シング・フォー・ユー」、「ア・ウーマン・アローン・ウィズ・ザ・ブルース」というオリジナル10インチ収録の8曲に加え、前年録音の2曲が追加されています。
彼女の個性が溢れていて、繊細で暖かいムードが全体に感じられます。「降っても晴れても」、「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」というスローなものに加え、意外にも軽くスイングした「アズ・ロング・アズ・アイ・リヴ」、「ザ・ベスト・シング・フォー・ユー」も心地よい出来です。また、僕はボブ・ラッセル作詞、デューク・エリントン作曲の「アイ・ディドゥント・ノウ・アバウト・ユー」が好きで、ここでも寂しげに「yesterday,everyday」と歌われるくだりではぐっときました。
【ぶらあぼ】
クラシック音楽情報誌で、重宝しています。