山田和樹指揮群馬交響楽団創立75周年記念演奏会が、高崎芸術劇場で開催されたので聴きにいってきました。
(出 演)
指揮:山田和樹
ヴィオラ:今井信子
管弦楽:群馬交響楽団
山田和樹さんは、モンテカルロフィルハーモニー管弦楽団の芸術監督兼音楽監督、バーミンガム市交響楽団の首席客演指揮者を務めるなど、今や大活躍の指揮者だけによく群響に客演してくれました。山田さんは、小林研一郎さん(現在、群響ミュージック・アドバイザー)の弟子に当たるので、その関係もあったのかもしれません。
今井信子さんは、世界的に活躍するヴィオラ奏者で、東京国際ヴィオラコンクール審査委員長なども務めている方で、その独奏も楽しみです。
(曲 目)
ベルリオーズ / イタリアのハロルド 作品16
バッハ / 無伴奏チェロ組曲第1番からサラバンド (今井信子のアンコール曲)
〈休 憩〉
ガーシュイン / パリのアメリカ人
ラヴェル / ラ・ヴァルス
(感 想)
群馬交響楽団から柔らかでカラフルな響きを引き出した山田和樹の指揮の見事さにまずは感銘しました。イタリアのハロルドの冒頭のコントラバスのソリからして響きが明るめで、その印象は当夜は変わりませんでした。サウンドクリエーターとして山田さんは優れているように思いました。
演奏曲目は、群響創立の中心人物の井上房一郎氏がパリに留学したことが群響創立のきっかけとなったゆえんから、フランスに関連した作品が選択されたようです。もっとくすんだ響きが当楽団の特徴だと思っていたので、今回のプログラムと演奏は、従来の印象を少し変えるものでした。
今井信子さんのイタリアのハロルドの独奏は優美で格調が高く、アンコールのソロにも引き込まれました。パリのアメリカ人も面白く、ガーシュインのブルース系フレーズを表情豊かに演奏したトランペット奏者をはじめ木管、金管楽器陣もよかった。
【参考にあらかじめ聴いたCD】
「イタリアのハロルド」。フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクル、タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
「パリのアメリカ人」。アーサー・フィードラ―指揮ボストン・ポップス管弦楽団