goo blog サービス終了のお知らせ 

安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

キャロル・ウェルスマン ALONE TOGETHER

2016-06-15 20:57:44 | ヴォーカル(A~D)

クラフトビールばやりの昨今ですが、大手ビール会社も地域性を出そうとしています。友人のIさんがスーパーの西友にあったと言って買ってきてくれたのが、キリン一番搾り「信州づくり」と「名古屋づくり」で、いずれもキリン名古屋工場で作られたものです。”一番搾り 地元うまれシリーズ”というネーミングで、北海道から福岡まで各地の名前を冠した製品が発売されています。美味しければいいので、いろいろなものが出るのは歓迎です。芳醇で冷涼な味わいのアルバム。

CAROL WELSMAN (キャロル・ウェルスマン)
ALONE TOGETHER (Welcar Music 2014年録音)

   

カナダ出身の歌手だと、ダイアナ・クラールが広く知られていますが、こちらのキャロル・ウェルスマンもピアノ弾き語りを行い、編曲も行うなど実力のある歌手で、アルバムも多数出しています。「Memories of You」をはじめ、僕もいくつか持っていますが、この最新作の出来がいいので、あらためて聴いてみました。

メンバーは、キャロル・ウェルスマン(vo,p)、ルーファス・リード(b)、ルイス・ナッシュ(ds)、ウォーレス・ルーニー(tp)、曲によりジェイ・アリゾナ(g)、スティーヴン・クルーン(per)が加わります。ヴォーカルアルバムにもかかわらず、インストアルバムと勘違いしそうな素晴らしいメンバーを集めていて、まさにジャズヴォーカルというにふさわしいメンバーです。

曲はスタンダードです。「Day by Day」、「It Might as Well Be Spring」、「Sand in my Shoes」、「My Ship」、「Alone Together」、「Disappointed」、「In The Moon Turns Green」、「You Taught My Heart to Sing」、「The Blues are out of Town」、「I Didn't Know About You」、「Killing Time」、「You Must Belive in Spring」の12曲。珍しいのは、ジョー・デリーズとマルシア・ヒルマン作の「The Blues are out of Town」とキャロリン・リーとジュール・スタイン作「Killing Time」でしょうか。知られざる佳曲がウェルスマンによって紹介されています。

これは、最近聴いたヴォーカルのアルバムの中で、群を抜いて素晴らしかったものです。トータルのサウンドがきれいで、うるさくないのは、やはり共演陣に人を得ているせいでしょう。彼女の歌は、クールな中にも情感の感じられるもので、全体のムードは静謐で、夜の時間に似合っています。ウェルスマンの歌だけでカデンツァ風に始まる「Alone Together」や、彼女ののスキャットやルーニー(tp)のソロが入るジャジーな「The Blues are out of Town」、かみしめるように歌っている珍しい曲「Killing Time」など、上質なジャズヴォーカルが聴けます。

【キリン一番搾り 信州づくり】

   

いただいた「信州づくり」です。

   

   

長野駅のコンコースに掲出されたポスター。拡販のためでしょうが、大きくて目立ちます。メーカーがかなり力をいれているのでしょう。