バレンタインデーが近づき、チョコレートが売れる時期になりました。長野県下伊那郡泰阜村の会社「ゆず姫」で作られている季節限定の柚子チョコレートの製造が大忙しだそうです。村内に自生しているユズを利用した柚子チョコは、ユズ皮の砂糖煮(ピール)をチョコでくるんだお菓子です。ベルギー産の高級チョコの甘さとほろ苦いピールがマッチして、甘さ控えめの後を引く味です。もっと聴きたくなるミュージシャン。
LEO WRIGHT (レオ・ライト)
SUDDENLY THE BLUES (ATLANTIC 1962年録音)
レオ・ライト(as,fl)は、ディジー・ガレスピー(tp)の「An Electrifying Evening」(Verve)でサイドメンを務めていたので知りました。ライトは、1960年から63年にかけてアトランティック・レーベルに3枚のリーダー作を残し、63年末にヨーロッパに渡り、ベルリンなどで活動を続けましたが、70年代の終わりにはほとんど引退し、91年にウィーンで亡くなりました。リーダー作の少ないミュージシャンです。
メンバーは、レオ・ライト(as,fl)、ケニー・バレル(g)、ロン・カーター(b)、ルディ・コリンズ(ds)で、ピアノレスのカルテットです。当時、彼が率いていたバンドによる録音ですが、他にもジュニア・マンス(p)、チャーリー・パーシップ(ds)が去来しており、ガレスピー楽団のメンバーを中心とした一流どころが揃っています。それだけに、早く渡欧してしまったのは残念です。
曲は、A・ジョビンの「A Felicidad」(フェリシダージ)、レオ・ライトの自作「Gensel's Message」、「The Wiggler」、「Suddenly The Blues」、トム・マッキントッシュ作「Tali」、「Sassy Lady」、ラロ・シフリン作「Dionysos」、それにおなじみの「Greensleeves」と「Willow Weep For Me」(柳よ泣いておくれ)の9曲。ジャズ・オリジナルが目立ちますが、優しいメロディーの曲が多い。
レオ・ライトのアルト・サックスの音色は、適度な甘さを含んでいてきつくありません。そんなアルトももちろんよいのですが、それ以上に彼のフルートにおける名手ぶりには驚かされます。アルトでは哀愁溢れる「A Felicidad」、フルートではバラードの「Tali」や「Dionysos」のテーマやソロが美しい。バレル(g)は、コードを弾いていることが多いのですが、「Gensel's Message」や「Sassy Lady」におけるソロはブルージーで魅力的です。ピアノレスで、室内楽的にも聴け、コーヒータイムにも最適なアルバム。
【柚子チョコレート】
ビターとカカオ(ココア)の二種類が入っています。