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写真とコメントで紹介する旭川の郷土史エピソード集

戦前のグーグルマップ!?・後編

2017-05-01 08:00:00 | 郷土史エピソード

戦前に旧日本軍が撮影した旭川中心部の航空写真をご紹介する「戦前のグーグルマップ!?」。
今回は後編、旭川駅や鉄道施設、市の中心部が写った2枚の写真について解説します。



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ではさっそく行きましょう。
まずこちらの1枚。


◆写真③・・・旭川駅構内・宮下通~4条通6~10丁目周辺



(写真③-1)全景


この写真には、忠別川を背に建つ旭川駅から4条通付近までが写されています。
面白いのは通りの幅です。
今の名称で言いますと、上から昭和通、平和通(当時は師団通)、緑橋通、永隆橋通の姿が確認できますが、昭和通と永隆橋通は他の2つの通りよりも広く見えます。
また緑橋通は、昭和19年に空襲に備えた「建物疎開」によって道路が拡幅されますが、この写真はその前なので師団通と同じ道幅です。
さらに各通りの真中付近と建物との間に、人や車が通ったあとがくっきりと見えます。
おそらく雪が降った日の早朝の撮影のため、まだ車通りや人通りが少なく、車や人が通った跡が少ないためと思われます。



(写真③-2)旭川駅舎と駅前


それではこの写真も少し詳しく見ていきましょう。
まずは駅舎。
大正2年に完成し、戦後の昭和27年まで使われた3代目の旭川駅です。
駅舎とホーム、3層構造になっていることが良くわかります。
駅の斜め右上にあるのは運輸関係の庁舎ですね。



(写真②-3)三浦屋と宮越屋


駅前宮下通の7~8丁目です。
師団通の入り口に立っているのは、三浦屋(上)と宮越屋(下)の2つの旅館です。



(写真③-4)丸井今井


その右、1条通に目を移しますと、7丁目に丸井今井百貨店があります。



(写真③-5)道銀 


8丁目側のこの立派な建物は道銀の旭川支店です。



(写真③-6)拓銀


さらに2条通の8丁目にも大きな建物が。
拓銀の旭川支店です。



(写真③-7)北海ホテル


最後は4条通8丁目にあるこの黒っぽく写っている建物。
旭川を代表するホテル、北海ホテルです。


◆写真④・・・旭川駅構内・宮下通~3条通10~14丁目周辺



(写真④-1)全景


最後の写真です。
この写真も写真③と一部重なっています。
線路上に何台か、蒸気機関車があるのが見えますね。
煙が上がっています。
晴れて風のない冬の朝。
旭川の街が一番冷え込むパターンですが、この写真からは、そんな厳しい冷え込みを感じます。



(写真④-2)上川倉庫


全景写真の中心よりやや左上。
宮下通11丁目にあるのは、現在大雪地ビール館として活用されている上川倉庫です。
真中の大きな倉庫を囲むようにいくつもの倉庫が建ち並んでいます。



(写真④-3)鉄道用地

全景写真の画面左下に見えるのは、現在は北彩都として再開発された鉄道の車両工場などの用地です。
特徴的なのは扇型の車庫、上空からですと形がよくわかります。


いかがでしたでしょうか。
こうした写真を見ていますと、いわゆる街並みというものが、まるで地層のように今と昔の重なり合いでできていることがわかります。

なおこの航空写真は、北海道立図書館のホームページにある「北方資料デジタル・ライブラリー」で簡単に観ることが出来ます。
ページを開いて、「簡易検索」で「航空写真」と検索すると、34件の航空写真が表示されますが、その中にあります。
「北方資料デジタル・ライブラリー」では、「旭川」で検索すると、膨大な量の旭川の写真や地図など歴史資料を観ることができます。
興味のある方はぜひご覧になってみてください。





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