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写真とコメントで紹介する旭川の郷土史エピソード集

道博の新資料&「河」公演リポート

2017-08-03 20:00:00 | 郷土史エピソード
札幌での劇団「河」の企画展や、旭川での30年ぶりの「河」の講演などがあったため、しばらく新しい記事を上げることができませんでした。
お詫びします。
久々の記事は、先日手に入れた、このブログではおなじみの「道博」=「北海道開発大博覧会」の貴重な資料のご紹介です。
また先日行われた劇団「河」の公演についてもふれたいと思います。



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道博常磐会場の正門


常磐会場の俯瞰図



まずは、道博について、おさらいしておきましょう。
道博は、正式名称が「北海道開発大博覧会」。戦後まもない昭和25年に、旭川を会場に開かれた大イベントです。
7~8月の40日間に渡って開かれ、全道各地から、当時の旭川の人口の3倍近い51万人もの観客が詰めかけました。
開催を機に、常磐公園のさまざまな機能が整備されたイベントとしても知られています。
今回入手したのは、会場と、会場で行われたさまざまなイベントの写真、それに大型のチラシです。

まずは写真を紹介していきましょう。



モダンな看板


常磐会場夜景



まずは、メイン会場である常磐会場(常磐公園)に設置されたモダンなデザインの看板と、同じく常磐会場の夜景です。
看板の後ろに見えているのは、展示館の一部です。
夜景は、正門あたりですね。
良く見ると、スズラン型の街灯が何基も設置されています。
平和通のシンボルでもあったスズラン街灯が、道博でもこのように設置されていたのは初めて知りました。



卸商連盟会館


こちらは「卸商連盟会館」と名前の付いた展示館です。
並んでいるのはこの館の担当者でしょうか。
みな少し緊張気味です。



展示館内部


こちらは展示館の内部ですね。
清酒工場の紹介のようです。

続いてはイベント関係の写真です。



太夫道中


同じく太夫道中



こちらは京都島原から招いたという「太夫道中」というイベントの写真です。
京都の遊郭、島原の太夫に扮した女性が会場を練り歩き、詰めかけた大勢の観客が見守りました。
この模様は、市に保存されている博覧会の記録フィルムにも残されていますが、北海道とはいえ、真夏の旭川でのこの出で立ち、たいへんな苦労があったのではないでしょうか。

続いては、会期中に行われたいわゆるミスコン、ミス北海道コンテスト関連の写真です。



ミス北海道と道博娘の女性たち


ミス北海道



この博覧会では、全道各地から26人の代表が集まり、ミス北海道1人と道博娘2人が選ばれました。
これは決定後の写真ですね。
サインが入っていますので、もしかしたらブロマイド的に配布されたものかもしれません。

最後は大型チラシです。



道博の大型チラシ


写真では、大きさが分かりにくいのですが、新聞紙をいっぱいに広げた半分ほどのサイズです。
製作したのは、博覧会の実行委員会と思われますが、右下に「時事通信社製作協力」と書かれています。
ちょっとクローズアップして見ましょう。



シンボルセンター


こちらは、常磐会場に会ったシンボルセンター。
中がどうなっていたのか分かりませんが、なかなか斬新なデザインです。



大平和塔


わたくしの大好きな大平和塔。
博覧会のシンボルタワーとしてロータリーに建てられました。
この塔についての詳しいことは過去のブログを見てください。



開会式


これは開会式の写真ですね。
真ん中が北海道の田中敏文知事。
左は前野輿三吉旭川市長。
右は北海道に駐留していた米軍司令官の代理の方です。
25年は、まだGHQが存在していた時代なんですね。
ちなみにこのステージは、今の公会堂のあるあたりに建てられていました。



池中塔


千鳥ヶ池に設置された池中塔です。
左端の三角屋根の建物はプラネタリウムです。
池中塔は博覧会の終了後もかなりの間、残されていました。



インディラの行進


博覧会に合わせて行われた移動動物園のために、はるばる上野公園からやって来た象のインディラです。
平和通を歩いて会場の中央小学校(今の市民文化会館の場所にあった)校庭まで行進しました。
まわりには見物の市民がいっぱい。
今では考えられないのどかさですね。



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さて最後は、7月14~16日に旭川で行われた劇団「河」の公演です。
1986年に活動を休止してから30年余り。
復活の舞台には、予想を大幅に超える数の観客が集まり、盛況のうちに終了しました。



「河」公演から


ことしで90歳になる劇団主宰の星野由美子さんも、元気に舞台をつとめました。
今回の出し物「詩と劇に架橋する13章」は、小熊秀雄の童話「焼かれた魚」と、佐藤春夫、吉増剛三、吉本隆明といった近現代の日本の詩人の代表的な詩を素材に、かつての「河」が創作したオリジナル作品です。
今回は昔の「詩と劇・・・」とは違って、動きは極力抑え、「俳優が劇的な思いを込めて表現する現代詩と童話の朗読、朗誦」というコンセプトで作られた舞台でした。
かつての劇団員が半分、呼びかけに応じて新たに参加した若者たち半分という面子でしたが、舞台から発せられる熱量は大きく、しっかりと「河」の作品に仕上がっていました。
近くで創造の過程を見させていただいたワタクシにとっても忘れられない舞台となりました。



盛況だった会場