今回も「アンコール・私の好きな旭川」。
2013年8月に書いたこの記事です。
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<私の好きな旭川~牛朱別川で〝妖怪騒ぎ〟!?>(2013年8月29日掲載)
まずはこちら。
昭和6年、切り替え工事の前の牛朱別川です。
この2年前、なんとこの牛朱別川の川辺で妖怪騒動が起きました!!
現在で言いますとこちらです。
10条通13丁目付近といいますから、ワタクシの実家の近く。
常盤中学校からもう少し東に行ったところです
昭和4年7月26日の旭川新聞によりますと、この辺りで、夜な夜な不気味な鳴き声が響き、「幽霊だ」「いや妖怪だ」と街をあげての大騒ぎになったそうです。
現場には、怖いもの見たさに大勢の人が集まり、まるで夏祭りのようなにぎやかさだったとか。
新聞の見出しには次のように書かれています。
「化け物見たさに賑ふ夏の宵 牛朱別川辺の小沼の畔 さても物凄い唸り声
(記事には人であふれ返った現場の写真も載っています)」
切り替え工事前の牛朱別川(中央が10条通13丁目付近)
で、結局この騒動、近くで飼育されていた食用蛙がその正体と分かって一件落着したそうですが、その犯人?とおぼしき蛙が写っている写真を古い文献に見つけました!
その文献は、昭和3年発行の「旭川写真帳」。
この中に牛朱別川近くにあった食用蛙の飼育所の写真が載っています
(看板には、「北海道庁選定食用蛙飼育所」とあります)。
時代と場所から考えてまず間違いないと思います!
「旭川写真帳」より
同上
ちなみに、見事な大きさの蛙を手にしているのは、この飼育所を設けた槇荘次郎さん。
旭川で2台のフォードを買い込み、それぞれ「弁慶」「義経」と名付けて乗り合いバス事業を行うなどした実業家です。
妖怪騒動が起きた当時の牛朱別川はほとんど整備が進んでおらず、特にこの現場付近は、ヤチハンノキなどが生い茂るじめじめとした沼地でした。
でも自分の生まれ育った場所の近くで、こんな出来事があったと思うと可笑しくなります。
10条通13丁目付近での切り替え工事の様子