浅井久仁臣 グラフィティ         TOP>>http://www.asaikuniomi.com

日々の出来事から国際情勢まで一刀両断、鋭く斬っていきます。コメントは承認制です。但し、返事は致しませんのでご了承下さい。

そろそろ?

2006-04-27 10:39:52 | Weblog
 エジプトのシナイ半島のリゾート地ダハブで24日夜、ほぼ同時発生の3件の爆発があり、これまでに20人以上が死亡、多くが負傷した。また、26日にも、今度は同半島の北部で連続爆破が起きた。こちらは今のところ死者は確認されていない。

 サウディ・アラビア半島東部にあるバハレーンでも26日、繁華街で2発の爆発が確認された。犠牲者についての情報は今のところ入ってきていないが、大規模な爆発ではないようだ。そして、少し離れたスリランカでも25日、国軍司令官を狙った反政府武装勢力の自爆攻撃が起き、司令官は重傷、随行員8名が死亡した。イラクではほぼ毎日、自爆攻撃を含む武装勢力からの攻撃が相次ぎ、もはや数名の死者ではニュースにならない状態だ。

 今のところ、これらの攻撃の実行声明は出されていないが、状況を考えると、いずれもがイスラーム系武装勢力の可能性が高い。気になるのは、23日にカタールの衛星TV局「アル・ジャズィーラ」が放送したオサマ・ビン・ラーディンと言われる人物の呼びかけだ。

 その人物は呼びかけの中で「(西側諸国による)ハマスの拒否は、イスラム教徒に対して十字軍とシオニストが戦争を仕掛けていることを確認するものだ」と述べている。

 今回は恐らく米国情報関係機関から情報が寄せられたのであろう。在米日本大使館が珍しく素早い対応を見せ、在米邦人に対してメイルを送り、録音声明が各地のテロ組織に影響を及ぼす可能性も排除できないと指摘、人が多く集まる場所では、警戒を強めるよう呼び掛けている

 アル・カーイダのこれまでの行動パターンを見ると、「そろそろ」と思うのは当然かもしれない。もちろん、これまで彼らの仕業とされてきた事件が全て真正であることが前提だが、恐ろしいことの前触れでないことを願うばかりだ。

 普段から気を付けておいていただきたいことだが、海外旅行をする場合、航空会社やホテルの選び方、訪問先の近くに米国やイスラエルのシンボルになるような建物や記念構造物がないかなど、皆さんにも出来ることはある。細心の注意を払ってご自分の身を守っていただきたい。


 


相談されるということ

2006-04-27 09:47:31 | Weblog
 「親父が27日に退院します!」
 
 10日前、大量吐血して緊急入院した友人Aの長男Bが弾んだ声で電話をかけてきた。

 安堵した。本当に嬉しかった。彼が倒れたとJR南浦和駅前で聞いた時、恥ずかしい話だが、あまりのショックに言葉を失った。その直後、電車を待つ間、そして電車に乗ってからも涙が止まらなくなった。

 「鬼の目に涙か」
 
 私を外見だけで判断している人は、その時の私を見たらおそらくそう思ってしまっただろう。実は、普段強がりばかり言っているが、これで結構涙もろいのだ。

 Aからは様々な相談をされていた。私と同じように肩で風を切って昔気質の「男の美学」を貫くAにとっては、私は相談しやすいのだろう。その彼に対して、私はひと月ほど前、檄を飛ばした。彼の仕事に対する見栄や消極性を手厳しく叱ったのだ。

 それからというもの、彼は一変、家族が目を見張るほどの頑張りを見せた。一時はそれが成果を生み、家族の中にも余裕の表情や笑いが見られるようになった。

 しかし10日前、それが一転、私は深い悩みに陥った。胃潰瘍で大量吐血して病院に運び込まれたのだ。それも、深夜2時だからかもしれぬが、30分以上も救急車に乗せられたまま病院に受け入れをことごとく拒否され、ようやく7軒目に受け入れられたという。その時の家族の心痛はいかばかりかと想像するだにつらかった。

 Aの悩みの深さを思い知らされた。胃に穴が開く寸前までギリギリのところで踏ん張っていた彼のつらさを思いやることなく、檄を飛ばした自分の浅はかさを悔いた。恥じた。私は相談を受けることが非常に多いが、これまでこうして相談者を傷つけてきたこともあったに違いない。

 だからといって、相談を一切受け付けませんというわけにはいかないだろう。Aの家族を含めて、今現在、頼りにしていただいている方たちは少なくないからだ。また、人伝に私に相談を持ちかけてくる方たちも後を絶たない。ただ、自分がやることで知らず知らず相手を傷つけてしまう可能性が常にあることを肝に銘じていかねばならない。相談されると言うことの難しさを教えてくれたAの入院であった。