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小沢ワンマンショーの始まり

2006-04-11 00:28:55 | Weblog
 小沢体制の顔ぶれを見てどう思われただろうか。あちこちで聞く小沢評は、TVで聞かれるものも含めて大方好意的だ。「小沢さんも変わった」などという声もある。

 小沢新執行部が前原体制をそっくりそのまま受け継いだことだけを取って、小沢さんの姿勢の変化を言う評論家がいたが、私は思わずTVに向かって「アホか」とつぶやいてしまった。

 小沢氏は、どうでもいい場面で前に進み出る人ではない。これは自民党時代から言えることだ。ひと言で言えば、風林火山を信条にする政治家であり、平常時は「徐( しず)かなること林の如く、動かざること山の如し」と泰然自若を装う。自分の出番が回ってくるまでは、余計な動きはしない。今回の代表選でも菅陣営が動きを見せるまでは水面下の動きに終始した。

 そして、「いざっ」と出馬の時期を見極めると、「疾(はや)きこと風の如く、 侵(おか)し掠(かす)めること火の如く」と一気呵成に攻め立てた。それが、あの190名もの民主党国会議員を一人ひとり訪ねたやり方に代表される。

 小沢さんは「戦い方」を知り尽くした政治家なのだ。だから9月の代表選までは、一部で言われたような「サプライズ人事」で軋轢を生むようなやり方をするはずはない。それまではほんの慣らし運転で、その間に「使える者」と「使えない者」を見極め、それぞれの値踏みをしていくはずだ。そして、反小沢陣営を安心させておいたところで、9月の代表選に圧勝すれば、その時こそ「豪腕」が振るわれる。菅さんを引退に追い込むシナリオも用意されることだろう。

 自民党の慌てぶりを見ていても、小沢氏がいかに恐れられているかが分かろうというものだ。10日、執行部を引き連れて、小沢氏は国会内にある各政党を訪れた。特に、小泉さんとの握手は一大イヴェントとなった。これもマスコミを意識したパフォーマンスだ。マスコミが自分を取り囲んでいる今が、「自民党に対抗しうる統率力」の持ち主であることを国民にアピールするには絶好の機会と見たのだろう。自民党の幹部が揃う、役員会を狙って乗り込んだ。小沢氏の“奇襲”に自民党幹部たちが一瞬戸惑いを見せたと聞き、小沢氏はしてやったりと思ったのではないだろうか。

 これから代表選までの半年間。小沢氏は自民との対決姿勢を強めてマスコミへの露出をますます増やすだろう。それこそが、党内地盤を固める最良の選択だからだ。そして、代表選で大量得票を得る事ができれば、小沢王国の始まりとなる。そこからは小沢氏のワンマンショーの始まりだ。