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中島らもさん死去

2004年08月04日 | 生活
私がロックオデッセイで はしゃいでる間、生死の境を さ迷っていた作家の中島らもさんが、お亡くなりになってしまった。

故ナンシー関と並ぶ、マイ・フェイバリット・キャラクターが居なくなってしまった(悲)・・・。

“らも”さんは、15日の深夜に神戸で行われた知人のライブを見た後、酒に酔って階段から転落したそうで。
神戸医大病院で緊急手術を受けて、一時は持ち直したが。26日の朝8時すぎ、脳挫傷による外傷性脳内血腫のため、夫人ら親族、事務所関係者らにみとられながら、一度も意識が戻ること無く「まるで眠るように」死去したそうな。

無頼(?)を気取りながらも、ちゃんと身内に見守られて亡くなったのが救いか?事務所関係者も、最近の「お痛」に見放し気味だったろうが。それでもちゃんと掛けつけてたのね(当り前か・・・)。
僚友とも言える“わかぎえふ”さんも、その場にはいらした事でしょうなぁ。

本人の遺志で普通の葬儀は営まれず、翌日昼に親族だけで密葬が行われたそうな。

以前から「オレが死んだ時は、みんなで踊り、歌ってくれ。墓はつくるな」と話していた“らも”さん。
関係者は「追悼ライブのような物を行いたい」「遺骨は、許可を取って散骨したい」と話しているそうな。

面白い人だった。

奇人の部類に属するだろう。兵庫県尼崎に生まれ、名門・灘高へ進学し大阪芸術大放送学科を卒業。在学中に23歳で結婚したが、夫人の実家が養鶏関係である事から、卵には不自由しなかったというエピソードも残す。

広告代理店に勤務後、「かねてつデリカフーズ」の雑誌広告「啓蒙かまぼこ新聞」の“てっちゃん&とうちゃんコンビ”が評判となり、コピーライターとして台頭。

その頃のボツ企画に、墓石販売CMにて三角頭巾をつけた男性が墓下から現れ「居心地いいでっせ~!」と叫ぶってモノがあったという。

テレビ番組の構成・出演でも「探偵ナイトスクープ」を成功に導き。
「らもちちコンビ」ではギターデュオ「ゴンチチ」のチチ松村氏と異様とも言える“まったり”した間での会話を展開。
「な、なんだこの人は!?!?」と多くの好事家の注目を集めた。

また、都落ちしていた女優”わかぎえふ”さんと劇団「リリパットアーミー」を旗揚げ。
演劇面を“えふ”さんに任せて異様な脚本を書き上げて人気を博した。
なお、初期のリリパットには「松尾貴史(キッチュから改名するも本名に非ず)」「ひさうちみちお(漫画家)」らの「化け物班(命名えふ女史)」が出演し、これまた異様な空間を醸し出し。特にキッチュが笑いながら咥えた紙テープをグルグルに引っ張っていく「インドの気違い乞食」は、舞台上で“えふ”さんが素で笑い出す程の狂気があった(あれほど腹を抱えて笑った経験は少ないなぁ・・・)。

「リリパット」は中国活劇を得意としたが、最後の方は“らも”さんの手を離れ、「まっとうな演劇」になって寂しかったな(役者班の方々には申し訳ないが)。

それほど多くの舞台は見ていないが。
洋画「クロスロード」の設定を日本に置き換え、「悪魔に魂を売ってもギターの腕をあげたい少年が、老ブルースマンと共に旅しながら、琵琶法師やノコギリ演奏者(キッチュ)などと対決しながら“ジミヘンの生き帰り”石田長生さんと最後の対決に赴く」ミュージカル(?)「レッドスネーク・ブルース」が印象深い。

“らも”さん演じる老ブルースマンは、ドラゴンボールで言えば「亀仙人」のようなキャラクターで。

面白いだけで無く、シンミリもさせられた名演だったと思う。

そういや、「笑いというのは自分の一部でしかなく、あれは受け手に対するサービス。エンターティメント」とも語ってらしたなぇ・・・。

生来の酒好き・アル中で、TV出演時も自分ペースの間を崩さず「酔って出演しているとしか思えない」とも言われた。

92年、アルコール性肝炎で入院した経験を元に発表した「今夜、すべてのバーで」で吉川英治文学新人賞。94年には、奇想天外な長編「ガダラの豚」で日本推理作家協会賞を受賞。
それまでの博物学的な知識が創作に結びついたという点では、荒俣宏さんに通ずる作家でもあった。

一方、禁酒の試みは何度も行われたが失敗していたようで。

また、失業時代に自宅に集まったヒッピーまがいの知人が持ち寄った大麻やマジックマッシュルームが摘発され(それ系の著作もあった)2003年には有罪判決を受けた事も。

しかし、その後も「牢屋でやせるダイエット」を出版、出所後に「大麻は解放すべき」などの発言を行い物議をかもした(この辺の行動は、ベタで好ましいとは思えなかった)。

最近はミュージシャンとしてライブ活動が中心となり。そのかたわら執筆も行い、自伝的な「異形コレクション短編小説 DECO―CHIN」が遺作となった・・・・と。

酒に酔って転落死ってのも「らしい」気がするなぁ。
キダ・タローさんが「おもろい人やった。今頃、自分が死んだ事も気付かんと三途の川前で『これ、なんの川やろうなぁ」と言ってんちゃいますか」と語ってらしたが。まさに、そんな印象で。

悲しいが、なんか予感はあった。
数年前「初めて刺青しましたわ」とTVで見せた身体は痩せ細っており、色白な肌を露出した前開きの革ベストは、ぜんぜん似合っておらず。

まるで死神のようだった。

前も言ったが、彼は最後まで「不良に憧れた頭のイイ子」だったのでは無いだろうか?(奥さんは大変だったろうなぁ・・・)

享年52才。若い死に、師匠とも言える野坂昭如さんは何を思われるだろうか?

中島らもさんの御冥福を心からお祈り致します。

◆7/28(後楽園ホール)の試合結果
○4R
平敷勇二 TKO1R 渡辺将教
佐々木洋史 TKO2R 堀越 豊
沖野 隆 判定 高野智之
石川秀行 TKO2R 松本 健
白根淳一 TKO3R 和田勝也
馬場 陽 引分 鎌田剛幸
芽原拓朗 引分 小池和博
○6R
成田美海 判定 渡辺昌樹
○8R
三浦数馬 KO1R 高藤敏郎
○10R
鈴木 誠 ナムチャイ・タクシンイーサン

◆8/1(大阪市IMPホール)の試合結果
○10R
小島英次 TKO5R終了 クロンチャイ・ソー・ピアブクーン
松本憲亮 判定 リッチデッチ・ウォーウォラピン
正藤秀明 KO6R パランチャイ・ソーウォラピン

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