あるBOX(改)

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「かぞくへ」を観に行った(2)

2018年03月23日 | 生活
入場が始まり、客席へ。
ミニシアターだから席数は102。

前から順次埋まっていく。



席を確保し開始を待つ。

心情的には「お手並み拝見」。あえて予備知識を
仕入れずに来た。
WOWOWエキサイトマッチの浜田剛史さん的な心情。



以降、あらすじ

主人公は長崎五島出身の旭(あさひ)。
東京でボクサー引退後トレーナーとして暮らす。

同棲している恋人の佳織とは一見順調。
結婚式も計画中。

佳織は祖母の認知症が進まないうちにと準備を
進めるも、孤児で施設出身の旭を快く思わない
母は結婚に反対。

旭は子どものころから兄弟のように育ち、五島で
漁師をしている親友の洋人(ひろと)に、仕事を
紹介するが、それは詐欺話だった…。



責任を感じた旭は洋人を以前に増して気にかけ、
人に心配かけまいとする思いやりが裏目に回る。

「ありがとう。けど、言わん」

ああ、ここで使われるのか…と。
結局このシーンでホロリ。参りました。

…身につまされる映画でした。
客観的には見れんかったです。

出身が近いせいか旭と洋人の方言も全然OKだったし。

男:言わんでも分かってよ。
女:言ってくれなきゃ分かんないじゃない!!

ああ、永遠の課題。人と人、人と時間…
いつも噛み合うワケじゃない。

激情を内に秘めて日常的なシーンを撮り、過剰な劇的
演出も無く作り上げた117分。染みましたよ。



上映後は春本監督と梅田氏が登場してトーク。

説明セリフや回想なし、BGMも…のスタイルは、あえて
そうしたと説明。



キアロスタミ好きの私からしたら違和感なしでした。

個々の性格も、さり気ない仕草や言動で示されていた。
旭は試合で人間変わるタイプだったのかな?

「あの時右打ったら当たったのに」と後に引き摺る選手
だったのかな…。



ドキュメント的手法は…、最近モロにドキュメンタリー
映画の「ニッポン国vs泉南石綿村」を観てるから違和感
ありませんでした。

そして春本監督から「そうそう、お知らせが!」…と。



ユーロスペース・アンコール上映が決まったそうです。
おめでとう御座います。

※最後、ファンの方から花束贈呈がありましたよ。



クラウドファンディングでの決意表明。

私自身も邦画に関して「ヒット小説や漫画の原作付きしか
ないのかよ!こんな企画が通るのかよ」と感じていた。

TVドラマも(一部を除き)、ほぼ同様の印象を受けていた。
※私は鎌田敏夫さんが好きだったので尚更です…

その現状に異を唱えた表現者。覚悟を決めて、打って出た
春本監督。応援するしかないだろう…と確信したのだ。



映画を見て納得した。
決して派手な映画ではない。むしろ淡々としている。

それゆえに感情の機微がこちらに伝わる。
次回作の話もあった。



内容までは語られなかったが、自信を持って着手可能
でしょう。

多くのファンが楽しみにしています。

いや、それ以前に関東から広がっていく「かぞくへ」
上映の輪が華やかならんことを。

アンコール上映の成功を、ささやかながら祈らせて
いただきます。


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