あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

やっと寄席の初席に行った⑤

2005年01月16日 | 生活
そして主任(トリ)の橘家圓蔵師匠。

すっかり大御所となられて、恰幅も良くなられてるのだが。
あんまり、裕福そうな圓蔵師匠ってピンと来ないんだよなぁ・・・。

恰幅よくても偉くなっても、持ち味は「馬鹿馬鹿しさ・くだらなさ」の人なんだから。
いじられてナンボ・・・の人なのに。

太ったら声にも悪いですよ、首に付いた贅肉で声帯が圧迫され、発声が篭ってるのがアリアリだから(岡村靖幸ちゃん、V・モリソンさん、聞いてる?)。

――ただ、偉くなっても「いじられキャラ」を自覚されてるのが円蔵師匠の偉いトコ。

「三が日、末広亭に出たんですが、お客さん満杯でね」
「でもヘンな人がいて、前の方の席から『へたくそ!』とか言ってくる人いたんですよ」
「何度も言ってくるから、やり辛いし困ったけど、「まぁ『ヘタ』と言われちゃその通りだから仕方ないけどな・・・とか思いながらやってたら、その声の主が帽子を目深に被った談志さんでね」
・・・と弄られネタを話始められた。

思わぬ「談志ネタ」に私は大喜び。
仲いいからね、なんだかんだ言って。志ん朝、円楽、円鏡で「若手四天王」なんて言われてた時期あったからね。

みんな偉くなって、志ん朝師匠も亡くなって(ホント惜しいよ・・・)。
ガキみたいに はしゃいでられなくなった。

でも歌舞いてくれたね、家元。

「昔は噺の途中で、マイクの配線直す業者さんが現れてね、ず~っと舞台の床をトンカチでコンコンやるんですよ」
「顔見ると談志さんでね、お客さんは『なんだ、この作業者は』って顔してるし、私も『なに、談志さん』って言ったら負けだから最後まで言いませんよ」
・・・とも続け、そんな円蔵師匠に私は大喝采。

間抜けなタイコ持ちが、行きずりの旦那を掴まえて鰻屋で奢って貰おうとするも、まんまと逃げられるっていう「鰻の幇間」を演じ、追い出し太鼓が叩かれる中で頭を下げる円蔵師匠。

少ない客でも、一生懸命演じて貰いました。
談志家元は普通の寄席落語をコケにされますが(まぁ、ホールを満杯にする家元が居なくなったら落語界も灯がほぼ消えると思うが)、定席の寄席も良いもんです。

今回、改めてそう思いました。

正月が来た。そして終わった。
さぁ、2005年だ。

やっと寄席の初席に行った④

2005年01月16日 | 生活
今年、正月気分が無かった理由は他にもあり。

「爆笑ヒットパレード」を見れなかった事。
これも留守録すれば良かったのだが、放送時間は長いしDVDレコーダーの容量少ないし、新しい芸人さんに馴染み無いし・・・で止めといたんだなぁ。

数年前のは面白かったが(ダウンタウンとか司会してた時には松本のコメントがキレまくってたし。爆笑問題が司会の時は、浅草キッドとヤラセ喧嘩やってて面白かったし)。

まぁ、正月から「いとし・こいし」「セントルイス」が見れるのが嬉しかったし(もう見れないのが寂しいが)。
若手目当てで来てたコギャルが「いとこい」さんのネタで「おぉ~!」とか驚くのが面白かったなぁ。

そんな中、やはり登場した漫才師「昭和のいる・こいる」さん。
もう50は越えたというベテランで、格好もお揃いのブレザーにネクタイという「昭和」の漫才師さんなのに。

こいるさんのボケはスピード感にあふれ、のいるさんが横で話を振り終わる前に「ハイハイハイハイ」「そっか・そっか・そっか」「あ~、そりゃ大変だ、大変だ」と喋りまくり。

「うるせぇんだよ!オレの話、聴いてないだろ、オマエ!」と肩をバンと叩かれても「あ、そっか。わりぃな・わりぃな」と畳み掛け。

「ほんとに悪ぃと思ってんのか?」と突っ込まれても「あやまってるじゃないよ」「ね、こういう時には、とりあえず あやまっとけばイイんだよ」と客席に話し掛け。

「とりあえずって何だよ!誠意が感じられないな」と怒られても(のいるさんが本気で怒ってるようでヒヤヒヤするんだよなぁ・・・)
「ハイハイハイハイ、スイマセン、スイマセン」と頭を下げて両手を顔の横で上下。

この動きに若い子も爆笑。
客を選ばない話芸・動き芸に、ひたすら感激させて貰ったもんだが。

今回の寄席でも、舞台上は出て来られた瞬間から「のいるこいるワールド」(私は登場から大拍手)。
もう、これを「待ってました」とばかりに場内は大笑い。
ちなみに出囃子は「幸せなら手をたたこう」。三味線などで奏でられる同曲は、実に お2人に似合っている。

のいるさんの「我々が子供の頃はね・・・」のネタ振りにも「あ~、子供の頃ね」「どうだってイイけどね」「あ~、そっか、そりゃ良かった」「しょうがねェ・しょうがねェ・しょうがねェ!!」「そんなもんだ、そんなもんだ」
・・・とひたすら気持ちのこもっていない合いの手を入れ続け。
またしても、のいるさんキレる・・・みたいな漫才が続く。

すごいわ。
キャリアとしては「昭和41年、獅子てんや、瀬戸わんやに入門」ってんだから古い古い。

それでも、こいるさんの話すスピード感は益々上がっているんじゃないだろうか・・・って程で。

「笑点」などTV番組でもネタ披露されてるから、も少し細かくチェックするか・・・なんて再度思わされました。
あと「浅草演芸場方面がメインで出てるコンビだから、あっちにも足伸ばすか」とか。

あと、昭和こいる師匠(リーゼントのモンキー顔の方)は現在のお住まいが北区赤羽ってんで。
たしか、あの辺でスナック経営されてたと思うが(その名前が「スナックもしもし」・・・いちいち面白いよ、こういう人)。
そっちにも行ってみたいねェ・・・。

今回は短くまとめられてるが。場所によっては長尺モノもOKで。
客層に御年寄り多かったら、のいる師匠が得意の民謡を聴かせて「客を選ばない」ところを見せてくれるのだ。

TV番組で若手に「受けなかった客のせいにしな。『今日の客は自分達に会わなかったんだ』って思えよ」・・・なんて優しくおっしゃっていたが。
自身は「一切、客を選ばない」んだから。凄いよ、この人ら。
まぁ、コンビ名の由来は『乗り越える』からだそうなんで、舞台じゃイイ加減に振る舞いながら、実際は真面目な人たちなんだろうなぁ・・・。

そして、客を選ばないどころか多芸でもあって。過去に「一気酒/のろけ酒」なんて歌物レコードをリリースしてらっしゃるし(笑)。

ネタ方面でも、CD「そんなもんだよ しょうがない」を‘01年1月にリリースし、これは「のいる・こいる」ファンに絶大な人気だそうな(私も買わなきゃな)。

映画方面も、今春公開の「タナカヒロシのすべて」なんて映画に出演されるし。
その出演者が「主演:鳥肌実」「出演:加賀まりこ、伊武雅刀、ユンソナ」なんて凄いメンツで!
「鳥肌主演で、のいるこいるさんも出てるのかよ!」とワタシャ驚くやら嬉しいやら。

DVD作品でも「トーリ」とかいうのに出演。 ドラマ、ドキュメンタリー、アート、アニメなどバラエティー豊かな短編5作。なんと、監督は浅野忠信!
初監督作品で、のいるこいる師匠を使おうなんてヤるじゃねぇか!!

今年もますます「のいるこいる」さんから目が離せない。
そんな気がした新年でした。

やっと寄席の初席に行った③

2005年01月16日 | 生活
しかし、寄席の方もコンスタントに行かなくなって久しい。
すると、前座だったり二つ目だったりした人が昇進して改名してたりするのに気が付かず。

三遊亭白鳥さん、「どっかで見たなぁ」なんて思ってたら三遊亭新潟じゃねぇかよ!!(言うまでも無く、新潟出身だから「新潟」と名付けられた)

やべぇなぁ・・・。

しかし前回「素敵なメンツ」なんて言ってるが、殆どの人を知らないオレ。

しかし、舞台で食ってる人ですからね。芸はあるんですよ。知らなくても、出てきた人が面白くて芸があればイイのです。

「粋曲」の柳家紫文さんなんて、初めて見るが語り口は「粋」だし三味線は上手いし。
まぁ、座布団上で「謎掛け問答」弾き語りするようなネタなんですが。
時折、舞台裏から太鼓の伴奏などあって。出番終わった太鼓がバチを落として話を邪魔してもアドリブで切り返すし。

噺家さん以外も寄席は楽しい。元々は落語がメインで、それでも偶に毛色を変えて お客が飽きないように席亭さんが挟んだのが「色物」と言われる芸人さんで。
寄席の出演者一覧に「落語は黒、その他は赤」で書かれた事から言われ始めた言葉だそうだが。
「色物のくせに!」なんて言われ方もあるが。その辺に古典芸能「落語」のステイタスが感じられるが、いまや「色物」さんも立派な芸人さんで。
私なんざ漫才師さんも落語家さん同様に尊敬してますですよ(ちゃんとした人に限るが)。

逆に言えば、落語家2~3人で代わる代わる演じる落語会では味わえないカラフルさ。こちらが寄席の醍醐味とも言える。

金原亭馬生、春風亭正朝、古今亭志ん五・・・と馴染みの名前が続き(談志家元とか「名匠・馬生の名前をあんなのが継いで・・!」と言いそうだが)。
仲入り(休憩)挟んで、林家たい平さんも登場。
「今日は全員が御祝儀もらえるってんで、楽屋一同、楽しみにしてたんですが」と「林家」ならではの客席をイジりを見せ(御婦人、「いやいや、そんなワケじゃ」と笑顔で否定)。

まぁ、オレなんて「御祝儀」なんて考えないからなぁ・・・(←イイ年なんだから、ボクシングの興行でも「激励賞」くらい出せよ!)。

夜も8時を過ぎ。
橘家半蔵さんの落語の次は、いよいよお目当ての漫才師「昭和のいる・こいる」さんの登場だ!!

――以下、続く

やっと寄席の初席に行った②

2005年01月16日 | 生活
10日過ぎたら中席だっての。

・・・と、自身で突っ込んどいて(笑)。
年末年始、仕事だ風邪だと気分も何もなかったんで。

昔はボクシングの後楽園ホール最終興行の終了アナウンス「今年の興行は、これで終りで御座います。一年間ありがとうございました」で年末を感じ(木村七郎会長の時、「お客様もお手を拝借、ヨ~ォ!」と“締め”やったよなぁ・・・。あれに参加したのが嬉しかったんだよなぁ。去年とかヤったのかなぁ・・・)

そして、新年一発目の興行で、振る舞いの「樽酒」飲んでイイ気分ってのも良かった。
今年は如何だったのでしょうか?

――そんで。
寄席で大神楽でも見たら気分出るだろうと出かけたんだが。
客席はガラガラで、すっかり いつもの寄席に戻っていた。
三が日は満杯で落語家さんも慌しく、噺をじっくり聴ける状態では無いのだが。
せめて6日か7日には行きたかったな。
それくらいが、客席も程よく埋まってて空席も少しあって、場内に正月気分もあってイイのだが。

・・んで、しっかり「今日くらいに来るお客さんが、通ですよ」なんて噺家さんに言って貰ってイイ気分・・・なんてパターン。

まぁ、今回も しっかり言ってくれたが。ここまで「通常に戻った」寄席に新年気分を味わいに来るってのは、「通」と言うより「物好き」って感じで(笑)。

それでも、舞台に上がる芸人さんから次々と「あけましておめでとうございます」と言って貰うと「あぁ、新年なんだなぁ・・・」とホッとする。
やっとオレにも新年がきたなぁ・・・と。

元旦は大晦日の仕事&お疲れビールで爆睡。起きてもCS留守録した「年末洋楽番組」留守録ばっかり見てたから。
その司会者さんが「今年も、いよいよ終わりですね」なんて言ってるのを元旦深夜に見てるから、気分も何もあったもんじゃなかった。

太神楽は「寿獅子」で。 
笛や太鼓に合わせての獅子舞ですな。例によって目出度く舞って、毛繕いして足噛んでの身振り(寝るのは無かったな)。
最後は「おめでとうございます」の垂れ幕咥えて喝采あびる。

その獅子の口に「ご祝儀」を渡す御婦人あり。
いやいや、素敵な風景だ。日本の正月だ。

――以下、続く