日々の泡

こころに浮かんでは消え、消えては浮かぶ
日常のありふれた風景をスケッチ

この夏の野火、わたしの・・・

2015-09-15 10:54:07 | 日々
今朝の朝日新聞’ひととき’より「孫と映画を見た夏」との投書を見つけ、心がほっこり。

夏休みに高校2年の孫に誘われて映画を観に行ったというおばあちゃん。
学生さんらで満席の館内。孫が見たいと言った作品は、大岡昇平の「野火」。
(お孫さんは、作品の詳しい内容までは知らなかったらしく)映画がはじまると、時に耳をふさぎ目を覆い「怖い、外に出たい」と、声を奮わせていたそう。おばあちゃんは孫の手を握り、頭を寄せ合い涙を流し、なんとか見終わったそう。終わって孫は「この映画に誘って悪かった」と気にしておばあちゃんに声をかけた。
「でも見てよかった」と。

おばあちゃんは「(誘って悪かったなんて)とんでもない。」と言って、おばあちゃんのお父さんが戦争に行って、南の島で死にかけて、なんとかジャワ島に着いて助かった話を孫にしたそうです。・・・そして
「あなたのような若い人と一緒に映画を見られてよかった」と。
二人でひとつになって映画を見た今年の夏は忘れられない、と投書は結んでありました。

ワタシも7月25日の初日は、今は東京で働く息子と一緒に「野火」を見ました。
山形での上映は9月18日まで。ワタシも今年、あと一回は見たいと思っています。どんなに泣いたって、目をつぶったって耳を塞いでも、暗闇ですもん、大丈夫ですよ。多少見終わって顔が変になるぐらい(笑)「心に焼き付けたいの」
戦後70年。忘れられない夏。いつまでも戦後、と呼べる時代が続きますように!