先日、8年ぐらい前にダイニングテーブルと椅子をご購入いただいたお客様がご来店され、座面の張替えと、新たに息子さん用の椅子をご注文して頂いた。まだ小さかった息子さんも大きくなり、みんなと同じ椅子を使いたいとのことだった。
お店に入ってきて、ご主人様が「覚えてますか、ご無沙汰しています。椅子を1つ追加しようと思いまして。」
奥様 「どれだったかな・・・」 昔より椅子の数もかなり増えたので、店内をぐるりと見渡す。
私 「これですよね。」 ご購入いただいたのは宮崎椅子製作所のPePeチェアー
奥様 「え!よく覚えてますね。ビックリです。」
私 「A様は私がお店をやりだした初期のころのお客様でして、とても印象に残っているんです。」
初期のころのお客様という言い方にA様も笑っていたが、私がサラリーマンをやめ家業を手伝いはじめたのが2000年。私が入る前のお店は、いわゆるどこにでもある町の家具屋さん。最初の数年は何も分からず試行錯誤で、お店作りや新しいメーカー探しなど色々やっていた。少しずつ商品も増えてはいったが、まだ明確なお店の方向性なども決まってなくて、なかなか売上げも安定しなかった。「自分がいいと思っても、お客様はいいと思わないんじゃないか。」 「方向性が間違っているんじゃないか。」 そんな中、A様のようなお客様にわざわざ市外からご来店頂きご購入いただいたと思う。
「私の方向性は間違っていなかった、A様のようなお客様を相手にしていけばいいんだ!」 そんな喜びと少しの自信を感じたのを覚えている。
当店を忘れないで頂いて、きっと家具にも満足してお使い頂いているんだろうな。
ありがとうございました。