いつも思うことがある。例えば郊外の新しく宅地造成された大型の住宅団地に納品に行く。一軒一軒、こだわって建てたであろう真新しいすてきな家が並ぶ。何十軒、いや何百軒あるだろう、とても大きな団地だ。当店ではこの団地に納品に来るのは初めてだ。
「いったいみんなどこで家具を買うのだろう?」
できることなら一軒一軒訪問して買った家具を見せてもらいたいぐらいだ。例えばピンポーンとインターフォンを押してこう聞くのである。
「家具はどこで買ったんですか?」
「〇〇さんですけど・・・」
「そうですよね、あそこ有名ですしおしゃれな家具がありますよね」 「ところで荒川家具って知ってますか?鹿沼市にあって、結構いいものが置いてあると思うんですけど」
「知りません・・・」
「そうですよね、突然すみませんでした、もし何かありましたら」
「はぁ・・・」
どれぐらいの人が当店を知ってるのだろう。多くはないよな、ほとんどの人が知らないのかもな。宣伝と言う宣伝はほとんどしてないし、かなり分かりづらい所でもあるし。
仮に知っていたとしたら、うちに来たことはあるのかな。来たとしたら何で買わなかったのだろう。イメージが合わなかったのか、接客が悪く、的を得なかったのか。予算が合わなかったのか。とにかくお客様の気持ちを掴めなかったのだろう。すべてはお客様が決めることだ。
前に読んだ本で「お客様の買いたいのスイッチを押す方法」という本があったが、本当に背中あたりにそのスイッチがあれば簡単なんだけどな。それをポチッと押した途端にお客様が「このソファーください」なんてね・・・子供みたいな妄想しました。