家具屋という職業柄、部屋をいつもきれいに保つようにしなきゃと思い、収納に関する本をいろいろ読んだ時期があった。辰巳渚さんの「捨てる技術」を前に読んだとき、そこには 迷ったら捨てる というようなことが書いてあったと思うが、なるほどと思い実行した。収納棚にあるしばらく使ってないものなどを捨てた。妻の物も捨てた。それに気づいた妻がブチキレた。「何で勝手に捨てるの」 「いや、使ってないと思って、やっぱり半年以上使ってないものはどうせ使わないし、とっておくと物が増える一方だし・・・」 「あなたのものはちゃんととってあるじゃない、この本ほとんど読んでないでしょう」 「・・・・・・」 確かに自分の思い入れのある本など隅っこにしまってある。その後自分を正当化するためあーだこーだ言ってけんかした。それから数年たって今度は子供の物が増えだした。子供の価値観は妻以上に厄介だ。私から見ればどう見たってゴミにしか見えないものが、大切なものだったりする。買ったオモチャのほかにも、ファストフードで貰った物、親戚からのお下がりのオモチャなど、増える一方だ。前に、このオモチャは遊んでないから、もう覚えていないだろうと思い捨てた時があった。2,3日たって娘が「ママ、あのオモチャどこやった」と探しだした。やばいと思いしばらく黙っていたが、結局バレてしばらく攻められた。
一人暮らしであれば何の問題もないのだが、家族がいるとそうも行かない。しまったり、捨てたりするのは簡単だが、価値観を変えるのは難しい。私のように妻との間に大きな価値観の隔たりがあるとなおさらだ(笑)。けんかしながら部屋をきれいにしてもしょうがないとも思う。だから私の中で収納問題は、例えば地球温暖化の問題と同じくらいの難題なのである。