荒川家具 店主のブログ

ほとんどが私事、たまに仕事、素直な気持ちを書きます

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収納問題を考える

2011-08-30 | 店主のひとり言

家具屋という職業柄、部屋をいつもきれいに保つようにしなきゃと思い、収納に関する本をいろいろ読んだ時期があった。辰巳渚さんの「捨てる技術」を前に読んだとき、そこには 迷ったら捨てる というようなことが書いてあったと思うが、なるほどと思い実行した。収納棚にあるしばらく使ってないものなどを捨てた。妻の物も捨てた。それに気づいた妻がブチキレた。「何で勝手に捨てるの」 「いや、使ってないと思って、やっぱり半年以上使ってないものはどうせ使わないし、とっておくと物が増える一方だし・・・」 「あなたのものはちゃんととってあるじゃない、この本ほとんど読んでないでしょう」 「・・・・・・」 確かに自分の思い入れのある本など隅っこにしまってある。その後自分を正当化するためあーだこーだ言ってけんかした。それから数年たって今度は子供の物が増えだした。子供の価値観は妻以上に厄介だ。私から見ればどう見たってゴミにしか見えないものが、大切なものだったりする。買ったオモチャのほかにも、ファストフードで貰った物、親戚からのお下がりのオモチャなど、増える一方だ。前に、このオモチャは遊んでないから、もう覚えていないだろうと思い捨てた時があった。2,3日たって娘が「ママ、あのオモチャどこやった」と探しだした。やばいと思いしばらく黙っていたが、結局バレてしばらく攻められた。

一人暮らしであれば何の問題もないのだが、家族がいるとそうも行かない。しまったり、捨てたりするのは簡単だが、価値観を変えるのは難しい。私のように妻との間に大きな価値観の隔たりがあるとなおさらだ(笑)。けんかしながら部屋をきれいにしてもしょうがないとも思う。だから私の中で収納問題は、例えば地球温暖化の問題と同じくらいの難題なのである。

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読書

2011-08-20 | 店主のひとり言

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速読、乱読、熟読。  私は積読(つんどく)です。

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一生もの

2011-08-07 | 店主のひとり言

「一生ものですよ」 われわれ家具屋とか高額品を扱うお店などで、よく聞く言葉かもしれない。(私はこの言葉はなるべく使わないようにしている) 一生ものとは色んな意味合いがあると思うが、死ぬまで壊れないで使えるということだろう。しかし、壊れないから一生使うかというと、そうとも限らない。若いときはいいと思って購入したが、年を取り筋力などの低下から使いづらくなってしまったとか、例えば豪華なガッチリとしたつくりのダイニングチェアーが重く感じるようになって毎日が大変だとか。また、単純にデザインが気に入らなくなったとか。気に入らなくなったものは粗末に扱われやがて処分されてしまうかもしれない。

物には3つの寿命があると椅子研究の第1人者 織田憲嗣先生がおっしゃっていた。1つは素材の寿命、2つ目は構造の寿命、この2つは、いい素材でしっかりと作られていて壊れにくいという物理的なことだ。そして3つ目がデザインの寿命だ。機能を無視したデザインだったり、ただ流行を追いかけたものだったりではやがて粗末に扱われてしまうだけだ。私もいつも飽きのこないデザイン、機能美を重視して商品を選んでいるつもりだ。派手さはないけどじんわりと良さが伝わってくるもの。無地の白いシャツのような、何にでも着まわせて、ガンガン着込んでも愛着のわくようなもの。これからもそういうものをご紹介していきたい。

少し矛盾しているように聞こえるかもしれないが、家具を買おうとするとき「一生ものだ」と考えて買わなくてもいいと思う。今の世の中、生涯の伴侶を選ぶ結婚でさえわりと簡単に解消する時代だ(笑)。冗談はさておき、もし、ずっと使っていた家具が必要なくなったら、その家具がいい家具だったらまた次の使い手がすぐに見つかると思う。その人での役割を終えてまた次の新しい環境で使われ続けていく家具。当店で取扱うビンテージ家具もそうだ。北欧の国での役目をおえ、半世紀たって再び日本で使われていく。当店でそんな家具の継承をこれからも担っていけたら素敵だと思う。

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