お祭り最終日の夜、かるく打ち上げで飲んでいた時、うちの若衆頭がポツリとつぶやいた。「お祭りが終わっちゃったよ、お祭りが終わっちゃった・・・」 この人本当にお祭りが好きなんだなと思った。頭は飲食店をやっていて、本来なら稼ぎ時のお祭りの2日間、お店は臨時休業。若衆の食事のお米も炊いてあげて、それもすべて寄付。女将さんも息子さんも娘さんも家族全員お祭りに借り出されている。まあ、お祭りが好きだからと言うのもあるけど、なかなかできることではない。器のでかい人だなと、いつも思う。
お祭りは子供のころの遊びを、そのまま大人になってもやっている感じに似ている。私の町内のお祭りは彫刻屋台(山車)を組立てる所から始まる。ちょうどプラモデルをみんなで組立てるみたいに、20代から60代の色んな人が、わいわいがやがや言いながら組立てて行く。1年に1回しか組立てないから結構うる覚えで、「あー、それじゃねーよ」 「まちがっちったー」 なんて騒ぎながら組立てる。
それを今度は町で引っ張り歩く。細い道なんか電柱にぶつかりそうになって、「右だ右だ!」「今度は左だ!」 と大声上げながら引っ張る。大きいオモチャを動かしてるみたいだ。
「しきたり」 なんてのがあって、関係のない人からみたらどうでもいい事で、他の町内の屋台に触れてはいけないとか、屋台の列を横切ってはいけないとか、ちょうど子供のころにもそんなような大人には理解できないルールみたいのがあったと思うが、それに似ている。
お祭りが終わっちゃった・・・