お湯の国 日本

美しい日本の温泉地中心の旅記録(おんせん鑑定士:監修) 【記事・映像は著作権、人権保護法等により無断使用を禁じます】

吾輩は猫である(道後温泉)

2007年12月20日 |  ♨温泉地の犬・猫

温泉地に猫はつきもの。何故か温泉地には猫が多い。某温泉評論家は冗談まじりで『猫は温かいところが好きなんだ』と解説。あたっているかもしれない。道後温泉で猫発見、ゆかりの夏目漱石の有名な小説『吾輩は猫である』を想起する。その小説で明治期の東京の銭湯の表記がある。当時の江戸っ子の銭湯事情が良く分かる。

夏目漱石:小説『吾輩は猫である』より
『…まず湯槽(ゆぶね)から述べよう。…幅が三尺くらい、長(ながさ)は一間半もあるか、それを二つに仕切って一つには白い湯が這入(はい)っている。何でも薬湯(くすりゆ)とか号するのだそうで、石灰(いしばい)を溶かし込んだような色に濁っている。もっともただ濁っているのではない。膏(あぶら)ぎって、重た気(げ)に濁っている。…一週間に一度しか水を易(か)えないのだそうだ。その隣りは普通一般の湯の由(よし)だがこれまたもって透明、瑩徹(えいてつ)などとは誓って申されない。天水桶(てんすいおけ)を攪(か)き混(ま)ぜたくらいの価値はその色の上において充分あらわれている。…』

皆さん、どうです?現代からは考えられない衛生状態ですね。都会のなんとも雑駁なお湯事情。
掛流し温泉に入っている皆さんは本当に幸せ者なのですニャン

参照夏目漱石(則天去私)探訪紀行


コメント    この記事についてブログを書く
« 不夜城(道後温泉本館) | トップ | 四陵郭(蝦夷地政府箱舘) »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

 ♨温泉地の犬・猫 」カテゴリの最新記事