7月のカレンダー


早いものでもう1年の半分が過ぎてしまいました。
7月のカレンダーです。

恋戦沖縄[映像記録]
多謝 Kchang
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レスリー・チャン 1988年のお仕事  張國榮純影集


張國榮純影集  Leslie Cheung Stark Impressions
                 Photographed by Kevin Orpin
                 Art Directed by Charles Chau
                 A PBI Publication

レスリーの引退前の代表的写真集。
香港での写真集のイメージを覆す芸術的な編集で話題を呼んだ作品。
香港のファンサイト「サイバーワールド」に当時の明報の記事など
詳しく紹介されています。
またカメラマンの Kevin Orpin のコメント、写真などもあります。
記事はこちら

印象に残った写真とひとこと(クリックで画像拡大)

韓国版アルバム(レコード)「To You」に封入されていた
「To You」の楽譜にこの写真が使われていました。
まだ純影集を見たことがなかった頃、
この写真がとってもお気に入りでした。


レスリーの自宅だといわれています。
それよりもこのインテリア!
家とインテリアに大きな感心を持っていた
レスリーらしいセレクト

ガラスブロックの壁、縦型の白いブラインド
黒で統一されたイタリア製と思われる家具

この椅子も照明もデザイナーズ物
みごとに生活感のないインテリアは
レスリーの好みだったのでしょうか?


写真も光と影のコントラストが効いています

この写真と奥付でどうやら撮影中に映像(Video)も
あるのでは?と思い始めています。
私の勝手な想像でしかありませんが
あったらいいなあ・・・という妄想です(笑)


レスリーの引退後「純影集」は新たなカバーと
レスリーのファンへのメッセージ(手紙)をつけて
「張國榮純影集再版」として再発売されました。

 引退後に発売された純影集再版のカバー表紙





 同じく再版のカバー裏表紙
このカバーには「告別前的一年」としてレスリーの主な活動が
記されていますが、それはそれは殺人的なスケジュールでは
なかったかと想像されるものです。



さて「サイバーワールド」の記事をいくつか読んでみると
この写真集は stark(明確)impressions(印象)と名付けられました
ひとりのアーティストの美と芸術を簡潔に美しく表現するもの。
準備に1年、撮影だけに2週間、撮影されたフィルムは2万枚以上という。
香港では非常に珍しい、商業主義に基づかない
アート(芸術作品)としての写真集を目指して製作されたもの、
また香港の出版界にも新しい道を切り開くものである、ということ。
そして私のイメージとしては、映像を通してレスリーのみならず
香港の都市の一面(イメージ)を表現しようとしているような印象を
強く持ちました。
やはり彼は都市の建物や景観に強い関心があったのではないでしょうか?
それが旧いものであろうと、新しいものであろうと。

ここまで来て、私はやはり 初版「慶」のことを思わずにいられない。
あれは彼が純影集の次に作りたかった作品ではなかったのかと。
日本での「レスリー・チャンのすべて」は純影集の壮年版のような
感覚がつきまとっているけれど、初版「慶」は違う。
使われた写真がすべて(レスリーが写っていないものでも)
中国という国の都市の歴史的なイメージと彼の芸術性を融合させる
力を持った構成になっていた。

新しいアートの可能性をいつも模索していたレスリーの
作品(仕事)らしいな、とあらためて感じた作品でした。


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レスリー・チャン 映画レビュー #19 殺之恋


殺之恋  Fatal Love  
1988年8月11日~8月19日香港公開 
票房(興行収入)5,594,354HK$

監製 : 黄百鳴(レイモンド・ウォン)
監督 : 梁普智
執行導演 : 陳木勝(ベニー・チャン)
音楽 : 林敏怡
主題歌 : 「濃情」(アルバム「HOT SUMMER」収録)
出演 : 張國榮 鐘楚紅(チェリー・チェン) 柏安妮(アン・ブリッジウォーター)

【STORY】
広告デザイナーの曾近榮(張國榮)はある晩、謎めいた美女(鐘楚紅)と出会う。
恋に落ちた曾近榮は彼女を探し求め、思いを告白するのだが
彼女は金のために別の男性の恋人となっていた。
ある日、2人の関係が恋人の知るところとなり危険が迫ってくる。



シネマシティの作品としては興行収入がふるわなかった作品です。
ストーリーに少々無理があるのと、登場人物のキャラクターがいまいち
描ききれていない感じがします。
鐘楚紅が最初はゴーストなのかな、と思わせるも実際は恋愛関係のもつれから
事件が起こってしまうというストーリーは、
前年の「チャイゴ」人気を踏まえてのものなのか?
設定は現代で、れすりーの職業はデザイナーで、
チェリーはきれいなドレスを着ているが、
私が一番気に入ってるのは、チェリーの祖父を訪ねるところ。
普通の格好のチェリーがとっても可愛いし、彼女を見つめるレスリーの
まなざしも暖かく、愛情あふれる感情をよく表現していると思う。


私の好きなシーン
クリックで拡大

TOPの画像は香港版DVD

   
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2ショットシリーズ 番外編#2

この写真は「悪漢探偵5」のレビューで
紹介しようかと思ったのですが写ってる顔ぶれから、
先輩と一緒シリーズと番外編の両方に共通するので
敢えて今日UPしました。
れすりの若いことといったら・・・
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レスリー・チャン コンサートレビュー #3


百事巨星張國榮演唱會(1988年7月29日~ 全23場)






レコードジャケット レコードのジャケット裏  CDジャケット  DVDジャケット
(クリックで画像が拡大します)

1988年の演唱會は百事(PEPSI)がスポンサーとなり、
23日間香港コロシアムで開催されました。
レスリーが香港を代表する明星として人気の頂点で行った夏のコンサートは、
きわめて華やかな演出で、見ている方も心が浮き立ってきます。
香港コロシアムの4面のステージには大勢のダンサーを従えて
ヒット曲が次々と歌われます。
中でも印象的なシーンは映画の主題歌のパート。
チャイナ服やチャイゴのツァイサンの衣装などで歌う演出が
彼のエンターテナーぶりをひときわ印象付けます。
また、前回のKonica演唱會では梅艶芳(アニタ・ムイ)が
ゲスト出演していましたが百事ではアニタが出演できず
「胭脂扣」はレスリーがひとりで歌っています。
そしてオリジナル曲リストには柏安妮(アン・ブリッジウォーター)が
ゲストとして表記されています。
柏安妮は1989年のアルバム『兜風心情』でタイトル曲「兜風心情」を
レスリーとデュエットしています。
彼女は「開心少女隊」というアイドルグループでデビュー、
映画『殺之戀』にも出演しています。

私が持っている百事演唱會のソフトはレコード、CD、DVD、ですが
音声ソフトと映像ソフトでは収録曲と曲順が違っています。
百事演唱會のオリジナルの曲を調べたところ、断定はできないのですが
下のような曲順ということがわかりましたので、
各ソフトと比較してみました。
私はビデオは持っていませんが、映像ソフトはどれも同じ内容だったように
記憶しています。
この件に関してはまだ不確実ですので、どなたか確実な情報をお持ちの方は
ぜひご連絡ください。
ということで、正確な情報が入りましたら記事の更新、訂正もありえます。

オリジナル         レコード・CD        DVD・ビデオ
01)貼身          01)貼身           01)貼身
02)HOT SUMMER  02)HOT SUMMER  02)HOT SUMMER
03)熱辣辣         03)熱辣辣         03)熱辣辣
04)想你          04)愛慕           04)無需要太多
05)無需要太多      Medley           05)愛慕
06)愛慕          05)H2O          Medley
07)打開信箱       06)色午夜        06)H2O
08)儂本多情       07)隱身人         07)色午夜
09)為你鐘情       08)第一次         08)隱身人
Medley           09)STAND UP     09)第一次
10)H2O          10)想你          10)STAND UP
11)色午夜        11)奔向未來日子     11)客途秋恨
12)隱身人         12)客途秋恨        12)胭脂扣
13)第一次         13)胭脂扣          13)倩女幽魂
14)STAND UP     14)倩女幽魂        14)訪英台
15)STORIES       15)訪英台         15)沉黙是金
16)客途秋恨        16)愛的凶手        16)奔向未來日子
17)胭脂扣         17)拒絶再玩        17)愛的凶手
18)倩女幽魂        18)無心睡眠        18)風繼續吹
19)訪英台         19)STORIES        19)無心睡眠
20)當年情         20)最愛            20)STORIES
21)奔向未來日子     21)無需要太多       21)最愛
22)愛的凶手        22)風繼續吹        22)共同渡過
23)烈火邊縁        23)共同渡過
24)不想再擁有      24)沉黙是金
   (柏安妮)
25)有誰共鳴
26)風繼續吹
27)MONICA
28)不羈的風
29)拒絶再玩
30)無心睡眠
31)最愛
32)你在何地
33)共同度過
34)繼續跳舞
35)[多句]了
36)沉默是金
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2ショットシリーズ 番外編#1


最近、いろんな画像を少しずつ整理しています。
その中で見つけた、「これは」というものを紹介します。
中には「え~~~っ」というのもあるかもしれません。
今日は3人で写ってる写真ですがメンバーが面白かったので

 この3人の組み合わせは珍しいかな?と思いました
 クリックすると拡大します。
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2ショット写真 先輩とシリーズ#1


先輩シリーズ(勝手に命名)第一弾は雑誌で見つけたので
あまりきれいな写真ではないけれど
ユンファ兄貴(といっても歳は1歳しか違わないんだよね)と。
後ろの壁には『英雄本色』のポスターが。
 
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SAYONARA to 『欲望の翼』


『欲望の翼」東京最終上映会に行ってきました。
キネカ大森は整理券を配布する前から
たくさんのファンが並んでいました。
受付できれいなリーフレットをもらってロビーへ。
リーフレットには香港関係のライターの方々のコメントも
たくさん掲載されていました。
ロビーにはたくさんの展示が設置されていました。
中には初めて知るようなエピソードなどもあり
皆さん熱心に読んでいらっしゃいました。
映画は立ち見の方もいらっしゃる中、開始されました。

私は『欲望の翼』を何回スクリーンで観ただろう。
かなりの回数は観ていると思うけれど、
毎回新しい発見や好きなシーンが増えて、
これほどスクリーンで観続けたいと願う映画はありません。
今回も同時録音の効果がよくわかるシーンや
どこでロケしたのか確認できたシーンがありました。

王家衛の映画は2人が同じシーンにいても
そのうちの1人は背中のみのショットだったり
ややもすると画面には映っていなかったりなのですが。
同録なので動作音が入る場合レスリーは足音のリハーサルを
何回も繰り返していたとか。
そんなエピソードももういちど映画をスクリーンで見直すことで
確認できるのです。

ブレノンアッシュの篠原さんのトークも時間が短かったのが残念でした。
邦題の『欲望の翼』が誕生したいきさつなども
興味深くお話していただきました。

これで日本での版権が切れてしまったのですが
新しい契約で版権が復活できるよう願うばかりです。
今日の上映会を開催された、
飲茶倶楽部・for Leslie Lovers のスタッフの皆様
ありがとうございました。
上映中は本当に静かに、1秒たりとも見逃さない、
という雰囲気が漲っていました。
終映後の拍手も自然発生的で気持ちのこもったものでした。

 立派なリーフレットです。
 大事に保存しておきたいと思います。



 
 ロビーの展示。
 貴重な写真や資料ががたくさんありました。


 画像はクリックで拡大します。

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レスリー・チャン 『欲望の翼』最終上映に向けて



欲望の翼は監督いわく、最初は2部構成合計4時間の大作となるはずでした。
香港で1990年12月15日~12月27日まで公開された時の広告には
   3千萬黄金製作  
   4百天不眠不休   
   6大巨星破天荒
      携手演出
これだけの製作費と時間をかけたオールスター映画だったわけですが
結局2部を作るには時間がかかりすぎて、1部の『阿飛正傳』だけが
公開されました。
3000万HK$と400日の不眠不休の製作日数をかけて6大スターが競演したのです。
さてこれから先は私の勝手な妄想でフィクションです(笑)
王家衛監督の60年代3部作を勝手につなげてみました。


1962年、チャウ(スマーク)はチャン夫人(スー・リーチェン)と香港で出会う。
チャン夫人の大家のスエン夫人は上海人で上海語で会話する。
作家を目指すチャウは小説の好きなチャン夫人と心を通い合わせる。
チャン夫人は彼にいとこの悲しい恋の話をする。

1960年、マカオから来たいとこは香港で若く奔放な青年ヨディに出会った。
ヨディはいとこに「今夜、夢で会おう」と言って立ち去る。
ヨディは毎日いとこのもとにやってきた。
「1960年4月16日午後3時1分前の1分間」は2人には特別な時間で
いとこはヨディに恋をした。
しかし恋は長続きせず、根無し草のようなヨディはいとこと結婚する気もなかった。
別の女性と一緒にいるヨディをあきらめきれないいとこは
彼の家の前で何時間も過ごしていた。
或る日ヨディは香港から姿を消した。
実母を探してフィリピンに旅立ったという話だった。

チャウはこの話を小説にしようとした。
いとこの名前をスー・リーチェン(チャン夫人)として
スーの夢の中の話のような「脚のない鳥」のストーリーを考える。
2人で楽しい小説創作の時間を過ごしてきたがやはり2人の恋は
続けられるものではなかった。
悲しい恋の思い出がここにもひとつ。
1963年シンガポールの新聞社にチャウはいた。
スーはシンガポールに行くがチャウとは会わずにいた。
1966年のカンボジア、チャウはアンコール・ワットの寺院の石壁の穴に
すべての秘密をささやき、そして立ち去る。

同じ年、香港に戻ったチャウは作家として仕事を始めるが
酒と女とギャンブルに溺れたような生活。
まるでヨディを体現するようなチャウの暮らし。
安ホテルの2046号室の隣2047号室で執筆をする。
彼の周りには彼の記憶を甦らせるような、さまざまな女性が現れ
彼は恋の記憶を呼び覚まされ、小説を書き進めていく。

小説の主人公は彼の思いを反映した若い男で
彼は小説のタイトルを『2046』とした。

 モノクロですが「欲望の翼」撮影風景 
 クリックで拡大




TOPは王家衛監督とレスリー、
フィリピンでのシーンのようです。
あの印象的な後姿で実母に顔を見せず毅然と後姿で去っていくシーンです。

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慶 レスリー イン チャイナ Director's Edition


「慶 レスリー イン チャイナ Director's Edition」 がようやく到着。
仕様は「レスリー・チャンのすべて」と同じような作りです。
ハードカバーになってます。
紙質も以前のものと違って、少し光沢があります。
表紙が最初の「慶」とは違っているので印象は違いますが
中にあったレスリーの言葉などはそのまま残されています。
中国の景色などの写真が少なくなり、新しいトリミングの写真が入ってます。
自転車の写真1枚は最初の「慶」にはなかった写真のようですが。
ざっと見ただけですので確実ではないですが。

画像は表紙のカバー、タイトルの「慶」の文字は銀箔なので
きれいに写っていません。

でもでもこの言葉を読んだらやっぱり胸が熱くなりました。

你又再看不到我敵臉了,其實已再沒有這個必要,
因為我深信你會記得我敵臉,還有我和你共度的時光!

キミにはまた、ボクの顔が見えなくなったね。
でも大丈夫、大したことじゃないさ。
見えなくても、キミはボクの顔を覚えてるに違いないから。
そしてボクたちが一緒に過ごしたときがあったことも、
きっと忘れないだろうから。



きっと忘れないよ、レスリー。


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レスリー・チャン 映画レビュー #18


胭脂扣  Rouge  1988年香港公開
監 製 :成  龍
監 督 : 關 錦 鵬
脚 本 : 邱戴安平/李碧華
美 術 : 朴 若 木/馬 光 榮
音 楽 : 黎 小 田
出 演 : 梅 艷 芳(如 花)/ 張 國 榮(十 二 少 陳 振 邦)/朱 寶 意(楚 楚)/
萬 梓 良(袁 永 定)/謝 賢

第24屈台湾金馬奨    最佳女主角 梅 艷 芳 
                最佳撮影 
                最佳美術指導
第8屈香港電影金像奨  最佳電影
                最佳導演 關 錦 鵬  
                最佳女主角 梅 艷 芳
                最佳剪接
                最佳原創電影音楽  
                最佳原創電影歌曲

【STORY】
新聞社に勤める袁永定(万梓良)は尋ね人の広告を依頼してきた
不思議な女性・如 花(梅 艷 芳)に出会う。
如 花は50年前に亡くなった幽霊だった。
一緒に心中した恋人・十 二 少(張 國 榮)を待ち続けたが
ずっと会えずにいた如 花は十 二 少を探すためにこの世に戻ってきた。
1930年代の遊郭の女性と裕福な商家の跡取りの男性の身分違いの悲恋と
1980年代(製作当時の現代)の若い恋人たちの心の揺れ動く様子を
対比させたようなストーリーになっている。


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胭脂扣 はレスリーのファンの間では、あまり人気がないのは
やはり、アニタが主演の映画という印象の映画だからでしょうか?
ちなみにレスリーは金像奨の最佳男主角ノミネートでした。
ストーリーがなじめないということもあるでしょうが、
この作品は1980年代後半から90年代へと
香港の映画界に懐旧(nostarugia)ブームを起すきっかけとなる作品でした。
こののち、「阿飛正傳」「天長地久」「新難兄難弟」「藍江傳之反飛組風雲」
などの作品が製作される糸口となりました。
(参考「ユリイカ97年5月号)

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