GF*BF

GF*BF 《女朋友。男朋友(GF*BF)》

久し振りに映画カテゴリー更新(というかブログ更新も久し振りw)
シネマート六本木で観賞

昨年の大阪アジアン映画祭で評判がかなりよく観たいと思っていた作品で
東京では昨年5月の第4回AQFF・アジアンクイア映画祭で上映された作品。
この上映時に初めて観賞。今回の一般公開では字幕も一新されていて
より深く作品のテーマを表すようになっていた。

作品のストーリー等詳細は公式サイトでどうぞ

この作品はかなわぬ想いを抱いたままの27年間の3人の男女の物語。
愛情をぶつけ、想いを伝え、それでもかなわぬ気持ちをどうやって自分の中で
収集して消化していくのか。
気持ちを隠し、相手を思いやり友を助け尽くしていても、報われないいらだち。
若い頃、そんな思いを抱いた事のある人は多いのではないか?

台湾の1985年は戒厳令下の時代。
高校生だった3人、美宝・心仁・忠良はすれ違う想いを持ちながらも
多感な時期を厳しい社会状況と家族、高校でのささやかな抵抗と
3人での無邪気なふれあいや美しい自然の中で深い友情と共に過ごしていた。
1990年、民主化運動盛んな頃は3人の関係にも微妙なずれが生じてくる。
新しい世界がそれぞれに広がってくる。
2000年台、再会した3人はかっての美しい自然の中で過ごしていた無邪気な関係は
消え去り、無彩色の世界の中にどっぷりとはまり、身動きが取れなくなっていた。
美宝の姿に自分を重ね合わせ、「鏡を見た。」と言った忠良。
その時社会人になって色がなかった自分を変えたかったのか
学生時代に美宝からもらった赤いチェックのシャツを着て今の恋人に別れを告げる。
美宝と心仁も二人の世界を貫き通すのには、あまりにも過酷な現実が。

時を経て、かわいらしい双子の姉妹の父となった忠良は
二人を心血をそそぎ深い愛情を持って育てた、と言った。
若い頃の何物をも恐れぬ行動は、年齢を経て深い後悔となって
心の中に溜まっている。過ぎ去った過去は後戻りはできない。やり直しも効かない。
苦い思い出ばかりが心に残っているが忠良は
姉妹を育てることで、過去にとらわれず未来に目を向けることが
できるようになったのではないだろうか。
観ている自分も同じように過去にとらわれず
新しい希望を持ちなさい、と言われているような気がした。
せつなさ、苦さ、痛み、優しさ、悲しさ、いとしさ、全ての感情がが心に響く作品。

台湾の緑あふれる豊かな水の渓谷、
高校の水泳部の水のはられたプール、
共同生活を送る屋敷の庭の豪華なプール
昔の高校のプールを訪れるもそこには水のはられていないプールが印象的。

パンフレットも内容充実の『GF*BF』はシネマート六本木他で公開中。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

2013年映画館・映画祭で観た映画まとめ

1月も半ばになってようやくですが、2013年に映画館・映画祭で観た映画のまとめをば…

映画館・映画祭で観た映画の回数:延べ110回
映画館・映画祭で観た映画の本数:91本    
  ※複数回観たものが今年は多かった

2013年好きだった作品(BEST10など決められなかったw)

☆☆  燃えよ!じじいドラゴン 龍虎激闘(2回観た)
☆    奪命金(映画祭では前年観ていたが一般公開で)
☆    恋する輪廻 オームシャンティオーム(2回観た)
☆☆  一代宗師(香港九龍塘影藝戯院にて)

☆☆  胭脂扣(香港文化中心で4月1日に観た)
☆☆   ルージュ(胭脂扣:日本で2回観た)
☆    夢翔る人 色情男女

☆☆   グランドマスター(一代宗師日本公開版:プレミア含め4回観た)

☆☆  楽園の瑕 終極版(東邪西毒 終極版:4回観た)
☆☆  大英雄(射雕英雄傳之東成西就:4回観た)

☆☆  リゴル・モルティス(殭屍:東京国際映画祭で2回観た)
☆☆  激戰(東京国際映画祭)
☆    罪の手ざわり(天注定:フィルメックス)

☆☆  名探偵ゴッド・アイ(盲探:2回観た)

雰囲気で分けてみたw
この中で純粋に劇場一般公開されたのは5本

今年はレスリーが亡くなって10年の記念上映や王家衛作品の再発などで
レスリー出演作もたくさんスクリーンでかかり、何といっても5年越しの
『楽園の瑕 終極版』と『大英雄』広東語音声日本語字幕での上映がトピック。
作品的には『楽園の瑕』の方が好きかもしれないが
念願のスクリーンで観る事ができて感無量。
しかし、王家衛特集上映では『欲望の翼』が買われていなかったのにがっくり…
今後は『欲望の翼』をどこかの会社が再び買ってくれる事を強く願おう。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

20013年1月に観た映画

これは管理人の映画備忘録

【映画館】
1月 5日(土)
『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』(打擂台) 
『大魔術師Xのダブルトリック』(大魔術師)     於:シネマート六本木

1月15日(火)
『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝 3D』(龍門飛甲) 於:TOHOシネマズ六本木

1月31日(木)
『テッド』
『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日間』 於:シネマシティ2

【Blu-ray/DVD】
『ロンゲストナイト 暗花』(暗花)
『デッドポイント 黒社會捜査線』(非常突然)
『ヒーロー・ネバー・ダイ』(真心英雄)
『タクティカル・ユニット 機動部隊 -絆-』(機動部隊-同袍)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

レイン・オブ・アサシン 剣雨

レイン・オブ・アサシン REIGN OF ASSASSINS 剣雨

キャスト: 楊紫瓊ミシェル・ヨー、鄭雨盛チョン・ウソン、王学圻ワン・シュエチー、戴 立忍レオン・ダイ、徐煕媛バービー・スー、余文樂ショーン・ユー、林熙蕾ケリー・リン、郭暁冬グオ・シャオドン
監督: 蘇照彬スー・シャオピン、呉宇森ジョン・ウー
製作: 呉宇森ジョン・ウー、張家振テレンス・チャン
アクション監督: 董瑋スティーブン・トン
撮影:黄永恆 ホーレス・ウォン
衣裳: ワダ・エミ
2010年中国・香港・台湾合作映画

水曜日に新宿武蔵野館で観てきました。
久々にとても堪能できた武俠映画。
武俠小説を読むと、男女の愛情の確執や個人のプライドや劣等感が思いがけない事件や出来事のきっかけとなっていて、思わずそんな馬鹿なーとか突っ込みたくなったりするのですが、
見事にそれを踏襲した武俠映画(褒めてます)
ジョン・ウー監督の古装ものは初めて観たかもしれない。戦いのシーンがきれい。
二丁拳銃ならぬ二刀流使いもいて思わずにやにや。
脚本は共同監督の蘇照彬
スー・シャオピン、《シルク》の監督だと知ってびっくり。
でも経歴を見ると脚本家としてはかなりのものだと思うので、監督としての諸々を
ジョン・ウーから指導してもらったのか、今回はイケてる(笑)

それともう一つ、出演者の顔ぶれとキャスティングが良くできていると思う。
主演の二人を除いて、いつもの役柄とは一味違う役柄を共演者たちが演じているから。
悪役とか敵役とかは今や関係なく、美しく華麗に悪役を演じる、というのも大いに有りだと思う。
レオン・ダイなんか、怪しくて思わずウヒッとなってしまうし、大Sもお色気担当で頑張ってた(笑)
そして王学圻がダースベイダーだった(爆)
香港、台湾、中国(大陸)、韓国という国の違いはあまり感じなくて、
吹き替えも使ってあるのだが、違和感はなかった。
これはネタバレになるので詳しく書けないが、最初は声に違和感あり。
でもここがキーになるので、これから観る方は声にも注意してください。

ヒロインの名前にも雨がついてるし、必ず雨が降る状況でタイトルに「レイン」がついていると
雨だと思うが原題は『REIGN』これは支配するというような意味。直訳すると「暗殺者の支配」
意味が深いのである。映画を最後まで観ていると原題の意味がわかる。

チョン・ウソンのファンの方も観に来てほしい。(もしかしてすでにたくさん観にきてるのかしら?)
香港台湾中国の武俠映画作品もなかなか見応えあるなと思っていただけたら嬉しい。

私が初めて知った韓国人俳優がチョン・ウソンなのだが、
これはもちろんレスリー・チャンとアンディ・ラウ共演の映画《上海グランド》に
チョン・ウソンも重要な役柄で出演していたから。

そして衣装がワダエミさんということで《白髪魔女傳》でのレスリーやブリジット・リンの衣装を
思い起こさせる衣装がいくつかあった。
《HERO》での衣装デザインの流れとは違う、
これはまぎれもなく《白髪魔女傳》の衣装デザインの流れをくんでいると思う。
チョン・ウソンの↓の衣装は

 

《白髪魔女傳》でレスリーが着ていた↓の衣装とテイストが似ている。
ウソンのは編み込んでいるようでレスリーのはパッチワークの技法に似たような感じ

レオン・ダイが扮した火を操る武術家の衣装は↓

 《白髪魔女傳》では呉鎮宇演じる双生児の衣装と雰囲気が似ています。
どちらも怪しげでまがまがしい雰囲気ぴったり。

日本の公式HPはこちら
中国の官方網站はこちら

新宿武蔵野館では『レイン・オブ・アサシン』から4作香港アクション作品の公開が続き、
4作品を観るとそれぞれのポスターをプレゼント、というキャンペーンをやってます。
もちろん4作品とも観るつもりではありますが、ポスタープレゼントは嬉しいです。

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

香港電影天堂SPECIAL と2月のMATV

香港電影天堂SPECIAL

◆GWにシネマート六本木(その後大阪でも開催)で                                                 香港映画のリバイバル上映があるそうです。ラインナップがすごいことになってます。                                                                           

詳細は、もにかるさんの  HongKong AdictBlog と シネマトリビューンCINEMA TRIBUNE へ

※香港電影天堂SPECIAL 公式ページはまだ出来ていませんがまもなくOPENするでしょう。

とりあえずレスリー関連作品だけですが… (上映は全作品デジタル上映だそうです)                                    

男たちの挽歌                                                  男たちの挽歌Ⅱ                                                              狼たちの絆                                                             チャイニーズ・ゴースト・ストーリー                                     チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2 

この他ユンファやりんちぇの80・90年代の代表的な作品が上映されます。                                 また作品はまだ増える可能性もあるそうです。タイトルだけ観ていても涙が出そうです。                   スケジュールとイベントは後日発表になるそうです。                                                 

※またMATVでも2月は                                                                 チャイニーズ・ゴースト・ストーリー                                                   チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2                                                  狼たちの絆                                                                        ルージュ                      が放映されます。                                                                     

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

パティシエの恋  中国映画の全貌2010





パティシエの恋

2005年 香港 監督:盧弘軒(アンドリュー・ロー)、李明文(モーリス・リー)

林嘉欣(カリーナ・ラム)、鄭伊健(イーキン・チェン)、
胡兵(フー・ビン)、曾志偉(エリック・ツァン)

香港のイタリアンレストランが舞台。
ジル:林嘉欣は医師のチーオン:胡兵の恋人と自認しているが、
彼にはジルが一番の女性ではないようだ。
レストランのチーフシェフ、ジェイソン:曾志偉は引退しようとしていた。
後継者としてジャック:
鄭伊健を選んだ。
ジャックもまた、彼女に二股をかけられていて、恋の行方はお互いに混沌としていた。

美味しそうなイタリア料理やデザートがたくさん出てくるのだが
香港ファンとしては広東料理や中国料理のレストランが舞台だともっと良かった、
と思ってしまった。
舞台は主に香港島、中環か?どこかで見たような坂道が出てきます。

そういえば林嘉欣らむちゃんは映画会社との契約満了で、
引退してカナダに住む家族の元に行く、という記事をこの夏に目にしました。
學友さんと共演の《男人四十》やレスリーと共演の《異度空間(カルマ)》、
ニコやリウ・イエ、イーキンとも共演。
共演陣にも恵まれていたし、本人もとてもかわいい子だったなあ。
考えてみれば香港映画に出ている女優さんの中で一番本人と遭遇した回数が多い。
引退はとても残念。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

殺人犯



殺人犯 (原題:殺人犯Murderer)

2009年香港

監督:周顯揚
出演:郭富城、張鈞、張兆輝、陳觀泰、錢嘉樂、何超儀、黄又南、譚真一

スプラッターや残酷なものや血みどろは嫌い。
でも日本で公開された貴重な香港映画ならやはり観に行かなければ…
と観に行ってみれば、小さいスクリーンながら一番前のほうが指定席で大変困った。

とともに観終わったら感想はなんて書けばよいのか、今度はそれで困った。
サスペンス映画で一番困るのは、
最後にストーリーの鍵になる人物にすべての謎解きを語らせてしまうこと。
この作品は心理的な要素を多く取り入れたサイコサスペンスの範疇にはいると思うのだが
謎解き後、主人公の人格が変わっていく様を表していきたかったのはわかるが
あの説明は「それはあまりに無理があるのでは?」と思ってしまう。
その思いが最後まで未消化で残ってしまった。

出ている俳優はいい俳優が多く、またロケ場所に選ばれたところも
いかにも香港らしい街中の建物や、香港とは思えないような郊外の
とても印象的な水辺など、ビジュアルはとても良かったし、テーマも面白いと思ったが
脚本はもう少し最後の詰めをきちんと描いてほしかった。
郭富城も怖くて(笑)良い。心理的に追い詰められていくところもうまい。
張兆輝も何超儀も出てるのに、あまり活躍する場もなくて残念。
周顯揚監督は初監督でこれからだと思うが、とても恵まれた監督デビューなので
ちょっと残念だった。次回作に期待。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

九月に降る風



九月に降る風 (原題:九降風)

2008年 台湾・香港
監督:林書宇
プロデューサー:曾志偉
出演:鳳小岳、張捷、王柏傑、初家晴、林祺泰、沈威年、邱翊橙、李岳承、紀培慧、曾志偉

1996年の夏、9人の高校生をめぐる物語。
舞台は台湾の新竹、7人の男子高校生は遊び仲間、
リーダー格の3年生イェンと付き合っているユンと
イェンと同級でユンに思いを寄せるタン。
1年生男子二人をブラスバンドに誘うペイシン。
2年生のヤオシンとポーチューは兄弟のように仲が良かった。

7人の男子は新竹野球場で台湾プロ野球のスター選手廖敏雄を応援したり
夜、学校のプールに忍び込んで泳いだり、学校近くの木の下でたむろしたり、
青春の一時期がいつまでも続くような眩しい季節だった。

しかしそれぞれの個性と抱えている家庭環境の違いは少しずつ、
彼らを大人にしていくとともに、
いつまでも続くかと思っていた友情にも微妙な影を落とし始めて行った。

台湾の風景が良い。
まだ携帯電話もなく、ポケベルが重要な連絡手段だったころ。
わずか15年ほど前の話なのに、イメージは自分たちの高校時代と重なってしまう。
高校生たちの制服が懐かしい。
そして少しばかり重要なキーポイントになる。
胸の高校名と学籍番号と氏名の刺繍は学年ごとに色分けされていて
一目でどこの高校の誰であるかわかるようになっていて、
なんだか自分たちの高校時代を思い出させる。
屋上で昼休みにつるんでいる仲間たちと、意地になって自分から仲間と離れていても
それがかえって疎外感を助長させるところなど共感できる。
リーダー格のイェンは明るくてかっこよくてそれゆえ強引なところもありわがままでもある。
裏返せば彼がまだ精神的には子供であるということ。
反対におとなしく優等生のタンは精神的には大人だがまだ踏み出せなくて
もんもんとイェンのことを羨ましく思っていた。

ある事件をきっかけにイェンはこの世を去り、野球とばくで廖敏雄も球界を追放される。
学校を辞めていった友もいる。
時が経てば今の状況は変わっていき、みな大人へと成長していくもの。
その時間が大事だったと気付くのは大人になってから。

同年代の学生も大人も観てほしい一作。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

深海 Blue Cha-Cha



もう梅雨明けか、と思われる晴天の中、毎日忙しくしている管理人。
本当にバタバタと時間だけが過ぎていき、ブログの更新もなかなか…(言い訳・笑)

昨日「ルビコンの決断」という番組を録画して観ていたら、
香港のシーンでレスリーの歌う『今生今世』が流れてきた。
香港の板前寿司の社長の成功談なのだがBGMが中国や香港の映画音楽を使っていた。
この再現ドラマ、日本人俳優が広東語で演じていて、なかなかのものだった。
きっと香港好き、中華好きな人が製作スタッフにいるのでは?

さてずいぶん前から下書きだけしていた映画の感想をぼちぼち書いていこうと思っている。
少しストーリーを詳しく書くので読みたくない方は読まないで。


深海 Blue Cha-Cha  

2005年 台湾
出演  阿玉 : 蘇慧倫
     小豪 : 李 威
     安姐 : 陸弈静
     陳桑 : 戴立忍

刑務所を出るところから物語は始まる。
心を開こうとしない阿玉(アユー)は今まで自分を守っていたであろう刑務所から出所する。
社会に放り出された阿玉は刑務所で唯一心を許していた安姐(アン)が経営するバーで働くようになる。
美しい阿玉に客の陳桑が関心を持つ。ほどなく親密な仲になるが、男はただの遊び。
阿玉は美しく、そしてガラスのような危うい心の持ち主で、人との接し方がわからない。
男の言葉を信じ、男が約束したことに執拗にこだわる。
それは時と場所をわきまえずに男に電話することで明らかになる。
阿玉は愛に飢え孤独ゆえに優しさに弱い。そして思いこむと一切周りのことが見えなくなる。
男はそんな愛玉が煩わしくなる。

店で陳桑とトラブルを起こし、阿玉は安姐の計らいで工場勤めに出るようになる。
ここでも阿玉は自分の心を閉ざし、うまく仕事をこなせないでいた。
そんな阿玉に優しく接する小豪。
阿玉は小豪に夢中になり、安姐の忠告も聞かず安姐の家を出て小豪と一緒に住むようになる。
ここでも阿玉は小豪一人しか目に入らない。すべての感情を小豪に向ける。
そして破たん、阿玉は命を絶とうとする。
小豪は安姐から阿玉が刑務所に入っていた理由を聞く。
阿玉は自分の夫をあやめて刑務所に入っていた。
「頭のスイッチがはいったら自分では切れない」
そう話す阿玉が悲しい。

結局安姐の元に戻った阿玉。
海のそばで布袋劇の一座が公演していた。
一座の人形使いも心の病気を持ちながら人形を操り、家族と町から町へと旅をしていた。
出発する一座を見送る阿玉と安姐。


台湾の海辺の風景はたくさんの作品で舞台となっている。
どれも優しく、懐かしく、登場人物を見守っているようだ。
生きるのがただでさえ難しい時代に生きている自分たち。
心の病気に苦しむ人も多い。
そして優しさも愛情も求める人は多いが現実にはそれを手にするのはとても難しい。
たやすく手に入るというものではない。
傷つき疲れ果てボロボロになりながら、それでも愛を求める。
阿玉にも本当の愛がわかり、心の平安が訪れることをラストは物語っているのか。

阿玉役の蘇慧倫、この人は歌手ということしか知らなかったがきれいな人だ。
きれいだが心を開かない、という役柄によく合っていた。
安姐役の陸弈静はやはりうまい。存在感がある。
優しいが何か過去のある役柄が似合っていた。
戴立忍はゲスト出演といったところ。
相変わらず女を騙すような遊び人のような役柄が似合っている。ハンサムな悪役(笑)
あなたなしでは生きていけない」(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009で上映)を監督し、
台湾金馬奨受賞。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を



ジョニー・トー杜峯監督作品は
前作の《スリ(原題:文雀)》があんなことになってしまい
《冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(原題:復仇)》も心配していたが、
単館公開ではなく、都心以外でも観ることができて嬉しい。
管理人が観た館はスクリーンも割と大きく、座席もゆったり、音もいいので快適。
午後から行くつもりだったのに諸事情で朝一の上映に駆けつけると、
レディスデーなのに男性が多いのも作品の性格上わかるような気がする。

冒頭、幸せそうな4人家族の家にやってきた3人組は
いきなり一方的な銃撃で家族全員を殺してしまう。
家族の中で妻アイリーン(シルヴィー・テステュー)だけは奇蹟的に助かる。
父親のコステロ(ジョニー・アリディ)はパリからマカオの病院を訪れ、
娘から家族の仇を討ってほしいと請われる。
3人の見知らぬ男たち、一人は娘に耳を撃たれてけがをしている、
それだけの情報を元にコステロは犯人を探すことになる。

クワイ(黄秋生)、チュウ(林家棟)、フェイロック(林雪)の3人は
ボスのファン(任達華)からの殺しの依頼でホテルを訪れる。
殺しの後で同じフロアに宿泊していたコステロと遭遇。
コステロは3人に犯人探しと復讐を依頼する。

現場を訪れた4人、冒頭では半分飛ばされていた銃撃の詳細が
次第に明らかになっていく。
ちょっとした推理サスペンスの様相。
アメリカのプロファイリングドラマみたいだった。
リーダー格の男の「クロゼットのドアは開けるな」の一言が
この後の展開に効いてくる。
ここのところの演出がとてもよくできていて、3人が推理している間に、
映画冒頭で娘が料理を作っていたのをなぞるようにコステロは娘の残した食材で
トマトソース(たぶん)のパスタを作りその匂いにフェイロックが最初に反応(笑)
これがうまそうなんである。

コステロはパリでレストランのオーナーシェフであること、
仇を討ってくれたら
持っていた現金と時計の他、パリの店と屋敷を報酬とする、と言う。
店の名前は「レ・フレール(兄弟)」
そしてコステロは昔頭に銃弾を受けて記憶が消えてしまう病に冒されていた。

ここからマカオ・香港を舞台に
フランス・香港の男たちが復讐のために動き出すのだが…

マカロニウエスタンという映画のジャンルが、かってあったけれど
この作品もかっての西部劇の復讐ものと香港映画のノアールものをミックスして
エキスを抽出したような感覚がする。
ストーリーが進むうちにいくつものしかけがあって、
ファンはそれを見つけては心が躍るのである。
それは今までの杜峯監督作品を観ている者にとっては記憶に残るシーンであったり、
登場人物のキャラクターであったり、ロケされている街の記憶だったり、
そのすべてが映画と結びついている。

ただ今絶賛上映中なので、これ以上のストーリーは書かないでおくが
とにかく見ていてほくそ笑むシーンがたっぷり。
もし香港映画初心者とか初めてトーさん映画を観る、という方は
事前に《ザ・ミッション 非情の掟》《エグザイル/絆》を予習に、
観た後は《PTU》《スリ/文雀》を観ていただくと、
観た方はなるほど~とほくそ笑むことだろう。
そしてかっこ良くてユーモアのあるトーさんワールドにはまってください。
レンタルやセルDVDはたくさんありますから。

さていろいろ感じた事柄を少し。
※ジョニー・アリディ、年齢を重ねて渋くなってステキ。
※雪ちゃんが吹き替えでも英語喋ってなんかかっこいい(爆)と最初だけ思ったけど
いつもの食べ物大好きお茶目な雪ちゃんだった。
※ヤムヤム、あのキスシーンとその後はいかにもいやらしいキャラ全開でw
※とにかく料理や食事シーンがたくさん出てくる映画。お腹が減る映画。
※マカオで3人が乗るバスは澳門新福利公共汽車 (TRANSMAC BUS)
あのビーチはあのあたりかな?
※月夜の林の銃撃戦は素晴らしい。トーさん映画の夜の銃撃戦で印象に残る作品多数。
※羅永昌監督が俳優として出演、チョイ役ですが
《ザ・ミッション 非情の掟》の時のようなボスに忠実な配下の役どころだった。
ところで特別鳴謝には羅永昌監督の横に鄭保瑞監督の名前もあったような?
出てたような気がする。DVD買ってないから映画館でもう一度確認しなくては。
※脇を固める役者さんたちも秀逸。日本の俳優に物足りなさを感じたら
ぜひこの作品を観てほしい。素敵な役者さんが揃っているのでオススメ)

公式サイトはこちら 音が出ます。



コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

オーケストラ!



《スナイパー:》を観る前に時間があれば渋谷で上映されていた
《オーケストラ!》を観たいとル シネマまで行ったところが観たいと思っていた回は満席。
仕方がないので次の回の席を取って、《スナイパー:》をシネマアンジェリカで観て、
ル シネマに戻ったところ、予約した回も満席になっていた、という人気。
水曜は割引もないのにその後の回も満席だったことから、この日は全席売り切れだったのかも。
ヒットしていたなあ…《スナイパー:》との差に愕然とした(^_^;)



オーケストラ!(2009年 フランス)

ロシア、ボリショイ劇場で清掃係として働くアンドレイ。
彼は30年前、ボリショイ管弦楽団の天才指揮者として称えられていた。
1980年にブレジネフ政権がユダヤ人を排斥。ユダヤ人団員の連行に反対したアンドレイも
解雇され、アルコール依存症になる。その後は清掃員として劇場に勤めながら
かってのように指揮者に復帰したいと願っていた。

ある日、アンドレイが支配人室の清掃中パリのシャトレ座から出演依頼のFAXが届いた。
キャンセルされたLAフィルのかわりにボリショイ管弦楽団に
2週間後の出演を依頼するFAXだった。
アンドレイはとんでもないことを思いつく。30年前に解雇された団員達を集めて
ボリショイ管弦楽団を名乗ってパリ公演を行おうというもの。
友人の元チェリストで救急車の運転手のサーシャをまきこみ、
ユダヤ人排斥の実行者でもある元ボリショイ劇場支配人で共産党員のイワンを
マネージャー役にと説得する。
30年の怨讐を乗り越えて、というよりパリ公演と聞いて目を輝かすイワン。
イワンはシャトレ座の支配人との交渉に条件を次々に出す。
それから2週間の間に様々な職業についていた元団員たちを集め、楽器や衣装の調達、
もちろん全員パスポートもビザもすべてジプシーのバイオリン奏者ヴァシリが1日で調達。
曲目はチャイコフスキーのバイオリンコンチェルト、
ソリストは若手人気バイオリニストのアンヌをアンドレイは希望する。

こうして偽のボリショイ管弦楽団はパリに乗り込んできた。
それから先の団員たちやイワンの行状は破天荒でめちゃめちゃ。
さすがユダヤ人やロシア人と思わせるいろんなエピソードが笑わせてくれる。
どんなところでも商売はできるし(爆)
ロシア共産党の隆盛を願うイワンも暴走(爆)
これは説明するよりも絶対に観た方がいいと思う。
さてアンドレイはソリストのアンヌと食事をして、
公演の打ち合わせをする予定だったのだがこちらも想いが強すぎて迷走。
30年前は国が人々を押しつぶし、現在は混沌とした経済状況が人々を追いこんでいる。

ここからアンドレイがこのパリ公演にかけた真の想いが少しずつ明らかになっていき、
最後の12分以上に及ぶ実際のシャトレ座で撮影された演奏会のシーンが
この映画のすべての想いを昇華させるものだった。
なぜチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトなのか?
なぜ若手スターのアンヌとの共演を切望したのか?
すべては30年前のユダヤ人排斥から引き起こされたある悲しい出来事につながっていた。

もう55人の団員はプロの音楽家だそうだがみんな演技がうまい。すごい。
それぞれのキャラクターも秀逸。
コンマス(?)のジプシーのヴァシリ、チェリストのサーシャ、
トランペットのヴィクトルおじさん等々いい味出している。
身近に楽器をやってオーケストラに入っている人間がいるので特に感じるのかもしれない。


この映画の製作のきっかけというのが
「2001年に偽のボリショイ管弦楽団が香港で公演するという出来事が本当にあったらしい」、ということでそれをもとに最初の脚本が書かれたとの監督のインタビューがプログラムに書かれていた。

そして若手バイオリニスト、アンヌを演じているメラニー・ロランはタランティーノの
《イングロリアス・バスターズ》で注目されているフランスの若手女優だが、
実は2004年東京国際映画祭で上映されたシンガポール・香港制作、
畢國智(ネス・ビー)監督の《ライス・ラプソディー(海南鶏飯)》で
フランス人留学生を演じていた、といえば覚えている人も多いと思う。
そして管理人が気に入っていた2008年の《PARIS》にも出演。
これからも注目していきたい。




公式サイトはこちら
音が出るので注意。

映画で使われている音楽はクラシックばかりではなく、
ジプシー音楽や民族調のオリジナル曲などバラエティに富んでいる。
ロビーにはサントラも売られていた。
映画はかなりのヒットだと思う。
東京では4館くらいの公開規模になっていたけれど、地方はこれからなので
ちょっとストーリーを書き込みすぎたかなあ…
それにしてもクラシックにあまり興味がなくてもオススメしたい作品だ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

スナイパー:



先々週、先週は遠出して映画など楽しんできた。
都会(笑)に出るのは久しぶりだったので、すこしお疲れ気味だったので
映画の感想など遅れてしまい、それも《ブエノスアイレス》を先に書いたので
話は前後するが…

《スナイパー:》(原題:神鎗手)

監督:ダンテ・ラム(林超賢)
出演:仁賢齊、陳冠希、黄暁明、林保怡、高捷、廖啓智(啓ではなく口は戸の下につく)


《スナイパー:》公式サイトはこちら ※音に注意


銃の名手といえば《鎗王 ダブルタップ》をすぐに思い浮かべるのだが、
《鎗王》は同じ的に2発撃ちこむことのできる名手なら
《スナイパー:》は500m離れたところの的を撃ちぬくことのできる名手。
この作品もかって銃の名手と言われた男(黄暁明)が道をはずしていくさまが描かれている。
しかし話の中心は警官から素質を見込まれてSDU(香港警察特殊任務部隊)に入隊した
OJ(陳冠希)と上司のフォン隊長(仁賢齊)の物語。
若者の成長物語(愛と青春の旅立ちみたいな?殴)にしたかったもよう。
その中にガンマニアが喜ぶハードでリアルな銃撃戦を組み入れていった作品。
銃には詳しくないが見る価値はある。

「愛と青春の旅立ち」よろしく、訓練の様子も描かれている。
で、主演陣がみんな惜しげもなく自慢の体を見せているのだが(笑)
一番鍛えていたのは兵役の経験もあるリッチーかな?
まあシャオミンもなかなかいい筋肉(笑)一番筋肉がついていなかったのがエヂ(爆)
これは想像通り。

香港で公開前にエヂ事件が起きてしまい、公開も遅れてそれが話題にもなった。
管理人は香港行きのキャセイの機内で去年見たので、「お~エヂが出てる」と
思いながら見てましたが、これだけ主役を張っていると取り直しもできずに
今まで置かれていたのかと思うと、いかにもタイミングが悪すぎた。

ストーリーはストレートで凝ったものではないが、香港・中国・台湾の俳優3人の共演と
わきを固めるオジサン脇役陣も渋くてステキ。
そういえば高捷、廖啓智のふたりは《星月童話》にも出演していた。
基本的に男の映画っぽいので、レディスデーにもかかわらず男性客が多かった。
女性客は香港映画ファンかな?リッチーやシャオミン、エヂのファンかも。


東京:シネマアンジェリカ、札幌は5月14日まで。
大阪、名古屋は上映終了。
仙台は7月公開。

上映の詳細は公式サイトにて
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

レスリー・チャン主演映画自主上映会 『もういちど逢いたくて 星月童話』



今年もProject Lさんから自主上映会のお知らせが届きました。
少し遅くなりましたが、こちらにお知らせを転載いたします。

今回は『もういちど逢いたくて 星月童話』が上映されます。
お近くの方、または山口まで行くことができる方はぜひどうぞ。



★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
Project L主催
レスリー・チャン主演映画自主上映会 第5弾
『もういちど逢いたくて 星月童話』
(主演:レスリー・チャン/常盤貴子)
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

【日時】2010年7月4日(日)10:00〜/12:10〜/14:20〜
【場所】シネマ・ヌーヴェル(山口県周南市)
【料金】前売券1,000円/当日券1,300円

★5月16日(日)発売開始

★ランチ交流会を開催します。
7月4日(日)12:00〜14:00
詳細は、近日中にブログおよびHPにてお知らせします。

今年も楽しい上映会になるよう、スタッフ一同がんばって活動しています。
皆さまのご来場を心よりお待ちしています。

<メルマガ配信を始めました>
ご登録はHPまたはブログどうぞ。


Project LのH・Pはこちら、ブログはこちらからどうぞ。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

第29屆香港電影金像獎をRTHKストリーミングとTwitterで



昨日の夜は第29屆香港電影金像獎のRTHKによる音声ストリーミングと
Twitterの#hkfa #hkkinzou(ハッシュタグ)によるつぶやきによって
とても楽しい時間を過ごせました。
たまたま途中まではしっかり集中して聞くことができたので満足でした。
途中家事で離脱したりまた戻ったりしながら、
長時間PCの前にいたのは久しぶりのような気がします。

結果についてはもにかるさんのHongKong Addict Blog に詳細が載っています。



■「最佳男配角獎」:謝霆鋒《十月圍城》



わあ、この赤で統一したサングラスや衣装は!と初めは思いましたが、
香港人(中国人)にとっての勝負服なんですね。レスリーのファンミを思い出しましたわ。
タイガー・ウッズを思い出すよりスムーズでした。
そして当日のベストドレッサー賞も何韻詩と共に受賞していました。
すっかりおとなになって、パパにもなって、これからも俳優として円熟して行くでしょう。
この世代の俳優陣が少ない香港電影界では貴重です。
今後もいい作品に恵まれてそれを日本で見ることができるように願います。


■「新晉導演獎」:張經緯《音樂人生》



新人監督賞受賞あめでとうございます。「最佳音響效果」にも奥様の五條秀美さんと
一緒にノミネートされていましたがこちらは残念ながら受奨ならず。
奥様とは監督がアメリカに留学中に知り合ったとか。ともに音楽を学んでいましたが
奥様の才能に驚き監督自身は音楽の道をやめて文学や劇作などに進まれたということを
友人から聞いていました。そして《音樂人生》では奥様も一緒にお仕事をされたのですね。
次の作品が楽しみです。そして《音樂人生》も日本でより多くの人に見てほしい作品です。
大阪アジアン映画祭参加作品。


■「最佳導演獎」:陳森《十月圍城》



監督の感極まったスピーチが印象的でした。
日本的に表現すれば苦節10年、
幾多の困難を乗り越えてやっと完成した作品で最優秀監督賞をもらった監督は泣いていました。
《十月圍城》は10年前に計画された時には
レスリーにも出演のオファーがされていたと聞いています。


■「最佳電影獎」:《十月圍城》



プロデューサーの陳可辛監督の挨拶、
大陸側の制作陣や途中で制作の手助けをしていた劉偉強監督(スマートになってる!)
後ろはプレゼンターのスタンリー・クワン監督とテレサ・モウ。
この作品は個人的には日本で受ける題材だと思っています。
孫文自体が日本ともかかわりがあって知名度が高いし、その周りの護衛陣と暗殺者の
息をのむ緊迫感、護衛の人たちの大半が市井の人たち、というのもいいです。
胡軍の悪役ってのも、いやだけど(笑)似合っていて怖いのです。


■「最佳男主角獎」:任達華《歲月神偷》
 「最佳女主角獎」:惠英紅《心魔(心の魔)》



任達華は2作品でノミネート、役柄はがらりと違うようです。《歲月神偷》は未見なので
比べることはできませんが、《天水圍的夜與霧》の役はちょっと怖くて。

惠英紅は《心魔(心の魔)》 で第1回の《長輩》での最佳女主角獎以来の受奨。
彼女も感極まって泣いていました。
《心魔(心の魔)》は東京国際映画祭で見たのですが、これは心理的に怖い作品でした、
見た後でじわっと怖くなるような。
でも第1回の受賞から28年たっているなんて、女優さんってきれいです。
香港ではこのくらいの年齢になると女優さんの出演作がぐっと少なくなるようですが
これからは新鮮な趣の香港映画で彼女の出られる作品が増えてきたら面白いと思います。


■最佳男主角獎プレゼンターの張震と舒淇



張震の広東語、席をはずしていて聞かれなかった(涙)舒淇に広東語褒められていたらしい。


■終身成就獎:劉家良 



香港映画の武術指導や監督として長年功労してきたことに対する受奨。
で、お隣にいるのが奥様の翁静晶。レスリーファンならこの名前は記憶にあると思います。
楊過與小龍女(レスリー・チャンの神鳥英雄伝)》1982年で共演。
小龍女役です。面影ありますね。他に《喝采》《第一次》でも共演。

劉家良が1935年生まれ、翁静晶は1964年生まれ、歳の差29歳すごいですね。
翁静晶が14歳で出会って20歳で結婚したとか。
20歳ということは1984年だから《楊過與小龍女》の2年後には結婚したことに。
だからそれ以降出演作がなくて引退状態だったのです。
そして《楊過與小龍女》の時は18歳だったということにびっくり。
小龍女は年下のそれも弟子である楊過と恋に落ちて悩む、という設定なので
しっかり年上の女優さんだとばかり思ってました。見た目も落ち着いていたし。
レスリーが童顔で共演女優さんの方が年上に見える、ってのは良くあることですが(^_^;)

そういえば《楊過與小龍女》撮影中に、劉家良に二人は助けてもらった事があるらしい。
これも翁静晶が出演していたからでしょう。ソースはsina comのこちら




金像奨の結果だけを見ると事前の予想通り《十月圍城》の圧勝のようでしたが
細かく見ると《歲月神偷》《竊聽風雲》《意外》《音樂人生》《心魔》《風雲Ⅱ》など
純粋な香港映画も息を吹き返しつつあるようだし
(《心魔》はマレーシア・香港・韓国の合作映画だが)
大陸との合作も歴史時代劇大作やCG多用の作品ではなく、登場人物の心理を表した作品、
香港映画のいいところを大陸の資本で大規模なセットを使って撮影した《十月圍城》
というのが今年度の収穫ではないでしょうか?

惜しいのは《十月圍城》のセットを香港に作らなかったこと。
上海の上海影視樂園には昔の外灘のセットがありますが、上海の街と見比べることができて
観光客には興味を引き付ける趣があります。
孫文の時代の香港を香港に再現すれば、新しい観光資源となるのではないかと。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

マラサ~ン 馬拉桑






海角七号 君思う、国境の南 
於シネスイッチ銀座

お客さんが多くて驚いた。平日の朝一回目の上映だったが空いていたのは前方の2列ほど。
2階席はほとんど空席がなかった。
良い感想を書いている人が多くないので、ちょっと心配していたが、
自分ha
なんとなく納得しながら観ていた。うまく作ってあるなあ、なんて思いながら(偉そうに)
この映画が台湾で大ヒットしたという理由をいろんなところで読んだけど、
実際に知っていても、映画に引き込まれていった。
監督が語っていたように
綿密に計算されて作られた作品が、
上映中に偶然ともいえる要素を吸収して大きくブレイクした、というもの。
その中でも魅かれたのは、メインのキャラクター2人よりも脇役の俳優たちが印象も強く好演だった点。
中華圏の映画でいつも感じることは、俳優ではない出演者の巧さ。
日本も外から見ればそうなのかもしれないけれど、あいにく今の日本映画を数多く見ていないので、
そんな印象を受けないでいる。
あらゆる年代のキャラクターを配した上で、それぞれのキャラクターの抱える問題が、
映画を見ている台湾の人たちに共感できるものであった、という点。
そして日本テイストをふりかけ、口コミに乗ると、あとは流行のように広まっていく。
『海角七號を観た?』『挖係國寶(わしは国宝だ)』など流行語になると勢いが違う。
音楽の使い方もうまい。主役の阿嘉はロックをやってるが、茂じいさんの歌う日本語の《野バラ》は
私も学校で習ったので歌える。
他には原住民出身の勞馬とパパの歌はメロディラインがきれいで良い曲。
教会で賛美歌の伴奏をしている大大もユニーク。
新酒「馬拉桑」も一役買っている。
そして非常にロマンチックな文体が印象的な手紙のナレーションは、これ自体が
映画のBGMのような役目だったのではなかろうか?
手紙はこの物語とはあまり関係がないが、映画を彩る要素としてはロマンチックな役割を果たしている。



実はこちらが一方的に知ってる方がこの映画に係わっていたらしく、
映画ができるまでの経緯を多少知っていたのだが、そんなことは抜きにしても
観終わって良くできた作品だった、と思えた。
シネスイッチ銀座が賑わっていたのはいいことだ。


公式サイトはこちら


海角七号 君想う、国境の南
魏徳聖,藍弋豊
徳間書店

このアイテムの詳細を見る



海角七号/君想う、国境の南 オリジナル・サウンドトラック
サントラ
インディーズ・メーカー

このアイテムの詳細を見る



海角七号 映画オリジナルサウンドトラック(台湾盤)

Forward Music (TW)

このアイテムの詳細を見る





蛇足:シネスイッチ銀座は例の天賞堂のすぐ近く。
いつもは見向きもしないが(縁がない、ともいう・笑)ちょっと店前を見てきた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ