殺人犯



殺人犯 (原題:殺人犯Murderer)

2009年香港

監督:周顯揚
出演:郭富城、張鈞、張兆輝、陳觀泰、錢嘉樂、何超儀、黄又南、譚真一

スプラッターや残酷なものや血みどろは嫌い。
でも日本で公開された貴重な香港映画ならやはり観に行かなければ…
と観に行ってみれば、小さいスクリーンながら一番前のほうが指定席で大変困った。

とともに観終わったら感想はなんて書けばよいのか、今度はそれで困った。
サスペンス映画で一番困るのは、
最後にストーリーの鍵になる人物にすべての謎解きを語らせてしまうこと。
この作品は心理的な要素を多く取り入れたサイコサスペンスの範疇にはいると思うのだが
謎解き後、主人公の人格が変わっていく様を表していきたかったのはわかるが
あの説明は「それはあまりに無理があるのでは?」と思ってしまう。
その思いが最後まで未消化で残ってしまった。

出ている俳優はいい俳優が多く、またロケ場所に選ばれたところも
いかにも香港らしい街中の建物や、香港とは思えないような郊外の
とても印象的な水辺など、ビジュアルはとても良かったし、テーマも面白いと思ったが
脚本はもう少し最後の詰めをきちんと描いてほしかった。
郭富城も怖くて(笑)良い。心理的に追い詰められていくところもうまい。
張兆輝も何超儀も出てるのに、あまり活躍する場もなくて残念。
周顯揚監督は初監督でこれからだと思うが、とても恵まれた監督デビューなので
ちょっと残念だった。次回作に期待。


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九月に降る風



九月に降る風 (原題:九降風)

2008年 台湾・香港
監督:林書宇
プロデューサー:曾志偉
出演:鳳小岳、張捷、王柏傑、初家晴、林祺泰、沈威年、邱翊橙、李岳承、紀培慧、曾志偉

1996年の夏、9人の高校生をめぐる物語。
舞台は台湾の新竹、7人の男子高校生は遊び仲間、
リーダー格の3年生イェンと付き合っているユンと
イェンと同級でユンに思いを寄せるタン。
1年生男子二人をブラスバンドに誘うペイシン。
2年生のヤオシンとポーチューは兄弟のように仲が良かった。

7人の男子は新竹野球場で台湾プロ野球のスター選手廖敏雄を応援したり
夜、学校のプールに忍び込んで泳いだり、学校近くの木の下でたむろしたり、
青春の一時期がいつまでも続くような眩しい季節だった。

しかしそれぞれの個性と抱えている家庭環境の違いは少しずつ、
彼らを大人にしていくとともに、
いつまでも続くかと思っていた友情にも微妙な影を落とし始めて行った。

台湾の風景が良い。
まだ携帯電話もなく、ポケベルが重要な連絡手段だったころ。
わずか15年ほど前の話なのに、イメージは自分たちの高校時代と重なってしまう。
高校生たちの制服が懐かしい。
そして少しばかり重要なキーポイントになる。
胸の高校名と学籍番号と氏名の刺繍は学年ごとに色分けされていて
一目でどこの高校の誰であるかわかるようになっていて、
なんだか自分たちの高校時代を思い出させる。
屋上で昼休みにつるんでいる仲間たちと、意地になって自分から仲間と離れていても
それがかえって疎外感を助長させるところなど共感できる。
リーダー格のイェンは明るくてかっこよくてそれゆえ強引なところもありわがままでもある。
裏返せば彼がまだ精神的には子供であるということ。
反対におとなしく優等生のタンは精神的には大人だがまだ踏み出せなくて
もんもんとイェンのことを羨ましく思っていた。

ある事件をきっかけにイェンはこの世を去り、野球とばくで廖敏雄も球界を追放される。
学校を辞めていった友もいる。
時が経てば今の状況は変わっていき、みな大人へと成長していくもの。
その時間が大事だったと気付くのは大人になってから。

同年代の学生も大人も観てほしい一作。

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【予告】7月21日(水)メンテナンスのお知らせ

gooブログからのお知らせ

この度 gooブログでは、
下記日程にてサービス一時停止を伴うメンテナンスを実施させていただきます。

2010年7月21日(水)午前6:30 ~ 09:30(3時間)

システムメンテナンス中はブログトップを含む全てのページが停止し、
記事・フォトチャンネルの投稿、閲覧、コメント/トラックバック/pingの受信など、
gooブログの全サービスをご利用いただくことができなくなります。


ということで水曜日の朝はメンテナンスがありますので
サイトの閲覧などできなくなると思います。

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清水宏次朗 《Sayonara》 歌詞



昨日のアクセス解析を見ると

「Sayonara清水宏次朗 歌詞」がTOPになっていた。
これは1年くらい前に「亜美的時間2別館(seesaaブログ)」で期間限定で公開していたもので
今はLINKさせていなかった。
たぶん検索はレスリー迷だと思うので

亜美的時間2 別館
 
↑こちらに「清水宏次朗 《Sayonara》 歌詞」を再LINK。
Leslie《少女心事》日語版  清水宏次朗《sayonara》的歌詞

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深海 Blue Cha-Cha



もう梅雨明けか、と思われる晴天の中、毎日忙しくしている管理人。
本当にバタバタと時間だけが過ぎていき、ブログの更新もなかなか…(言い訳・笑)

昨日「ルビコンの決断」という番組を録画して観ていたら、
香港のシーンでレスリーの歌う『今生今世』が流れてきた。
香港の板前寿司の社長の成功談なのだがBGMが中国や香港の映画音楽を使っていた。
この再現ドラマ、日本人俳優が広東語で演じていて、なかなかのものだった。
きっと香港好き、中華好きな人が製作スタッフにいるのでは?

さてずいぶん前から下書きだけしていた映画の感想をぼちぼち書いていこうと思っている。
少しストーリーを詳しく書くので読みたくない方は読まないで。


深海 Blue Cha-Cha  

2005年 台湾
出演  阿玉 : 蘇慧倫
     小豪 : 李 威
     安姐 : 陸弈静
     陳桑 : 戴立忍

刑務所を出るところから物語は始まる。
心を開こうとしない阿玉(アユー)は今まで自分を守っていたであろう刑務所から出所する。
社会に放り出された阿玉は刑務所で唯一心を許していた安姐(アン)が経営するバーで働くようになる。
美しい阿玉に客の陳桑が関心を持つ。ほどなく親密な仲になるが、男はただの遊び。
阿玉は美しく、そしてガラスのような危うい心の持ち主で、人との接し方がわからない。
男の言葉を信じ、男が約束したことに執拗にこだわる。
それは時と場所をわきまえずに男に電話することで明らかになる。
阿玉は愛に飢え孤独ゆえに優しさに弱い。そして思いこむと一切周りのことが見えなくなる。
男はそんな愛玉が煩わしくなる。

店で陳桑とトラブルを起こし、阿玉は安姐の計らいで工場勤めに出るようになる。
ここでも阿玉は自分の心を閉ざし、うまく仕事をこなせないでいた。
そんな阿玉に優しく接する小豪。
阿玉は小豪に夢中になり、安姐の忠告も聞かず安姐の家を出て小豪と一緒に住むようになる。
ここでも阿玉は小豪一人しか目に入らない。すべての感情を小豪に向ける。
そして破たん、阿玉は命を絶とうとする。
小豪は安姐から阿玉が刑務所に入っていた理由を聞く。
阿玉は自分の夫をあやめて刑務所に入っていた。
「頭のスイッチがはいったら自分では切れない」
そう話す阿玉が悲しい。

結局安姐の元に戻った阿玉。
海のそばで布袋劇の一座が公演していた。
一座の人形使いも心の病気を持ちながら人形を操り、家族と町から町へと旅をしていた。
出発する一座を見送る阿玉と安姐。


台湾の海辺の風景はたくさんの作品で舞台となっている。
どれも優しく、懐かしく、登場人物を見守っているようだ。
生きるのがただでさえ難しい時代に生きている自分たち。
心の病気に苦しむ人も多い。
そして優しさも愛情も求める人は多いが現実にはそれを手にするのはとても難しい。
たやすく手に入るというものではない。
傷つき疲れ果てボロボロになりながら、それでも愛を求める。
阿玉にも本当の愛がわかり、心の平安が訪れることをラストは物語っているのか。

阿玉役の蘇慧倫、この人は歌手ということしか知らなかったがきれいな人だ。
きれいだが心を開かない、という役柄によく合っていた。
安姐役の陸弈静はやはりうまい。存在感がある。
優しいが何か過去のある役柄が似合っていた。
戴立忍はゲスト出演といったところ。
相変わらず女を騙すような遊び人のような役柄が似合っている。ハンサムな悪役(笑)
あなたなしでは生きていけない」(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009で上映)を監督し、
台湾金馬奨受賞。

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大英雄 相関図



以前ブログにもエントリしていたが
昔作った『大英雄相関図』
Twitterでちょっと話題になっていたので探してみた。
しかしどこに格納していたかわからなくなっていた(>_<)
昨日探し始めてやっと見つけた。

いやしかしスキルがないのでへぼへぼ画像で恥ずかしい。
時間できたらもう少しレベルアップを目指そう。


『大英雄 相関図』 (クリックでもう少し拡大)




ついでに麗しい(笑)画像も。


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『香港追憶』  長野重一



7月は更新をマメにしようと思っているが、
とりあえず7月最初に買った本のご紹介

『香港追憶』   長野重一     蒼穹舎刊

1958年10月初めからの1ヶ月半、
香港に滞在したカメラマンが撮影した香港の写真集。
1958年といえばレスリーが2歳のころの香港。
このところ1960年代、70年代くらいの香港に興味があるので
その前段階の50年代後半の香港の街並みが見たかったし、手元に置きたかった。
写真は香港島が主に九龍半島の街、農村部、香港仔の水上生活者のくらし、
難民として大陸からやってきた人たちのための集合住宅はもとより
難民のバラック、そして九龍城の内部の1ショットまで、興味は尽きない。

なかでも香港島中心部の風景はなかなか見ごたえがある。
2階建トラムや商店、街の人の服装に至るまでいくつもの発見が。
「屈臣氏」の看板を見つけて調べてみると、
"1828年に広東で「屈臣氏大藥房」という社名で創業"という事実を知ったり、
当時のトラムが現在の120號トラムと大変よく似た内装であったり、とか。

しばらくはこの写真集を手元に置いてながめていたいと思っている。

蒼穹舎のサイトはこちら
書店の取り扱いも一部であるし、直接注文もできるようだ。



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2010年7月のレスリーカレンダー

 

2010年7月のカレンダーは上着を脱いだベスト姿のレスリーです。

最近、必要に迫られてレスリーの歌手復帰後のアルバムを聞いていました。
またレスリー出演作のサントラ盤など香港映画関連の音楽も集中的に聞いていて
やっぱりいい曲はいつ聞いてもいいのだ、と確信。
時間ができたら音楽についてもまだまだブログに書きたいことがあります。
漫々と、マイペースで更新していくつもり。


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