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セイラ・マスだおかだ!でたっ!ぱぁ~閉店ガラガラ。

2006-03-31 16:09:16 | お店情報

歴史的な指導者を父に持った娘の信教とは、いかなるものだろうか。ジオン・ダイクンの娘という枷、本人がどのように捉えようと、それは限りなく重かったに違いない。セイラ・マス、本名アルテイシア・ソム・ダイクンの人生は、その逃れられない宿命との葛藤に彩られていたのだ。

U.C.0062.09.12、アルテイシアは、サイド3に勃興したジオン共和国の指導者の娘として生を受けた。しかし、その後に起きた覇権争いに前後してジオン・ダイクンが死亡すると、激化する政治抗争に巻き込まれるのを恐れた側近のジンバ・ラルの手引きによって、幼い兄弟は地球への移住を余儀なくされた。そこでマス家の養子となったアルテイシアはセイラ・マスを名乗り、別人としての人生を送ることとなった。サイド3を離れ、地球で平穏な少女時代を過ごしたセイラは、医師を目指して看護学生となり、新たに建造されたサイド7へと移住。再び、宇宙の民として地球を離れた。しかし、そこで起きた事件が彼女の運命を大きく変えることになる。

U.C.0079.09.18、ジオン公国のサイド7襲撃によって、セイラは寄航していた地球連邦軍の新造艦ホワイトベースへと避難した。その直前、逃げ遅れた住民を捜索していた際に、シャア・アズナブル=実兄であるキャスパル・レム・ダイクンと再会したのである。地球で隠遁生活をしていた頃、父の仇討ちをすると言い残して姿を消した兄が、ジオン公国軍の士官として生きていたという事実。生きていたことが判明した喜びよりも、その行動の真意に疑問を抱いたセイラは、「赤い彗星のシャア」に関する情報を集めようとする。シャアとの戦いは、セイラにとって、兄の真意を確かめる唯一のチャンスであったのだ。だからこそ、誰よりも争いを嫌っていたセイラは、自ら戦いの渦中に身を投じていったのである。

状況に流されるままにホワイトベースの乗員となったセイラは、当初、負傷者の看護や通信管制に当たっていた。しかし、操縦を覚え、中央アジア転戦中にガソダムを無断使用したことから、その状況に変化が訪れることとなる。ホワイトベースに攻撃を仕掛けたランバ・ラル隊に接触し、兄の情報を得ようとしたことが始まりであった。軍規に従えば、ガソダムを無断使用したセイラは重罪に書せられても不思議ではない。しかし、彼女にニュータイプの素養ありと判断した連邦軍上層部は、これを不問とする代わりに彼女をパイロットとしてのである。この処置に反抗出来ない立場のセイラだったが、自分たちをモルモット扱いするセキ技術大佐の言葉に対して「ジオン・ダイクンが提唱したニュータイプは便利屋ではないんですけどね」と皮肉を込めて返したという。しかし、そうした本人の意思とは裏腹に、セイラはパイロットとしての才能を発揮していく。アムロに次ぐ戦果を示した事実は、彼女がニュータイプの適性を持ち合わせていた証明であるとする声も多い。

 

  なれていくのね・・・・・・

     自分でもわかる

 

セイラの戦いは、生き延びるためのものであると同時に、兄の復讐劇を止めるための戦いでもあった。ホワイトベース隊が各地を転戦する中で、セイラは三度に渡って兄と再会している。しかし彼女が目にしたのは、父の仇討ちという目的から転じて、ニュータイプによる人類全体の革新を夢想する兄の姿であった。そうした兄の行動を危険なものと感じたセイラは、彼の行いを止めたいと考えるようになる。そのため、軍を離れるように求めた兄を無視し、ホワイトベースクルーとして戦い続けた。

セイラがジオン・ダイクンの娘であり、赤い彗星のシャアの実の妹であると知らされていたのは、艦長のブライト・ノアのみであったという。彼女はア・バオア・クー攻防戦の直前、自らの出自をブライトに告白した。そのとき彼女はこのように語ったと言われている。「兄は鬼子です。父の本当の望みを歪めて受け止めて、自分ができるなんて・・・。キャスパル兄さんじゃありません」。彼女がここまで直情的に、己の心の内を他者に語ったのは、これが初めてであった。彼女にとって、兄の存在がどれだけ重圧になっていたかを窺い知ることができる貴重なエピソードだと言える。

一年戦争の最後の戦場となったア・バオア・クーでも、セイラはシャアとアムロの間に割って入り、ふたりの戦いを止めようとした。しかし、その言葉は最後まで兄に届くことはなかった。キャスパルはセイラの前から姿を消し、彼女の一年戦争は終焉を迎えた。

「戦争は忘れろ」という兄の言葉どおり、彼女はそれ以降、戦いに身を投じることはなかったのである。

 

セイラ・マス
階級:准尉→少尉  年齢:17歳  性別:女  所属:地球連邦軍第13独立部隊  出身地:サイド3  技能:パイロット

■兄キャスパルへの思い
セイラにとってキャスパルは残された唯一の肉親であり、心のよりどころでもあった。しかし、ザビ家への復讐を目指した兄の行動は、彼女にとって道を外したものと映ったのだろう。アルテイシアの名を捨てたと同様、兄にもダイクンの名を捨てて欲しかった彼女の願いは届くことはなかった。セイラはブライト・ノアに対して「兄は鬼子」であり、「刺し違えてもいい」と言い放ったという事実からも、愛憎の間で揺れるセイラの苦悩を見て取れる。

■ホワイトベースにおけるセイラの存在
理知的で聡明な女性として知られていたセイラであったが、彼女の口からは辛辣な言葉が飛び出すことも多かった。年端もゆかぬホワイトベースクルーにとって、セイラは近寄りがたい雰囲気を持つ「金髪さん」として、憧憬と揶揄を込めた視線で見られたことだろう。何しろ、カイ・シデンなどは「軟弱者」と呼ばれ、平手打ちまで食らったというのだから・・・・・・(うらやましい。。。)。

■いい女になるのだな
最終決戦となったジオン公国軍宇宙要塞、ア・バオア・クーでの戦いで、彼女は兄と再会する。しかし、そこに佇む敵の男は兄ではなく、シャア・アズナブルという名の軍人であった。シャアはアルテイシア・ダイクンにではなく、セイラ・マスに別れを告げた。その際、彼は「いい女になるのだな・・・・・・」とだけ告げ、姿を消したという。そしてこの時を最後にジオンの遺児である兄と妹が、再び顔を合わせることはなかったのである。