今の阪神タイガースには正捕手になり得る潜在能力を秘めた捕手がいる。
だから、出来上がった選手を獲得することは、伸長著しい次代を担う選手の存在意義、価値、なによりもその選手のやる気を失わせしめてしまう。
狩野のバッティングセンスはきらりと光るものがある故、あと2~3年の猶予をもって観察すべきだ。
彼はプロのアスリートとして最大限の武器である「怪我に強い」という才能を持っている。これまで数多の有能な選手が怪我のために復帰がままならず、そのままお払い箱になってきた。プロとはそういう世界だ。
もちろんプロの世界は、どの選手にも等しく平等に、これでもか、これでもか、というくらい難関な関門を幾度も出現しめ、それを克服することを要求する。怪我をも含め、到底敵うはずがない程のライバルを蹴落として這い上がることを要求するのもプロ世界であろう。滂沱の汗を要求されるプロの世界とは、かくも厳しいところなのだろう。
城島を乗り越え、狩野が切歯扼腕することなく、正捕手の座を獲得することを期待しつつ、城島の加入を歓迎したいと思う。