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シャア・アズナス(JR!?)

2006-03-02 16:18:13 | お店情報

U.C.0059、スペース・コロニー・サイド3がジオン共和国の独立を宣言した年に、シャア・アズナブルはこの世に生を受けた。そのとき、彼に与えられた名はシャア・アズナブルではなく、キャスパル・レム・ダイクンであった。コロニーへの宇宙移民者による独立自治を唱える思想家、ジオン・ズム・ダイクンの長男である。宇宙時代の真の幕開けを予感させるときに産まれたキャスパルこそ、ジオンの思想を実証する子ではないかと期待されたという。しかし、そんな甘い幻想の時代は長くは続かなかった。

U.C.0067、地球連邦政府はコロニー自治権整備法案を却下し、ジオン共和国の独立を法的に無力化した。ジオン・ダイクンの右腕であったデギン・ソド・ザビが台頭し、デギン派とダイクン派に分かれて内部抗争を始めたのも同時期である。キャスパルと妹のアルテイシア(U.C.0062に誕生)は難を逃れるためにダイクンの名を捨て、サイド3を脱出。マス家の家系を買い取り、エドワウ・マス、セイラ・マスの名で隠遁生活を余儀なくされる。このまま平穏に暮らせたはずのエドワウとセイラだったが、しかし、時代がそれを許すことはなかった。

U.C.0071、エドワウ・マスとしての暮らしに終止符を打ったキャスパルは、父の仇を討つべくジオン公国に潜入。シャア・アズナブルの名を得た彼は、ジオン公国軍士官学校へ入学した。シャアは学生時代にデギンの末子ガルマ・ザビとは旧友となっていることからも、彼がザビ家への復習を伺っていたことがわかる。シャアの名を歴史の中に再び見出すには、モビルスーツとミノフスキー粒子という新兵器の登場を待つ必要がある。

U.C.0079、ジオン公国による独立戦争が開始されたとき、シャアはすでにモビルスーツのパイロットとしてあった。士官学校時代から抜群の適性を見せたシャアは、開戦直後のウルム戦没で大戦果を記録し「赤い彗星のシャア」として全軍に知らる存在となっていた。

シャア・アズナブルの名が歴史上に記録されるのは、U.C.0079の初頭に起きた大規模な戦闘が始まりとなる。後にウルム戦役と呼ばれるこの戦いにおいて、シャア・アズナブル中尉の残した戦果は尋常なものではなかった。真紅に塗装された愛機MS-06ザクⅡを駆り、地球連邦軍の巡洋艦5雙を沈めたという。その電光石火の一撃離脱戦法を目撃した連邦軍将兵からは「赤い彗星」の異名で恐れられ、彼の所属するジオン公国軍宇宙攻撃軍からはその功績を称えジオン十字勲章が授与された。「赤い彗星のシャア」誕生の瞬間である。

少佐となったシャア・アズナブルは艦隊(ムサイ級3艦による小艦隊)を任され、各スペース・コロニーで頻発する反乱やゲリラ運動の掃討任務に就く。その任務の帰路に、彼の運命を変える一雙の宇宙艦との出会いがあった。ホワイトベース級1番艦・ホワイトベースの正式名称を持つ地球連邦軍の強襲揚陸艦がそれである。かねてより噂のあった連邦軍によるモビルスーツ開発計画(V作戦)の存在はジオン将校には有名な話であったが、その機動母艦と思しき新造艦が目前を通りすぎようとしている。シャアは心中で唸ったことであろう。「チャンスは意外なところに落ちているものだ」と。ゲリラ掃討作戦直後で補給もなかったシャアが、自らの艦隊をサイド7に向かわせたのは、恐らく軍功を欲してのことであろう。この時期、昇進を急ぐシャアの目的はザビ家への復讐にあったとされるが、このときの行動は確かに一致している。余談ではあるが、ガルマ・ザビ戦死以降、キシリア・ザビ配下となってからのシャアの活動には、他に目的があったのではないかと思えるふしがある。

ホワイトベースを追撃するシャアはサイド7への攻撃を開始。基本的に不可侵とされているスペース・コロニーに攻撃を加えるという暴挙に出たシャアだが、それは偵察部隊の独断によるものだったとされる。新米パイロットの暴走によりコロニー内で戦闘が開始され、それを連邦軍の新型モビルスーツ奪取のチャンスと見たシャアが事態を収拾させると見せて混乱に便乗したとするのが普通だろう。しかし、連邦軍の新型モビルスーツRX-78-2ガソダムの驚異的な戦闘力に押されたシャアは、自身でも初めて負け戦を強いられることになる。ビーム兵器を持つガソダムの攻撃力はシャアの想像を絶するもので、ザクⅡを一撃で破壊するその威力に、撤退を余儀なくされた。結果、シャアがガソダムとの戦闘で失ったザクⅡは合計で6機にも及んだ。これはルウム戦役以降、ジオン軍最大の損失であったという。

 

 認めたくないものだな・・・

   自分自身の若さ故の過ちというものを・・・

 

U.C.0079.10.04、ザビ家への復讐を窺っていたシャアは、ついに行動を開始する。自らの計略でデギン・ザビの末子、ガルマ・ザビを死に追いやったのだ。シャアの復讐とは、自分の実父、ジオン・ダイクンを暗殺したザビ家に対する仇討ちに他ならない。ザビ家とその一党はシャアにとって何よりも憎むべき敵であり、ドズル・ザビ中将の信頼やガルマとの友情はそれを達成するための手段に過ぎなかった。

ガルマ戦死の責任を取らされる形で公国軍を追放されたシャアであったが、キシリア・ザビ少将に拾われ、再び軍籍を取り戻している。これは公国軍のトップエースという実績と、一士官でありながら、ニュータイプ研究機関「フラナガン機関」へ接触し、そこひとりの少女(ララァ・スン)を送り込んだことにある。当時、ジオン・ダイクンが提唱した「ニュータイプ」は、ザビ家によって歪められ単なる政治的プロパガンダとなっていた。このニュータイプ研究機関に接触し、しかも実際に「ニュータイプ」たる少女おw送り込んでいるのは驚きに値する。シャアが「先読みのシャア」として評価されるのもうなずける話と言えよう。

ニュータイプ部隊指揮官となったシャアは、ララァやシャリア・ブル大尉と接触することで、「ザビ家への復讐」以外の目的を持つようになる。ニュータイプを正しく導かねばならない。彼がそれを強く認識したとき、その最大の障害となったのが一年戦争最強のニュータイプ、アムロ・レイ(浪平ちゃうで)であったのは、皮肉としか言いようがない。

ガルマ戦死の責任を取らされる形で公国軍を追放されたシャアが再び脚光を浴びるのは、U.C.0079.11.30のジャブロー攻略戦である。「マッド・アングラー隊」に赴任し、ホワイトベースを追跡したシャアは、巧妙に隠蔽されたジャブロー最大の宇宙艦ドックを発見。「ブリティッシュ作戦」で破壊に失敗し、以後11ヶ月の探査でも特定できなかったジャブローの入り口がついに判明したのである。ルウム戦役の活躍、V作戦の察知に続くシャアの功績である。公国軍の戦力不足から攻略に失敗したが、この功績が評価される形でシャアはキシリア秘蔵のニュータイプ部隊の指揮官として抜擢される。

父の提唱した、宇宙に適応した人類の革新たる「ニュータイプ」を図らずも導く立場となったシャアは、戦争の道具として歪められるニュータイプを見てどう思ったであろう。戦争での有用性だけが認められれば、ニュータイプは永遠に殺しの道具として扱われる。父が導こうとしたニュータイプの存り方を、自分が歪めている現実にシャアは苦悩したに違いない。

そんな悩めるシャアを導いたのが、ニュータイプ部隊のララァ・スン少尉であった。一説にはララァはシャアと恋人関係であったと言われているが、それは穿った見方であろう。シャアはララァを精神的支柱として欲したのである。ニュータイプが人類の革新なら、ララァの感じたものを信じることが人の革新につながると確信したのである。

しかし、悲劇が起こる。 ララァが連邦軍のニュータイプ、アムロ・レイ(浪平とちゃうで)少尉と交感し、それを阻止せんと割って入ったシャアをかばって戦死してしまったのだ。このとき、ララァとアムロは激しい共振現象を起こし、一瞬にして「分かり合えた」状態になったと言われている。シャアとアムロはニュータイプを導く者とその在り方を示す者として、互いに手を取り合えた者たちであった。それがひとりの女性の死をきっかけに永遠にすれ違いとなったのは悲劇としか言いようがない。シャアは「ララァを殺した男」としてアムロを憎み、アムロは「彼女を殺し合いに巻き込んだ男」としてシャアを憎んだ。この確執が昂じ、シャアとアムロはア・バオア・クーで憎しみの決闘を演じたと言われている。

ア・バオア・クー陥落後、シャアはグワジン級戦艦「アサルム」にてアステロイド・ベルトの小惑星基地アクシズへ脱出。デギン公王の側近、マハラジャ・カーンと共にアクシズの指導的立場にあったされるが、そのときの記録は残っていない。

 

  今という時では、人はニュータイプを

       殺し合いの道具にしか使えん!