あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

絵描きの眼力。

2010-11-23 00:24:14 | 本(エッセイ・ノンフィクション他)

前回の記事で、江戸時代の登場人物がどうして猫の、そして他の動物の水の飲み方の違いを知っていたのかな、と書きましたけれど、でも半分は、意外ではない気持ちもあります。

それは、ドガのエピソードのせい。

今、まだ横浜の美術館で《ドガ展》開催中かと思いますが、そこでの目玉は『エトワール』。バレリーナの一瞬の跳躍を描いた一枚ですよね。

でも、彼にはたしか、疾走する馬を描いた一枚もあったと思います。

そして、こんなエピソードがあるのです。

競馬場行きの電車の中で、ドガは数人の男のグループと話をした。

賭けに興味がない、という彼に、男たちは不思議がったり呆れたりして、「じゃあ、競馬場に行って何をするんだい」と聞いた。

するとドガは含みのある笑い方をし、「私が何をしに行くかはわからないだろうな」と謎めいたことを言う。

さては警察の旦那かと、後ろめたいことのある男たちは途中で汽車を降りてしまった。

でも実際は、ドガは馬の疾走する脚を描きに行ったのです。

何たる動体視力!まさに高速カメラなみです。

世界史こぼれ話 1 (角川文庫)
価格:¥ 275(税込)
発売日:1973

このエピソードに出会ったのはこの本。(の、1~4巻のいずれか)

絵描きの眼ってすごいんだなぁ、と思った逸話でした。

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