ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘 価格:¥ 1,500(税込) 発売日:2010-02 |
わが家でも毎朝観ておりました。
そして、それにのっかったわけでもないのですが、結局購入してしまったのがこの本。
水木しげる氏の次女水木悦子さん、赤塚不二夫氏の長女赤塚りえ子さん、そして手塚治虫氏の長女手塚るみ子さんの3人の対談をまとめ、3氏の短編作品を挿入した1冊。
もともとは、2008年7月かな、朝日新聞に載った同タイトルの座談会の記事が忘れがたく、もう一度読みたいな、と思って検索したのがきっかけでした。
へえー、こういう本が出てるんだー、と思っていたのですが、結局ネットの古本屋で買ってしまった。
読んでみると、娘たちが父親を語る企画だけに、赤裸々なエピソードや、ちょっと手厳しい意見もあったりするのですが、なにより印象に残ったのは、彼女たちの父親に対する一途な愛情でした。
本当に、3人が3人とも、父親とその作品を心から愛していて、たくさんの人に読んでもらいたい、読み継がれてほしい、と一途に願っている。その思いの深さには、あまり父親との関係がよくない私としては、少したじろぐほどでした。
これはただ自分の父親に対する愛情なのかな、それともいずれ劣らぬ天才3氏への才能に対する尊敬なのかな……と思いつつ、でも、微笑ましいというか、ちょっとじーんとする部分も。
娘さんたちの選んだ短編漫画も、ちょっと変わったテイストで興味深いです。
余談ですが、父親を深く愛する娘のことを、エレクトラ・コンプレックスというのはマイナスの表現なのでしょうが、エレクトラ、という響きが好きなので記事のタイトルに使ってしまいました。
エレクトラという娘は、琥珀色の瞳を持っていたそうです。そうして古代の人も、琥珀をこすり合わせると電気が発生することを知っていた。だからエレクトロニクスという言葉に、彼女の名前が使われていると。
こういうちょっとロマンテックぽいエピソードに弱いんです。
さらに余談。『ゲゲゲの女房』を観ているとき、日本画を描く友人と、よく言っていたのです。
認められなくとも、かき続けるのが大事だねって。
自分の作品を信じて努力する水木氏と夫人に、頭が下がり、また力づけられた半年間でした。
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