あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

ひとりで生きる、ということ。

2009-06-19 10:09:50 | 本(エッセイ・ノンフィクション他)

小さな食卓 おひとりさまのおいしい毎日 小さな食卓 おひとりさまのおいしい毎日
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2008-01-30
『小さな食卓 ―おひとりさまのおいしい毎日―』という本を読みました。

著者の方は、この本を書かれた時66歳ということなので母の年代に近いし、熟年離婚をされて“おひとりさま”になったということなので、独身の私とは状況が違うけれど、それでいて驚くほど共感できるところがありました。

四季の折々の食卓を写真で紹介して、それにそれぞれミニエッセイを添えた本。

食事は手作りにしろ外食にしろ、とってもおいしそうで、食をいとおしむ気持ちが伝わってくるのだけれど、まえがきに“ひとりで食べるごはんやお茶には、密やかな甘さと、じわっとしたほろ苦さがある”とあるとおり、この本には楽しさだけでなく、微かな切なさがあります。

それが、ひとりで生きていく覚悟を決めなければならない私には、ちょっと胸に迫るものがありました。

『谷中の昼ごはん』という章で、友達二人とおいしいランチを食べたあとで、ふと“これから先、私たちの人生はどうなっていくんだろう。世間並みには定年を迎えつつある私たちだが、まだ人生との折り合いがつかず、どたばたしている”と、独白する一文があります。

ああ、いくつになってもどたばたは続くのだ、と、少し若いはずの私も、ほろ苦い気持ちになりました。

でも、“それならいつまでもどたばたし続けていけるエナジーを、おいしい食べ物からいただきたい”という言葉にも共感!

ひとりでもそうでなくても、わたしたちは今日も、生きていくのですものね。

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