小さな食卓 おひとりさまのおいしい毎日 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2008-01-30 |
著者の方は、この本を書かれた時66歳ということなので母の年代に近いし、熟年離婚をされて“おひとりさま”になったということなので、独身の私とは状況が違うけれど、それでいて驚くほど共感できるところがありました。
四季の折々の食卓を写真で紹介して、それにそれぞれミニエッセイを添えた本。
食事は手作りにしろ外食にしろ、とってもおいしそうで、食をいとおしむ気持ちが伝わってくるのだけれど、まえがきに“ひとりで食べるごはんやお茶には、密やかな甘さと、じわっとしたほろ苦さがある”とあるとおり、この本には楽しさだけでなく、微かな切なさがあります。
それが、ひとりで生きていく覚悟を決めなければならない私には、ちょっと胸に迫るものがありました。
『谷中の昼ごはん』という章で、友達二人とおいしいランチを食べたあとで、ふと“これから先、私たちの人生はどうなっていくんだろう。世間並みには定年を迎えつつある私たちだが、まだ人生との折り合いがつかず、どたばたしている”と、独白する一文があります。
ああ、いくつになってもどたばたは続くのだ、と、少し若いはずの私も、ほろ苦い気持ちになりました。
でも、“それならいつまでもどたばたし続けていけるエナジーを、おいしい食べ物からいただきたい”という言葉にも共感!
ひとりでもそうでなくても、わたしたちは今日も、生きていくのですものね。
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