スピーチを組み立てるというのは、楽しくも、苦しくもある作業だ。
私は大抵、おぼろげに言いたいことを考えておいて、電車の中やふとした隙間時間に組み立てを考えることが多い。細切れでも、構想時間をある程度取り、だんだんと作っていき、最後にまとまった時間を取って作り上げるというのが自分のやり方だ。
今日はあるお客様が来るから、堀口さんもぜひにとりんごに呼ばれた。てっきりその方を囲む会なのかなと思っていると、そうではなかったらしい。直前まで数人に声を掛けてみるもこの時期に空いてる人もなく、結局一人で行くことに。
初めて見たが今日は満席。その大切なお客様の雰囲気もあり、優雅で豊かな空気が漂っている。フレンチのレストランで一人で食事というのも何だか可笑しいが、マダムの「ぜひこの空間を愉しんでいらしてください」という言葉をそのままに、今日までの11セッションを振り返ったり、いろいろと思いをめぐらした。
そして次回の卒業式の最後の締めの言葉。何をしゃべろうか大体決めてはいたがまだ完全にはなっておらず、この空間を借りて、ゆったりと、でも真剣に考える時間をとれた。
自分がほんとうに伝えたいことは...どんな順序で話すのか、どこを削るのか...来てくださるであろうゲストも思い浮かべながら、伝えるべきことをわかってもらえるようにと何度も何度も組み立てて考えなおした。
お皿の数が重なるにつれ、自分の中のブレがなくなり、いい感じの話が出来上がってきた。そして、デザートを食べるころには、ほぼ納得いくものになり、すっきりと晴れ晴れとした気持ちになれた。
今日手伝いに来ていたMちゃんには、「時おり怖い顔をしていらしたから...」と心配させてしまったみたいだけど、事情を話すと納得してくれた。やっぱり真剣に考えている表情は怖いらしい(笑)。
行く前は一人で行ってどうするんだろうと躊躇したが、結局は今までの11週間に浸り、最後の卒業式の準備をするクオリティーの高い時間にすることができた。
締めが決まればあとは早い。もう一山準備すれば、卒業式を迎えられる。1月5日が楽しみだ。