夜中に、老猫が、またやかましく泣き出した。
猫も、父と同じ位、老いて来て、
最近は昼、夜を問わず、よく泣き私達を困らせている。
起きて、缶詰の餌をやり、布団に戻ったが、
もう半袖のパジャマでは肌寒かった。
冷えた身体を布団で包み、眠りに就こうとしたが、
1度目が覚めてしまうと眠れない。
眠れないまま、あれこれと考えていると、
数日前の父の行動が、気になり、ますます眠れなくなった。
2日前のことで有る。
夜中は、ベット横のポータブルトイレで用を足すのだが、
昼間は、家のトイレに行く。🚻
トイレに入ると、15分から20分は、出て来ない。
高齢になると、オシッコもなかなか出ないそうだ。
この日も、30分しても、トイレから出てきた足音がしないので
様子を見に行き、
トイレの窓ガラスから、父の頭が見えたのを確認して、
そのまま戻って来た。
其れから、30分を経っても、トイレから出て来ない。
心配になり、ドアをノックして呼んだら、
ドアが明き、父が顔を出して「トイレが流れへん」と…
「どうして?」
トイレに入り、トイレのタンクのバルブを回すと、
水は勢い良く流れた。
「お父さん、流れたよ!」
「でも、このボタン押しても、全然流れへんかった」と、父
「お父さん、そのボタンは、お尻を洗うボタンやで、トイレの水は、こっちやで」
父は、戸惑った顔をして、私を見た。
水の出る筈の無いボタンを、トイレの中で、30分も押し続けて居たようだ。
「ボケたんかな?」…と、
父は、淋しそうに2回呟いた。
ションボリして、私の後をついてくる父は、
昨日、畑で私を怒鳴って居た父とは、別人になって居た。
当たり前に出来て居た事が、出来なくなって行く。
トイレを流すことも、忘れてしまった事に、
父のプライドは、ひどく傷ついた様だった。
後で思えば、
「ボケたんかな?」…と、父が言った時に、
「大丈夫!今日はチョット調子が悪いだけ」…と、言ってあげれば良かったのに、
何も言えなかった自分の対応を、
私は、非常に悔やんでいる。
猫も、父と同じ位、老いて来て、
最近は昼、夜を問わず、よく泣き私達を困らせている。
起きて、缶詰の餌をやり、布団に戻ったが、
もう半袖のパジャマでは肌寒かった。
冷えた身体を布団で包み、眠りに就こうとしたが、
1度目が覚めてしまうと眠れない。
眠れないまま、あれこれと考えていると、
数日前の父の行動が、気になり、ますます眠れなくなった。
2日前のことで有る。
夜中は、ベット横のポータブルトイレで用を足すのだが、
昼間は、家のトイレに行く。🚻
トイレに入ると、15分から20分は、出て来ない。
高齢になると、オシッコもなかなか出ないそうだ。
この日も、30分しても、トイレから出てきた足音がしないので
様子を見に行き、
トイレの窓ガラスから、父の頭が見えたのを確認して、
そのまま戻って来た。
其れから、30分を経っても、トイレから出て来ない。
心配になり、ドアをノックして呼んだら、
ドアが明き、父が顔を出して「トイレが流れへん」と…
「どうして?」
トイレに入り、トイレのタンクのバルブを回すと、
水は勢い良く流れた。
「お父さん、流れたよ!」
「でも、このボタン押しても、全然流れへんかった」と、父
「お父さん、そのボタンは、お尻を洗うボタンやで、トイレの水は、こっちやで」
父は、戸惑った顔をして、私を見た。
水の出る筈の無いボタンを、トイレの中で、30分も押し続けて居たようだ。
「ボケたんかな?」…と、
父は、淋しそうに2回呟いた。
ションボリして、私の後をついてくる父は、
昨日、畑で私を怒鳴って居た父とは、別人になって居た。
当たり前に出来て居た事が、出来なくなって行く。
トイレを流すことも、忘れてしまった事に、
父のプライドは、ひどく傷ついた様だった。
後で思えば、
「ボケたんかな?」…と、父が言った時に、
「大丈夫!今日はチョット調子が悪いだけ」…と、言ってあげれば良かったのに、
何も言えなかった自分の対応を、
私は、非常に悔やんでいる。