徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

クリーブランド美術館展 森アーツセンターギャラリー

2006-10-23 | 美術
クリーブランド美術館展
女性美の肖像 モネ、ルノワール、モディリアーニ、ピカソ
2006年09月09日~11月26日
森アーツセンターギャラリー

雨の月曜日ということもあったのでしょうが、意外にガラガラの中、機嫌よく鑑賞できました。印象派は最近は飽きられているのでしょうか?展示作品リストは、係りの人にお願いするとコピーをいただけます。

セクションI:印象派の時代
クリーブランド美術館のサイトで、今回展示されている画家について所蔵作品を見てみましたが、このセクションはクリーブランド美術館の印象派の1部屋ごとかなりの部分をもってきたというところでしょうか?

  • ギュスタブ・クールベ《ロール・ボロー》1863年;クールベらしくない作品とおもったら1863年サロン出品作。


  • アンリ・ファンタン =ラトゥール《マリー=ヨランド・ド・フィッツ=ジェイムズ》1867年;
    Henri Fantin-Latour, Marie-Yolande de Fitz-James

  • アンリ・ファンタン =ラトゥール《ルロール夫人》1882年;サロン出品作品。古典的肖像画。
    Henri Fantin-Latour, Madame Lerolle

    アンリ・ファンタン =ラトゥールというと花の絵ばかりかと思っていました。

  • クロード・モネ《春の花》1864年
    Claude Monet, Spring Flowers

  • クロード・モネ《赤いスカーフ、モネ夫人の肖像》1868-78年;
    Claude Monet, The Red Kerchief: Portrait of Mrs. Monet

    モネ夫人の肖像はいつ観ても可愛そうになります。
  • クロード・モネ《アンティーブの庭師の家》1888年;
    Claude Monet, Gardener's House at Antibes

    モネは、アンティーブ(ニースとカンヌの間の町です)を訪れているのですね。

  • ピエール = オーギュスト・ルノワール《ロメーヌ・ラコー》1864年;
    Pierre Auguste Renoir, Romaine Lacaux
    ルノワールのサインのはいった多分一番最初の作品だという。少し服の胸のあたりの描き方がぎごちない。顔が真っ白に描かれているのは陶磁器の絵付師の経験からではないかという。

  • ピエール = オーギュスト・ルノワール《りんご売り》1890年; 典型的な色の混ざったルノワール様式。
    Pierre Auguste Renoir, The Apple Seller


  • ウジューヌ・ブーダン《ドヴィールの海岸》1864年
  • カミーユ・ピサロ《ポントワーズの閘門》1872年

    2点の作品が、ベルト・モリゾの姉妹として展示されていました。
  • エドゥアール・マネ《ベルト・モリゾ》1869年頃
    Edouard Manet, Berthe Morisot
    こちらは、ベルト・モリゾ。

  • ベルト・モリゾ《読書》1873年
    Berthe Morisot, Reading
    こちらは、ベルト・モリゾのSisterのEdma。
    この作品は、1874年の第一回印象派展で展示。モリゾって、Jean-Honoré Fragonardの孫だそうで。知りませんでした。


  • アルベール・ベナール《マドレーヌ・ルロールと娘イヴォンヌ》1879-80頃;同じルロール夫人を描いたアンリ・ファンタン =ラトゥール《ルロール夫人》と並べて展示されていた。はじめて知る画家。
    Albert Besnard, Madeleine Lerolle and Her Daughter Yvonne


  • ティソ・ジェイムズ《7月・肖像画の見本》1878頃
    Jacques-Joseph Tissot, July: Specimen of a Portrait
    ;キャサリン・ニュートンKathleen Newtonを美しくも孤独でアンニュイに描く。白いレースの服の襞が描写が見事。キャサリン・ニュートンはティソのモデルで美神で彼の愛人。四季の寓意的表現の4つのコンポジションの1つ。とのこと。このセクションでは気に入った作品のひとつ。彼が日本美術に傾倒していたからでしょうか?


    など

    セクション2-I:印象主義を超えて Post-impressionism
  • ポール・セザンヌ《小川》1895年-1900年
    Paul Cézanne, The Brook
    Aix-en-Provenceの南東を流れるArc Riverの谷間の風景とこと。

  • ポール・ゴギャーン《波間にて》
    Paul Gauguin, In the Waves

    1889年4月、 北フランスPont-Avenでの作品。1889年にパリのthe Café Volpiniで開催されたthe Symbolists—a groupの第一回とされる展覧会に出展。
  • フィンセント・ファン・ゴッホ《大きなプラタナスの木》1889年11月
    《サン・レミのヴィクトル・ユゴー大通りの道路工夫》とも(「ゴッホ全油彩画」による題名)。同じ構図がThe Phillippe Collectionにある。

  • フィンセント・ファン・ゴッホ《サン=レミのポプラ》1889年10月
    《丘の道の2本のポプラ》とも。(「ゴッホ全油彩画」による題名)

    Vincent van Gogh, Poplars at Saint-Rémy
    テオへの手紙の中で、"I have a study of two yellowing poplars against a background of mountains and a view of the park here, an autumn effect."とこの作品について触れているそうだ。施療院に住んでいたときの作品。

    セクション2-Ⅱ:象徴主義・ナビ派
  • モーリス・ドニ《緑のドレスのエヴァ・ムーリエ》1891年;

  • エドゥアール・ヴュイヤール《カフェ・ウェプラー》1908-10年頃、1912年再制作

  • ジョヴァンニ・セガンティーニ《松の木》1897年頃

  • ピエール・ボナール《デザート》, 1920頃
    Pierre Bonnard, The Dessert, or After Dinner

    日常風景。肘をついて座る画家の妻Marthe Bonnardと少年を描く。ボナールってピンとこないです。
    など

    セクション3:近代彫刻のさきがけ ロダンとロッソ
    ロダンの彫刻が7点並ぶ

    セクション4:ピカソと20世紀の前衛
  • パブロ・ピカソ《ケープを纏った女(ジャンヌトン)》1901年;

    ほかキュビズム作品2点。ブラック1点など
  • アメデオ・モディリアーニ《女の肖像》1918-19年

  • アンリ・マティス《ニース、花のフェスティバル》1923年;
    Henri Matisse, Festival of Flowers, Nice (Fête des fleurs)

    このテーマで少なくとも5点ある作品の1つ。ニースのthe Hôtel de la Meditérranéeからthe Promenade des Anglaisを臨む。娘のMargueriteとモデルHenrietteが花を投げる様子。とのこと。ニースらしい風景。一度海外沿いの高級ホテルに宿泊してこんな風景をみたいものです。
  • ルネ・マグリット《秘密の生》1928年
  • マックス・エルンスト《草上の昼食》1944年;こちらは正確には草上ではなくHerbreつまりLe Déjeuner sur l'Herbeではない。

    セクション5:北ヨーロッパの光
  • ピエト・モンドリアン《前景に若い木のある野原》1907年
  • ピエト・モンドリアン《菊》制作年不詳
  • ピエト・モンドリアン《赤と黄色、青のコンポジション》1927年

  • ガブリエーレ・ミュンター《未来(ストックホルムの女)》1917年;

    第一次世界大戦の勃発によりカンディンスキーと別離したあとの作品。ミュンヘンにあるレーンバッハ美術館を訪れたとき(記録はこちら)に購入した図録The Blue Rider in the Lenbachhaus MuseumにもPensive Woman,1917という同時期の作品が掲載されていました。
    など

    画像は全てクリーブランド美術館へのSRCリンクです。


    クリーブランド美術館といえば、日本美術も優品を多く所蔵していて
    上畳本三十六歌仙絵 平兼盛

    十牛図断簡

    とか


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